英語で「連絡する」と伝えたいとき、みなさんはどのような単語を思い浮かべますか?
電話なら”call”、メールなら”mail”、もしくSNSが普及している最近では、そのまま”LINE”や”chat”を使う方も多いかもしれません。

「連絡する」を意味する英語のなかでも、幅広いシーンで使割れる”reach out”という表現を聞いたことはあるでしょうか。

今回は、積極的にコミュニケーションを取るときに最適な英語表現”reach out”の意味と使い方、そして間違いやすい”contact”との違いを解説していきます。

”reach out”の意味は?

”reach out”の意味は?

”reach out”は、「手を伸ばす」「接触する」「連絡しようとする」「働きかける」などの意味を持つ句動詞です。
「到着する」「達する」を意味する動詞”reach”と、「外へ」を意味する副詞”out”の2つの単語で構成され、1つの動詞のように特定の意味を表します。

辞書では以下のように定義されています。

  • to try to communicate with a person or a group of people, usually in order to help or involve them
    通常は、人または集団を助けたり関与させたりするために、彼らとコミュニケーションを取ろうとすること
  • to communicate with someone, especially by using a phone, sending them an email, etc.
    特に電話を使用したり、電子メールを送信したりして、誰かとコミュニケーションを取ること。
  • to offer help and support to someone
    誰かに助けやサポートを提供する

参考:Cambridge Dictionary

try to communicate”と”in order to help”とあるように、”reach out”は、何かしらの助けや支援を求めて人や組織に働きかけることを意味します。
なお、”to offer”からもわかるように、助けを求めるだけではなく、逆に「援助するために手を差し伸べる」という意味でも用いられるので、どちらの立場でも使えるように覚えておきましょう。

カタカナの「アウトリーチ」とは?

”reach out”と聞いて、カタカナの「アウトリーチ」を想像した方はいませんか?
「アウトリーチ」は、さまざまな手段で必要な人に必要なサービスと情報を届けることを意味するカタカナ言葉です。

生活上の課題を抱えながる個人や家族に対し、相談会の開催や人々の交流の場を設けるために、支援につながるような取り組みを積極的に働きかけること

参考:厚生労働省|アウトリーチ

「アウトリーチ」のもとになっているのは、名詞の”outreach”で、行政や教育機関、NPO、地域の団体などが、社会的弱者に提供する情報や支援活動を意味します。
「アウトリーチ」は、「訪問支援」や「出張支援」などとも呼ばれます。

”reach out”を使った例文

「手を伸ばす」や「救いの手を差し出す」、「援助を提供する」などの意味を表す”reach out”を使った例文を紹介します。

Aさん
She said she wanted selective schools to reach out more to poorer pupils.
訳)彼女は、選択制の学校にはもっと貧しい生徒たちを支援してほしいと言いました。
Aさん
It took tremendous strength to reach out for support.
訳)支援を求めて手を差し伸べるには、とてつもない強さが必要でした。
Aさん
It’s been amazing to see how the community has reached out and helped.
訳)地域社会がどのように支援し、助けてくれたかを知るのは素晴らしいことです。

次で紹介する”reach out to”は、「関係を築く」「接触する」「連絡する」などの意味を表します。

Aさん
He had extraordinary emotional intelligence, an ability to reach out to people.
訳)彼には並外れた感性があり、人々とより良い関係を築く力がありました。

”reach out to”と”contact”の違いは?

”reach out to”と”contact”の違いは?

”reach out”は、 ”to”がついた”reach out to”で「連絡する」を表現されることが多いですが、
この”reach out to”と似ている単語に、”contact”があります。
”reach out to”と”contact”は、シーンや相手によって、ニュアンスに微妙な違いがあるので解説しておきましょう。

”reach out to”は、目的のために、相手に積極的に働きかける意味合いが強く、何かしらのアプローチや支援を求める際に使用されます。

  • to make an effort to communicate with people or to give them your support
    人々とコミュニケーションをとったり、支援を与えたりするために努力すること
  • to show people that you are interested in them and want to listen to them
    相手に興味があり、相手の話を聞きたいと思っていることを示す

参考:Cambridge Dictionary Longman Dictionary

Aさん
He reached out to all his classmates and held a reunion.
訳)彼はクラスメイト全員に連絡を取り、同窓会を開きました。
Aさん
We should reach out to the community to promote our event.
訳)わたしたちのイベントを宣伝するために、コミュニティに働きかける必要があります。

”Feel free to reach out to me.”は、遠慮なく何でも相談してほしいという友好的な姿勢を伝えたいときによく使われるフレーズですよ。

Aさん
If you have any questions, don’t be a stranger. Feel free to reach out to me.
訳)ご質問がございましたら、遠慮なくご連絡ください。

 

”contact”は、「連絡する」を意味する最も一般的でよく知られている単語です。
個人や組織に情報を伝えるという意味で、日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用されます。

communication with someone, especially by speaking or writing to them regularly
誰かとのコミュニケーション、特に定期的に話したり書いたりすること

参考:Cambridge Dictionary

 

Aさん
We still keep in contact with our classmates.
訳)わたしたちはクラスメイトと今でも連絡を取り合っています。
Aさん
Sorry, I’m quite busy in the morning. Could you contact me in the evening?
訳)すみません、午前中は忙しいので、連絡は夕方にいただけるとありがたいです。

積極的に働きかける”reach out to”と、連絡全般を指す”contact”は、家族や友人をはじめ、幅広い文脈で活用できる表現なのでぜひ覚えておきましょう。

まとめ

相手と積極的にコミュニケーションを取りたいときに使う英語”reach out”の意味と正しい使い方、間違いやすい”contact”との違いを解説しました。

”reach out”は、「手を伸ばす」「接触する」「連絡しようとする」「働きかける」など、いろいろな意味を持っている句動詞です。

単なる「連絡する」ではなく、何かしらの助けや支援を求めて、人や組織に積極的に働きかけることを意味します。
支援や援助を提供する側の立場でも用いられるので、両方の意味をおさえておきましょう。

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