毎日飲む水、熱中症を避けるための麦茶やスポーツドリンク、可愛いカフェで飲むラテなどなど、すべてが液体です。液体は飲み物や食べ物だけでなく、化粧品やシャンプーなども含まれ、私たちの暮らしにとって不可欠です。
この「液体」の英語がliquidということは、皆さんにとって親しみのある言葉ではないでしょうか?
この記事では、液体liquidをもっと知るため、様々な角度から解説します。この機会に液体に関する表現を学びましょう。
可算名詞と不可算名詞
いきなり、英文法の話しになります。皆さん「可算名詞」と「不可算名詞」についてはしっかり理解していますか?
あ〜数えられる名詞と数えられない名詞だよね、と頭に浮かんだら正解です。それでは、どんなものが数えられ、または数えられないのかは大丈夫でしょうか?
可算名詞とは
1人の子ども、2枚のお皿、このように1つ、2つ、3つと数えられる名詞が可算名詞です。英語ではcountable nounsになります。countableは数えられる・可算のという意味を持つ形容詞ですので分かりやすいですね。
数えられるということから、単数形と複数形が存在します。
以下、例文で使い方をみてみましょう。
I told one friend that I started learning English.
訳)私は英語を勉強し始めたことをある友人に話したの。
I told three friends that I started learning English.
訳)私は英語を勉強し始めたことを友人3人に話したの。
同じ内容の英文でone friend、そしてthree friendsの違い、これらが可算名詞の単数・複数の場合になっています。
不可算名詞と比べ、可算名詞は比較的理解しやすいでしょう。
不可算名詞とは
さて、数えられない名詞uncountable nounについてみていきます。
数えれないというときの定義ですが、形がない、小さすぎる、感情や概念など目に見えないものが対象になります。
可算名詞が1個、2個などとカウントできるのに対し、不可算名詞のほうは主にグラムやリットルなど量で測る名詞です。
不可算名詞の具体例として雨、空気、砂糖、お金、愛、情報などが挙げられます。皆さん、それぞれがどんな意味から不可算名詞なのか考えてみてくださいね。
さて、不可算名詞が少し厄介なのはあるものが可算名詞にも不可算名詞にもなり得る点です。
コーヒーという液体は、丸いわけでも四角いわけでもないですし、小さい大きいで表現することがありません。こういう状態から、形がない名詞”不可算名詞”であることは理解できますが、可算名詞にすることもできます。それがa cup of coffee(一杯のコーヒー)にする場合です。
- 不可算名詞なら、Would you like some coffee?
- 可算名詞なら、Would you like a cup of coffee?
liquidの意味
さて、可算名詞か不可算名詞かというポイントですが、多くの日本人はliquidはもちろん不可算名詞でしょ~と言うでしょう。ところが、英英辞典を見ても「C or U」(countableまたはuncountable)と載っており、どちらとしても使われる単語です。a liquid(ある種の液体)になったり、複数liquidsにも変化します。不可算名詞liquidは液体全体を、可算のほうはある種の液体という捉え方になります。
意外な可算名詞は他にもいくつかあります。a minuteのように時間やa chance出来事を表す名詞です。始まりと終わるがある場合が多くなっています。
liquidの意味
liquidを辞書で調べてみると、以下の意味がみつかります。
名詞 液体
形容詞 液体の・液状の・液化した、流ちょうな、透明な、不安定な
これらをみると”流れる”がキーワードになっていると思いませんか?
liquidの使い方
さて、liquidの使い方を例文でみてみましょう。
Miso soup is liquid.
訳)お味噌汁は液体です。
I put ice into a hot liquid and it all melted.
訳)熱い液体に氷を入れたら全部溶けた。
お味噌汁も熱い液体もある種の液体という捉え方で可算名詞ですね。
英語を学習している皆さんは海外旅行へ、また留学の計画があるかもしれません。空港のセキュリティでは手荷物に限って液体の持ち込みできる量が決まっているので注意しなければいけませんね。
There are restrictions on the amount of liquids you can take in your hand luggage on a plane.
訳)飛行機の手荷物として持ち込める液体物の量には制限があります。
If you do take liquids, you must show the bag at the airport security point.
