海外のドラマや映画を観るとき「You deserve it!」というセリフを聞くことがあります。皆さんは、この意味を知っていますか?

この記事では、英語deserveの意味や使い方を紹介します。コミュニケーションを取るためにぜひ覚えたい表現です。この機会に、自分そして他人を褒める表現をひとつ増やしましょう。

「値する」の意味

本記事は自分や相手を褒める英語表現を紹介するのですが、日本語では「値する」という言葉も褒めたたえるときの言葉です。

「値する」の意味とは?

例えば「彼女はその受賞に値するね」というとき、その女性のそれまでしてきた取り組みを褒めたたえて、賞をもらったことは当然だ、というニュアンスが含まれています。値するの「値」は価値の値であり、彼女にはそれだけの価値があると言っているのです。

ちなみに、価値の「価」の読み方も「あたいする」です。
「値する」と「価する」の違いですが、前者はふさわしいの意味、後者は金銭的な値段のことを言います。日本語も改めて知ると面白いですね。

deserveで「値する」

deserveで「値する」

この記事では「値する」のほうの英語を紹介します。
値する=「〜されるのにふさわしい・〜の価値がある」に置き換えることができます。

「値する」の英語deserve

deserveは動詞です。過去形と過去分詞の活用はdeservedになります。そのカタカナ語の読み方はデザーヴのようにします。

単語deserveは以下のように使用します。deserveの後ろには人や物事を持ってきてください。

Aさん
You deserve a break as you’ve been working all day.

訳)1日中働いているから、休憩をとったらいいよ。

Aさん
I deserve a better life.

訳)私はもっと良い人生を送るにふさわしい。

Aさん
She deserves a better boyfriend.

訳)彼女にはもっといい彼氏がふさわしいわ。

どの例文も休憩を取ること、より良き人生を送ること、もっと良い彼を持つことに値する、ふさわしいということをdeserveで表現しています。

ここでdeserveの使い方をさらに理解するために、ネイティブによく使われるパターンフレーズを2つ紹介しましょう。

You deserve it!

You deserve it!と言われたら、それは相手からあなたが何かにふさわしいよ、という意味です。このフレーズの使い方を会話の例文でみてみましょう。

Aさん
I’ve done everything I needed to do, such as preparation for the business trip to Kagoshima from tomorrow, school run for the children, washing the clothes and cooked the dinner. I really want a cup of tea to wind down.

訳)明日からの鹿児島出張の準備、子どもの学校の送り迎え、洗濯、晩ご飯づくりとやるべきことはすべてやったわ。ゆっくりお茶でも飲みたいわ。

Bさん
Of course, you deserve it!

訳)もちろん、当然だよ!

夫婦の会話でしょうか?休む間もなく、次から次へと仕事をこなした後にようやくお茶を飲んでリラックスしたいというパートナーに、それだけ忙しくしていたんだからゆったりするのは当然だ、それに値するほど頑張ったんだから、という答えにYou deserve itを使っています。
文末のwind downですが「ストレスや興奮した後にリラックス」することを意味するフレーズです。

なお、主語youはhe/she/they/固有名詞などに置き換えて使ってください。

I deserve it.

ここでは、主語をIにしたパターンを紹介します。バレンタインデーに自分へご褒美チョコを買う時代になりました。自分で自分を褒めたいときってありますね。そんな場面でI deserve it.にすれば、私はそれに値するという意味から「それは当然だ」とI deserve it.で表現します。自分で自分のことを褒めるわけですから、ジョークっぽく言うこともありますが、英語圏では自己主張を怖がらずにしてみましょう。

Aさん
Have you bought another dress?!

訳)またドレスを買ったの?

Bさん
Yes, I did lots of overtime this month, so I deserve it.

訳)そうよ、今月はたくさん残業したし、だから当然よ。

自分を褒めるときは自画自賛でもいいんです。残業を頑張った自分に新しいドレスを購入、当然です。

ここまでの例のように「値する」「価値がある」や「ふさわしい」など少し訳しにくいdeserveも「当然だ」の意味で考えると理解しやすいでしょう。

deserveでネガティブな「値する」

ここまで、deserveをポジティブなニュアンスで紹介してきました。しかし、実はdeserveにはネガティブに「当然だ」「それに値する」といった使い方もあります。

ネガティブに「値する」

そんなこと(悪いこと)が起こって当然だ、というときのdeserveを紹介します。

Aさん
I haven’t done my homework. I’ve been lazy… The teacher will give me extra work, but I deserve it.

