社会問題のひとつでもある「いじめ」。英語圏にも「いじめ」はあり、「いじめ」を表す英語もいくつかあります。「いじめ」は深刻でデリケートな問題のため、使い方を誤ると思わぬトラブルを引き起こす可能性もあり、注意が必要。

今回は「いじめる」や「からかう」、「悪口を言う」などの英語表現をご紹介します。意味やニュアンスの違いを把握して、正しく使えるようにしましょう!

「いじめ」の英語表現

「いじめ」を表す英語には次のようなものがあります。

bully

bullyは「いじめ」を表す最も一般的な単語です。
動詞と名詞、両方の意味があり、動詞の場合は「いじめる」、名詞の場合は「いじめっ子」の意味です。bullyを使ったさまざまな表現を確認しましょう。

いじめる

Aさん
I don’t like people who bully others.

他人をいじめるような人は好きではありません。

 

Aさん

Don’t bully the weak.

弱いものいじめをしてはいけない。

 

いじめっ子

 

Aさん

You are such a bully.

君は意地悪だ。

 

Aさん

He used to be a bully.

かれはかつていじめっ子だった。

 

いじめられる

bullyは「いじめる」という意味なので、いじめられている状態は受動態を使って表現します。

Aさん
I was bullied by my classmates when I was at school.
わたしは学生のころ、クラスメイトにいじめられた。
Aさん
She was bullied a lot in high school.
彼女は高校時代によくいじめられた。

会社でいじめられている

Aさん
I’m getting bullied at work.
わたしは会社でいじめられている。

いじめが原因で…

Aさん
Some students are unable to go to school because they are being bullied.
いじめが原因で学校にいけなくなってしまう生徒もいる。

いじめの問題

いじめの問題を英語で表現するときは動名詞のbullyingを使います。

 

Aさん

Bullying is a serious problem in Japan.

いじめは日本では深刻な問題です。

ネットいじめ

最近、問題になっているネットいじめは英語ではcyberbullyと表現します。
cyberは「サイバーの、ネットワークの」という意味。
cyberbullyは動詞なら、「ネット上で人をいじめる」、名詞なら「ネット上でいじめをする人」という意味になります。

Aさん
cyberbullying is bullying that takes place over digital devices.
ネットいじめとはデジタル機器を通じて起こるいじめのことです。
Aさん
Cyberbullying has become increasingly common these days.
ここ最近、ネットいじめはますます一般的になってきた。

harass

セクハラやモラハラなど、日本語でもよく耳にするharassment。これは「いやがらせ」という意味です。その動詞であるharassもいじめを表現する際に使うことができる英語です。
主に職場などでの深刻ないじめに使われることが多く、相手が嫌がる言動をして、苦痛を与えたり不利益にすることに使われます。bullyよりも強い意味を持ちます。

Aさん
His boss racially harassed him.
彼の上司は彼に人種差別的な嫌がらせをした。
Aさん
George harassed him with questions.
ジョージは彼を質問攻めで困らせた。

「からかう」の英語表現

「からかう」の英語表現

「いじめ」まではいかないけれど、ちょっとちょっかいを出すというような「からかう」の表現も併せて確認しておきましょう。
英語の「からかう」には次のような表現があります。

tease

teaseは相手を困らせたり、おもしろがってからかったりする意味。日本語にするなら「からかう」や「ちょっかいを出す」、「冷やかす」がしっくりくる表現です。好きな子にちょっかいを出すようなシーンでも使われますよ。

 

Aさん

Stop teasing me.

からかうのはやめて。

 

Aさん
He teases her about her accent.
彼は彼女のアクセントをからかった。

teaseには「焦らす」という意味もあります。「ティーザー広告」なんて言葉を聞いたことのある人もいるのでは?これは、商品の片的な情報だけを公開し、消費者の興味を引くことを意図したプロモーション手法のひとつ。情報を小出しにすることで、消費者を焦らして期待を膨らませる方法です。

make fun of

make fun ofteaseと同様に「からかう」という意味を持つ単語ですが、「馬鹿にする」というニュアンスが含まれ、teaseよりも少しネガティブな意味合いを持つ場合もある単語です。
純粋に人を笑わせるためにからかうときも、馬鹿にして誰かを傷つけるときにもどちらにも使える表現です。

Aさん
He made fun of me again.
彼はわたしをまたからかった。
Aさん
They make fun of me because of how I talk.
彼らはわたしの話し方を馬鹿にする。

play a joke on

冗談の意味を持つjokeを使い、play a joke onで「からかう」という表現になります。

 

Aさん

They often played a joke on us.

彼らはよくわたしたちをからかった。

 

Aさん

Don’t play a joke on him.

彼をからかわないで。

 

「悪口を言う」の英語表現

「悪口を言う」の英語表現

悪口を言うという表現も一緒に確認しましょう。

talk behind one’s back

直訳すると「〜の背中で話す」。そこから「悪口を言う」と意味になります。

Aさん
She’s talking behind your back.
彼女はあなたの悪口を言っている。
Aさん
Don’t talk behind his back.
人の悪口はやめなさい。

bad-mouth

bad-mouthも「悪口を言う」という意味を持ちます。日本語の「口が悪い」と同じイメージですね。

Aさん
She’s always bad-mouthing her classmate.
彼女はいつもクラスメイトの悪口を言っている。
Aさん
He never bad-mouths other people.
彼は決して人の悪口を言いません。

call someone names

一瞬「名前を呼ぶ」という意味かと思ってしまう「call someone names」。nameには「悪口」という意味もあり、「call someone names」で「〜の悪口を言う」という意味になります。

Aさん
Don’t call me names.
わたしの悪口を言わないで。
Aさん
They called one another names.
彼らはお互いに悪口を言い合った。

まとめ

今回は、「いじめ」や「からかう」、「悪口を言う」などの表現をご紹介しました。
「いじめ」は世界的に深刻な問題となっているため、ニュアンスの違いをしっかりと覚えておくことが大切です。
「からかう」や「悪口を言う」なんて表現は海外ドラマなどで耳にすることがあるかも?
次にドラマを見るときは少し意識してみてくださいね。