訳)液体を持ち込む場合、空港の保安検査場で手荷物を提示しなければいけません。
「液体窒素」の英語
次の「液体」は少し化学的な話しになります。液体窒素というものがありますが、名前のとおり、液体状態にある窒素を指します。窒素とは、生き物の体を形成する重要な元素、また空気の80%を占めていることを知っていますか?
この窒素は保安やパッケージといった安全性向上、また酸化防止による品質の保持のため半導体・エレクトロニクスから食品・飲料に至るまで暮らしに関わるものに幅広く使用されています。
液体窒素の英語と例文
液体窒素の英語は「liquid nitrogen(リクウィド ナイトゥラジン)」です。
窒素の元素記号がNであることも思い出せます。海外の大学で化学を研究したい人は必須のフレーズの一つになります。
Liquid nitrogen is very inexpensive because we can get it from air.
訳)液体窒素は空気から得られるため、非常に安価である。
Liquid nitrogen is a liquid that has a very low boiling point of -196°C.
訳)液体窒素は沸点がマイナス196°Cと非常に低い液体です。
液体・固体・気体の英語
物質の状態には液体に加え、固体と気体があります。これらの物質は温度や圧力を変えると異なる状態に変化します。例えば、個体である氷が溶ければ液体になるという例がわかりやすいでしょう。
- 液体とは、ほぼ一定の体積を持つが形は決まっていない。
- 固体とは、定まった形状と一定の体積を持つ。
- 気体とは、形も体積も決まっていない。
ところで、インスタで”猫は液体/Cats are liquid.”という投稿があります。ちょっと衝撃的ではないですか?液体とは、一定の体積があるものの固形としての形を持たない特徴があります。猫は液体のように体をしなやかに変形できるので”猫は液体だっ”と話題になっているようです。
液体・固体・気体の英語と例文
液体・固体・気体は英検2級の問題に出る単語です。液体はliquidはすでにみてきましたが、固体・気体の英語表現と例文を紹介しましょう。
固体はsolid
例えば、お腹を壊した、病気をしたとき食べ物にも気をつけなければいけませんが、日本ならおかゆからお米と変えていくことがあります。またはベビーフードも徐々に固体の食事に変えていきます。このような場合に使われる普通の食事のことを「solid food」と呼びます。
また、I worked for two solid hours.なら、2時間バッチリ働いたという意味で、この場合休憩無しだったニュアンスが含まれます。このように、solidはなかなか面白い言葉です。
When ice cream melts, it passes from a solid to a liquid form.
訳)アイスクリームが溶けるとき、固体から液体の形になります。
気体はgas
空気は気体ですし、水蒸気は液体の水が気体になった状態です。期待を表す「gas」には、燃料用のガスやガソリン、おならをいうところのガス、スラングで無駄話や冗談という意味も含まれています。
Common examples of gases include oxygen, carbon dioxide, steam and dry ice.
訳)気体の一般例として、酸素、二酸化炭素、蒸気やドライアイスなどがあります。
改めて液体・固体・気体を考えると、いかに生活に関わっているかがわかりますね。
「液体の~」の英語
最後に「液体の〜」という英語表現を紹介します。液体の洗濯洗剤などを英語で言えるようにしていきましょう。
「液体の~」の英語と例文
「液体の~」は形容詞のほうのliquidで表現することができます。
液体の洗濯洗剤はliquid detergent(detergentは合成洗剤や洗剤の意味)、液体のハンドソープならliquid hand soap。これならシンプルですね。
I changed from a solid soap to a liquid hand soap.
訳)固形石鹸から液体のハンドソープに変えたの。
Liquid detergents are usually more expensive than laundry detergent powder.
訳)通常、液体の洗剤は粉末洗濯洗剤よりも高いです。
物質の三態変化について英語で整理
固体、液体、気体の3つについて英語で何というかを確認したところで、学校の理科の授業で学んだ「物質の3態」について、英語で整理してみましょう。
シンプルに「氷」「水」「水蒸気」で「固体」「液体」「気体」という3つの状態になりますね。
氷 Ice ⇔ 水 Water ⇔ 水蒸気 Water vapor
固体 Solid ⇔ 液体 Liquid ⇔ 気体 Gas
Aさん
When water is chilled and the temperature falls below 0°C, it becomes solid and ice is formed
訳)水を冷やして、温度が0℃以下になったら、固体になって氷ができます。
Aさん
When water is boiled and the temperature rises above 100°C, it turns into a gas, water vapor.