訳)宿題やってない。怠けちゃってた・・・先生は追加の課題を出すだろうけど、これは当然だわ。

Aさん
He didn’t get much of a bonus this summer. He deserves it as he didn’t work hard enough.

訳)彼はこの夏、あまりボーナスをもらえなかったよ。十分に働かなかったんだから当然だよ。

自分に、他人に、厳しい意見を言うときにもdeserveが使えることがわかりました。この場合、日本語の自業自得が合っています。

deservedの使い方

deservedの使い方

deservedはdeserveの過去形および過去分詞であるとともに、文脈によっては形容詞として使われます。

形容詞のdeserved

deservedには、受けた称賛・評価または批判が「当然の」「それだけの価値がある」「相応の」という形容詞の意味があります。

Aさん
The athlete got a deserved win.

訳)その選手は、当然の勝利を得た。

Aさん
The company made a deserved success for understanding well the people’s needs.

訳)その企業は人々のニーズをよく理解することで、当然の成功を収めた。

「値する」の言い換え2選

それでは、deserveの持つ「値する」に置き換えられる表現を2つ紹介します。

worth

worthは名詞で「価値」、形容詞で「~の価値がある」として会話によく使われます。関連する言葉に形容詞worthyがあり、こちらは「〜に値する」「〜するに足りる」の意味があります。

Aさん
I think it’s worth to ask if you can get a discount.

訳)割引が受けられるかどうか、聞いて見る価値があると思うよ。

deserveとworthの違いは、対象が以下のどれかによります。

  • deserveは行動、品質、重要性
  • worthはお金、時間、エネルギー

ですので、ディスカウントがもらえるかという上の例文ではworthが使われているんですね。

merit

動詞のmeritには「〜の評価に値する」「値する」の意味があります。meritは、特に報酬・功績・罰・配慮を受けるに値するときに使用されます。

Aさん
Her good work merits a raise. She’ll continue to work hard.

訳)彼女の良い仕事は昇給に値します。懸命に働き続けるでしょう。

「~に値する」の英語フレーズ

最後に、「~に値する」の英語フレーズdeserve to doおよびdeserve to beを紹介しましょう。このパターンをぜひ使えるようにしていきましょう。

deserve to do

deserve to doのdoには様々な動詞の原形を入れ替えて使うことができます。
ここで「彼女はその受賞に値するね」という日本語を英語にしてみましょう。

Aさん
She deserves to receive the award.

訳)彼女はその受賞に値するね。

この訳は「彼女はその賞を受けるに値する」とも言えます。こう言うからには、彼女の並々ならない努力の上の受賞は当然だという気持ちが込められているはずです。だからこそ、表彰されるのにふさわしい人だとdeserveを使っているのです。
なお、Sheという三人称ですのでdeservesと-sを付けるのを忘れないようにしましょう。

他にも、He deserves to win the game./She deserves to make a comment as a senior.など動詞を置き換えてエクササイズしてみましょう。

deserve to be

さらに、deserve to beのパターンをさらに紹介します。beの後には形容詞や受身形を持ってきますが、その点を例文で確認しましょう。

Aさん
I deserve to be happy.

訳)私は幸せになるに値する。

幸せになるのが当然の権利であることを訴えていますが、逆に悪いことをした人に向かい、否定形でYou don’t deserve to be happy.(あなたには幸せになる資格がない)ということもできます。

Aさん
The man deserves to be sent to prison.

訳)その男は、刑務所行きに値する。

法を犯したので刑務所に送られるのが当然だという訳にdeserve to beのパターンが使われています。

まとめ

「値する」「価値がある」や「ふさわしい」など少し訳しにくいdeserveも「当然だ」の意味で考えると理解しやすくなります。また、deserveにはポジティブとネガティブ両方の使い方があることも今回学びました。ぜひ、会話に使っていきましょう。

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