何かが認められたり、承認されたりするときの英語表現はいくつかあります。
そのひとつであるgrantedやgrantのニュアンスや使い方はどのようなものか知っていますか?
この記事では、カジュアルな会話にもビジネスにも使える英語grantedやgrantについて解説します。イディオムや補助金といった使い方も例文で紹介しましょう。
grantedの意味
grantedのカタカナ語の読み方はグランティドのようになります。さっそく以下、意味を紹介します。
grantedの意味
さて、単語grantedは副詞的用法と接続詞的用法、さらに英会話で返事を一言で言うときに使われる単語です。
副詞的用法のgranted
ひとつ目のgrantedは副詞的用法であり、このときの意味は「~であることは認める」になります。Butやyetを伴い「なるほど、そのとおりだが」という意味で使われることが多くなります。
訳)なるほど、そのとおりだけれど高すぎるね。
なるほどと認めた上で、否定するパターンの例文になっています。一旦認めて譲歩する形にしながらも、自分の意見を言うときに便利なのがgrantedです。
接続詞的用法のgranted
次は、接続詞的用法のgrantedです。こちらは「仮に~だとしても」と何かについて認めた後、Granted thatのパターンでそれについて別のことを言うときに使用します。
訳)その話が本当だとしても、それについてできることはあまりありません。
引用:Cambridge Dictionary”granted”
英会話で「確かに」「だよね」「そのとおり」
3つ目のgrantedですが、相手の言ったことを認めて納得し、一言で返事をするときの「確かに」「だよね」「そのとおり」です。
訳)晩ごはん前にビスケットを食べるべきじゃないと思うよ。
訳)だよね!
訳)彼女ってとっても協力的だけど、時々やりすぎなんだよな。
訳)確かに。
grantの意味
さて、ここでは動詞のgrantのほうをみていきましょう。カタカナ語の読み方はグラントのようになります。
活用は、grant-granted-grantedになります。
grantの意味
動詞grantの場合、以下の意味を持ちます。
「承認する」
「与える」
「~であると認める」
「人が言うことを認める」
ここでも「認める」がキーとなってきます。
典型的なパターンとして、It’s been granted.=それは承認・許可された、のように使います。
それでは、ビジネスでも使われる「要望に応じる」について、例文でgrantの使い方を紹介します。
訳)上司は、ロンドン出張の私の要望に応じた。
この例文では、ロンドンへ行くというリクエストが上司によって許可されたという捉え方をしましょう。
grantを英語で説明するとagree to doになるからです。
訳)プロジェクトに追加の予算が付与されました。
追加予算が受け入れられ承認されたという例文です。やはり、grantが何かが認められるという意味合いを持つ単語であることがよく分かります。
take for grantedの意味とは?
さ、ここからはgrantの使い方でぜひ覚えたいイディオムtake for grantedの紹介です。
take for granted
それ、してもらって当然って思わないでね、なんていう会話があります。当然とは当たり前で何かを疑うことなく、言うまでもないということですね。
そんなとき、フレーズtake for grantedが「当たり前」を表現します。
訳)家族がお互いに支え合うのは当然のことだ。
家族といえどもいろいろな形がありますが、この例文ではtake for grantedを使用することによって、サポートし合うという環境が与えられて当然というニュアンスが含まれています。それがあって当たり前、という意味合いです。
訳)父は、母が子どもの世話をしたり、家事をしたりすることが当然だと思っています。それって古い考え方だと思う。
こういった夫婦のあり方はまだ多いのでしょうか?それが当然、当たり前と思うのは基本、父親側だけかもしれません。
また、当然につながる部分がありますが、慣れすぎたせいで、誰かまたは何かを適切に評価できないこともtake for grantedで表現できます。
take it for granted
次に、上のtake for grantedの応用バージョンtake it for grantedの紹介です。it部分には、様々なものを置き換えて使用することができます。
take it for granted
take it for grantedはこちらも「当たり前のことと思う」の意味で使用されます。そこにいて当たり前の家族、いつでもあって当然の水、など、一度考えてみればこれらは与えられて当然ではないことがあります。しかし、この表現では、十分な理由や証拠無しに信じていることを指します。当たり前と言うとき、時には軽んじて考えてしまうことがありますね。
理由無しに信じていることについて、否定形にしてDon’t take it for granted.にすれば「当たり前と思わないで」「当然だと思うな」と注意喚起することもできます。
また、itには様々なものを置き換えて応用することができます。例えば、take someone for grantedであれば、その人の存在が当然であることを意味します。
訳)私たちは2年間付き合っていて、彼は私たちが当然結婚するものだろうと考えていたんだよね。
ある期間デートをしてきたからその後は結婚につながるのが当たり前と考えていた彼との相違が・・・思い込みはいけませんね。
訳)決して健康を当たり前のこととして考えるべきではない。むしろ感謝すべきだ。
itをour healthに置き換えた例文です。健康であることを当然と思い疎かにする、それが病気や怪我になって改めて考える機会になる、このような会話は日常でありますね。
グラント
日本語でグラントと言うことがあります。この場合、どのような意味で使われているか知っていますか?
グラントは「補助金」
グラントはお金のことであり、特に政府機関、行政や企業から非営利組織へ出る補助金を指します。非営利組織とは、NPOなど営利を目的とせずに、社会的なミッションを達成するために活動する民間の組織です。補助金や助成金は、交付・付与されるものです。
グラントは英語grantからきた言葉であり、名詞として「助成金・補助金交付」の意味を持ちます。動詞grantの「与える」や「承認する」という意味からもつながりますね。このことから、grantはgiveと似た使われ方をします。しかし、giveより丁寧な表現であるgrantが公式なシーンで使われるのです。
次では、英語grantがどのように補助金に使われるのか紹介しましょう。
grantで補助金
grantには名詞として「助成金・補助金交付」の意味を持っていることを述べました。最後に、例文でこの英語表現をどう使うのかみていきましょう。
grantで「補助金」
補助金とは、政策目的の達成のために税金を使って支援する制度です。ちなみに、助成金は主に雇用関係の制度となります。
訳)その大学は、教育省から様々な補助金を受けました。
訳)補助金3万ポンドは、学校の施設改善に使われます。
この例文2例のように、grantは可算名詞であり複数の場合にはgrantsと-sをつけるようにしましょう。
まとめ
本記事では「認める」ことをイメージに持つgrantedやgrantを紹介しました。そして、We never take anything for granted.「何事も当たり前だと思ってはいけない」、こんな言葉を英語でサクッと表現できるのがgrantedです。
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