訳)水を沸騰させて、温度が100℃以上になったら、気体になって水蒸気になります。
上記の3つの状態で、左から右への変化を見ていきます。
融解
氷(固体)から水(液体)への状態変化を「融解」といい、融解する温度を「融点」といいます。
「融解」は英語で “melting”、「融点」を英語で “melting point”といいます。
気化
水(固体)から水蒸気(気体)への状態変化を「気化」といい、気化する温度を「沸点」といいます。
「気化」は英語で “vaporization”または “evaporation”、「沸点」は英語で”boiling point”といいます。
次に、物質の3つの状態で、一番右から左への変化を見ていきます。
凝縮(液化)
水蒸気(気体)の温度を下げていくと、水(液体)になります。この状態の変化を「凝縮(液化)」といいます。
「凝縮(液化)」は英語で ”condensation (liquification)” といいます。
凝固
水(液体)から氷(固体)への状態変化を「凝固」といい、凝固する温度を「凝固点」といいます。
「凝固」は英語で “solidification“、「凝固点」を “solidification point“といいます。
最後に、物質の3つの状態で、一番左の氷(固体)から一気に水蒸気(気体)になる場合を見ましょう。
昇華
氷(固体)から水蒸気(気体)に一気になる状態変化を「昇華」といいます。
ドライアイス(固体のCO2)など固体を熱した時、一気に気体になるのが、まさに「昇華」の現象です。
「昇華」は英語で “sublimation” といいます。
物質の3つの状態変化について、日英併記で用語表を作成したので、参考にしてください。
日本語 | 英語 |
固体 | solid |
液体 | liquid |
気体 | gas |
融解 | melting |
融点 | melting point |
気化 | vaporization / evaporation |
沸点 | boiling point |
凝縮 | condensation |
液化 | liquification |
凝固 | solidification |
凝固点 | solidification point |
昇華 | sublimation |
沸点や融点の温度の違い
沸点や融点の温度は物質によって大きく違います。私たちは、生活を送る上で物質の沸点や融点を利用しています。具体的にどんな風に利用しているのか、例を見ていきましょう。
物質の沸点の利用
液体の水を熱して、100℃に達すると沸騰し、水の分子が内部からどんどん外へ出て、気体の水蒸気へと状態変化をします。水の沸点は100℃です。
一方、先ほど紹介した「液体窒素」の沸点は、-196℃と非常に低いですが、他にも水より沸点が低い物質はいろいろあります。
たとえば、お酒に含まれるアルコールの主成分であるエタノールの沸点は、78℃です。未成年はお酒を飲んではいけないとされていますが、肉じゃがなどの煮物で、酒を調味料として使い沸騰させて味付けをするのは問題ないですね。酒を沸騰させることによって、主成分のエタノールは飛んでしまい、旨味等の成分のみが料理に残ります。
また、危険物の取扱いにおいても、沸点は利用されています。気体は液体や固体に比べて大きな範囲で拡散しますし、私達人間は空気を吸って生活しています。
ですから、危険物を適切に管理するには、危険物が液体から気体に変化していく温度である沸点を理解しておくことが欠かせません。
たとえば、燃料としてよく知られているガソリンは、第1石油類として危険物に指定されており、ガソリンの沸点は30℃~220℃で、危険物取扱者の試験には、こういった危険物の沸点を把握しておかなければなりません。
物質の融点の利用
融点とは、固体が液体に変化する融解が起きる温度のことで、氷の融点は0℃です。
金属を加工する技術の一つとして、液体にした金属を型に流し込んで冷ます鋳造という方法があります。金属は固体から液体になる融点が高いものが多く、鉄の融点は1536℃ですが、アルミニウムは660℃と金属の中では比較的低く、液体にすることが他の金属より容易で鋳造しやすいです。
そのため、アルミニウムは機械部品や自動車エンジンの部品、1円玉など、様々なところで使用されています。
このように、物質の融点も沸点と同様に私たちの生活の中で利用されていることが分かります。
まとめ
液体の英語表現は “liquid” で名詞と形容詞の働きがあること、可算名詞と不可算名詞両方として使われることを紹介しました。
物質の三態変化についても、日本語と英語で解説していますので、その表現について確認してください。
意外にも生活に関係している液体について、ぜひ英会話で使えるようにしていきましょう。