英語を学習している皆さんは、海外のインスタやツイッターなどで「rip」という言葉を見たことがあるかもしれません。
RIPはメインで使われるニュアンスの他、スラングとして別の意味で使われる英語表現です。それらが何かご存知ですか?
この記事では「rip」の意味を解説するとともに、ネイティブがripをどのように使うのか紹介しましょう。
「rip」はネットスラング
「rip」の解説と言うと、通常は次で紹介するrest in peaceが真っ先にでることが多いのですが、本記事ではまずは「rip」のなかでもネットスラングとしての使い方を紹介しましょう。
ネットスラングripとは?
ネットスラングは英語Internet Slangからきた言葉です。
ネットスラングとは日本語ではネトスラとも呼ばれ、もっぱらSNS、メールや電子掲示板などインターネット上で使われる俗語を指します。俗語とはスラングですね。
ripを使った言葉がネットスラングになったときの意味を以下で2つ紹介しましょう。これらはネットスラングとしてだけでなく日常会話にも使われます。
破る・引き裂く・剥ぐ
一つ目は「破る・引き裂く・剥ぐ」という意味のrip(リプ)です。breakも壊すと言う意味の動詞ですが、ripのほうは特に手やナイフなどを使い衣服や生地が引き裂かれるときに使われます。一方、breakは個体物が壊れるときの単語です。
Stop pulling, you might rip my shirt!
訳)引っ張らないで、シャツが破れちゃうかもよ!
素晴らしい
ripping(リッピング)にすると、この意味が「素晴らしい」になります。Splendid/Excellentと同様に使われます。
That live show was ripping. I had goose bumps!
訳)あのライブショーは素晴らしかった。鳥肌がたったよ!
「rip」を使ったrip off
ripを使い、フレーズrip offにすると名詞「ぼったくり」や「騙す・盗む」の意味になります。1970年代からネイティブに使われるようになったこのフレーズ、刑務所ではこのスラングが以前から使われていました。
That price is a rip off!
訳)その値段はぼったくりだよ!
また、騙すの意味で使う際にはrip ◯◯ offのパターンにし、騙される人を◯◯に当てはめます。
She ripped me off. She posted on SNS something completely different compared to what she said to me.
訳)彼女は私を騙したんだ。私に言ったこととはまるで違うことをSNSに投稿した。
ここまでの表現をみてみると、ripはネイティブによってよく使われる言葉であることが分かります。次では、スラングでもありripの代表的な使い方である「rest in peace」の紹介に進みましょう。
rest in peaceの使い方
ネイティブが頻繁に使うものの、その意味が分からなければコミュニケーションが難しくなるもの、または間違った使い方をしてしまう可能性があるもの、その一つが「rest in peace」ではないでしょうか?
rest in peace
英語表現「rest in peace」は、誰かが死去した際に使われるフレーズです。この意味は「安らかに」であり、日本語の「ご冥福をお祈りします」といったところになります。rest(休息・眠り・永眠)をin peace(平和に・安らかに)と言っているのです。
このことから、墓石に亡くなった人の名前とともにこのフレーズが刻まれたりします。また、筆者の住むイギリスでは故人がよく通った公園に家族がベンチを寄贈し、そこに思い出が書かれたりしますが、この際もrest in peaceが一緒に使われる場合があります。
rest in peaceの由来
rest in peaceはラテン語「requiescat in pace」からきた言葉です。
rest in peaceの使い方
rest in peaceは亡くなった方へのメッセージです。そのため、故人の名前とともに使われることになります。
Rest in Peaceは文頭に持ってきたり、最後につける場合といろいろです。
Rest in Peace, Queen Elizabeth.
安らかにお眠りください、エリザベス女王。
May the Queen Rest in Peace 1926-2022.
女王のご冥福とお祈りします。1926-2022
この例文のように、故人の生誕から死去までの日にちを付け加えることもあります。
rest in peaceの略R.I.P.
rest in peaceはスラングとしては頭の文字をとって略した形「R.I.P.」として使われることのほうが多くなります。R.I.P.がrest in peaceであることを知らないと、まるで意味が分からないということになってしまいますね。
それぞれのアルファベットにピリオド(full stop)をつけている点にも注目してください。ピリオドがつくことで、冒頭で紹介したripとの明確な違いを表すことができます。
ripの読み方
R.I.P.の読み方についても触れましょう。リップと言うのは間違いではありませんが、”アール・アイ・ピー”とアルファベットをそのままにして読むほうが一般的です。
R.I.P.の使い方
上で紹介したエリザベス女王の例文をR.I.P.に変えてみましょう。
R.I.P. Queen Elizabeth.
この英文にしても「安らかにお眠りください、エリザベス女王。」の意味は変わりません。
He was my dearest friend. R.I.P.
訳)彼は私の大切な友人だった。安らかにお眠りください。
R.I.P.を使えば、このように亡くなった人へ哀悼の意を表現することができるのです。
R.I.P.の注意すべき使い方
海外の学生たちがR.I.P.を故人への敬意を表すのではなく、もっと気軽に「ひどい」や「終わった」など煽りのニュアンスで日常生活に使っています。SNS、暴力的なビデオゲームや映画などがあることで感覚が鈍ってきているのではないかとの研究もあります。あらゆる障害に対して、R.I.P.(安らかに)などと口走らないようするとともに、私たちも正しい意味と使い方を知ることが大切です。
R.I.P.への返し方
家族や親戚が故人に対してR.I.P.と言葉を言われた際、どのような答えを返したらよいのでしょう。どんな相手にも使えるフレーズを紹介します
R.I.P.と言われたときの返し方フレーズ
感謝の気持ちを無理に多くの言葉で伝える必要はありません。そんなときにはお礼の王道フレーズ「Thank you.」一言で答えればまったく問題ありません。
それ以外の短めな表現も紹介しましょう。
- I appreciate that.(感謝します)
- Thank you for all of your support.(皆さんのサポートありがとうございます)
- Thank you for reaching out.(声をかけてくれありがとうございます)
R.I.P.の類似表現condolence
R.I.P.と同様に、死去に関して覚えておきたい単語「condolences」を紹介します。condolence(コンドウレンス)は「お悔やみ・哀悼の言葉・弔辞」の意味を持つ名詞です。I’m sorry for your loss.(お悔やみ申し上げます)などのお悔やみフレーズとともに、condolenceも親戚や親しい友人の死に向き合ったときに思いやりを表すときにネイティブがよく使う言葉です。
Please accept my condolences for the loss of your beloved.
訳)最愛の人を亡くされたことに哀悼の意を表します。
your beloved=最愛の・愛しい・愛される
rippedの意味
次に、ripの関連用語「ripped」についてみていきましょう。
形容詞ripped
rippedは形容詞で「筋骨隆々とした・筋肉もりもりの」または「酒・麻薬に酔って」というこれまで紹介したrip関連と異なる意味を持っています。
I want to get a ripped body before summer.
訳)夏前に、筋肉もりもりボディを手に入れたいな。
We thought that our boss was so ripped last night.
訳)私たちは昨夜、上司がとてもひどく酔ったと思いました。
上で紹介した「破る・引き裂く・剥ぐ」という意味のripは動詞、ここでのrippedは形容詞です。
まとめ
rest in peace=R.I.P.は、亡くなった人へのお悔やみフレーズです。
またripは様々な意味でネイティブに使われる言葉であることも分かりました。
次にインスタなどSNSで、有名人などが亡くなった際「#️⃣R.I.P.」が出てきても意味が分かるようになりましたので、この機会に正しい意味や使い方をぜひ覚えてください。