ブルガリアの首都ソフィアの郊外、ヴィトシャ山の麓に広がる閑静な高級住宅街「ボヤナ地区」に、ひっそりと佇む石造りの小さな教会があります。それが、世界遺産に登録されたボヤナ教会(Boyana Church)です。
この教会は見た目は素朴ですが、内部に足を踏み入れると、壮麗な壁画の世界が広がります。
ここには、11世紀から19世紀にかけて描かれた、ブルガリア正教会の信仰と美術が息づくフレスコ画が今も鮮明に残っており、多くの人々を魅了しています。
ボヤナ教会とは?

ボヤナ教会は、ブルガリア正教会に属する歴史ある教会堂で、その歴史は10世紀末にさかのぼります。現在の建物は、以下の3つの時期に分かれて増改築されたものです。
- 東翼(最古の部分):10世紀後半~11世紀初頭
- 中央棟(カロヤン夫妻による増築):13世紀半ば
- 西翼(地元住民の寄付による増築):19世紀半ば
このように、時代ごとに異なる建築様式や宗教的背景が重なり合っており、ブルガリアの歴史そのものを映し出している教会なのです。
フレスコ画:中世ブルガリアの美の結晶
ボヤナ教会の最大の魅力は、なんといっても内部の壁一面に描かれたフレスコ画(frescoes)です。この教会には、時代ごとのフレスコ画が何層にも重なっており、それぞれの時代の画風の変化や宗教観の移り変わりを知ることができます。
とりわけ有名なのが、1259年に描かれた第2層の壁画群です。このフレスコ画には、なんと240以上の人物像が描かれています。
「海での奇跡」では、船の形や水夫の帽子にヴェネツィア船の影響が見られるなど、当時の文化交流も垣間見ることができます。
また、パトロンである貴族カロヤン(Kaloyan)とその妻デシスラヴァ(Desislava)の肖像画も非常に印象的です。彼らはこの教会の増築と壁画制作を支援し、その姿が北壁に生き生きと描かれています。
アクセス方法
ボヤナ教会へは、ソフィア中心部から車で約30分なので、タクシーを使うこともできます。バスの場合は、64番か107番で「ボヤナ」まで行くことが可能です。ただし、時刻表や乗り換えに注意が必要です。
ボヤナ教会が建てられたきっかけと歴史的背景
ボヤナ教会の起源は、10世紀末から11世紀初頭にかけて建てられた小さな教会です。当時のブルガリアは東ローマ帝国の支配下にあり、教会は地元のキリスト教徒や修道士の礼拝の場として建てられました。場所として選ばれたヴィトシャ山の麓のボヤナ地区は、自然に囲まれた静かな環境で、修道生活に理想的な場所とされていました。
その後、13世紀に入ると、第2次ブルガリア帝国の貴族カロヤン夫妻がこの教会を拡張し、家族礼拝堂や墓所として中央棟を増築。1259年には有名なフレスコ画が描かれました。
オスマン帝国支配時代には一時衰退しましたが、19世紀半ばに地元の人々の寄付で西翼が増築され、再び使われるようになります。
このように、ボヤナ教会はブルガリアの歴史・信仰・芸術が重なり合った建築物であり、20世紀に入り、学者や保存団体の努力によって壁画の修復と保護が進み、1979年にはユネスコの世界遺産にも登録されました。
世界遺産としての価値
ボヤナ教会(Boyana Church)は、1979年にユネスコ世界遺産に登録されました。
登録理由は?
登録の理由は、主に以下のような点です。
- ドーム屋根、豪華に装飾されたファサード、陶器の装飾を備えたギリシャ十字の平面図を持つ教会で、素晴らしい壁画を持つ注目すべき中世の建造物の一つである
- 異なる時代の3つの部分で構成された建築で、1つの建物としてのバランスがとれた構造である
覚えておきたい英会話フレーズ
旅行中、世界遺産の美しさや歴史を英語で共有したいとき、こんなフレーズを使ってみましょう!
訳)この教会、1000年以上前のものなんだよ。信じられる?
訳)壁画の保存状態がすごいよね!
訳)ブルガリアにこんな素晴らしい芸術があったなんて知らなかった!
訳)僕も!本当に隠れた名所だね。
訳)中で写真撮ってもいいのかな?
訳)壁画保護のために撮影禁止って聞いたよ。
訳)この絵の背景にある歴史、もっと知りたいな。
訳)ガイドブックを買うか、ツアーに参加しよう!
おすすめの見どころ

ボヤナ教会の最大の見どころは、1259年に描かれた鮮やかなフレスコ画と、時代ごとに増築された建築構造です。中世ブルガリア芸術の粋を集めた壁画群は、写実的な人物描写と深い宗教的象徴に満ちており、訪れる人の心を打ちます。
教会建築の三段階構成
ボヤナ教会は、3つの時代の建築が融合した構造になっています。
東翼は最も古い部分で、小さなヴォールト(かまぼこ型天井)と十字架構造が特徴です。中央棟は2階建てで、1階は墓所、2階は礼拝堂。装飾陶器が外壁に埋め込まれています。西翼は、地元の共同体が資金を出して建設されました。
フレスコ画:第一層
教会の最初の壁画は、東翼の後陣や北壁に断片的に残っています。色彩は褪せていますが、初期キリスト教の様式を伝えています。
フレスコ画:第二層
最も有名な層で、中央棟の上下階に描かれた壁画です。240人以上の人物像は、一人ひとり異なる表情や動きを見せ、心理描写や生命力の表現に富んでいます。
聖ニコラオスの生涯は、中央棟の拝廊の18場面に描かれています。この描き手は、情景の中に同時代の要素を取り込み、写実的に描かれています。
この壁画群は、中世ブルガリア文化の頂点とされ、後のヨーロッパ写実主義にも影響を与えたと考えられています。
後代の壁画群
後代のフレスコ画には、14世紀の「聖母マリアの奉献」、16~17世紀の「聖ニコラオスの肖像画」、1882年の聖ニコラオスと聖パンテレイモンの姿が描かれたものがあります。
これらの壁画は時代ごとの宗教観や美術様式の変化を物語っています。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう
ボヤナ教会は、ブルガリアの小さな一角にある大きな芸術遺産です。
このような場所を英語で紹介したり、感動をシェアしたりできれば、英語学習も旅ももっと楽しくなります。
Let’s explore the world’s heritage with English!
「英語で世界遺産の旅に出かけよう!」
