「すごい雨だね」「今日は雨が降っているね」など、雨がきっかけになって会話が始まることも多いですよね。
天気は日々の暮らしに関わる要素であり、ふとした会話のきっかけや何気ない会話の一部として頻繁に登場します。
雨は英語でrainと言うのは知っているものの、会話で使うのは慣れていないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「雨」にまつわる英語表現を紹介します。
「大雨」や「小雨」などの英語表現も紹介しますので、英会話で役立ててみてくださいね。
雨って英語で?
雨は英語で”rain”と言いますよね。
rainの発音記号はréɪnであり、カタカナで発音を表現するなら「レイン」となりますよ。
rの部分がlの発音にならないよう発音に気を付けるのがポイントです。
なお、雨は数えられない名詞「不可算名詞」となります。日本語でも1つの雨、2つの雨などとは言いませんよね。
英語でも雨は数えられないため、”rains”という複数形は存在しません。
rainは「雨」という意味の名詞の他、「雨が降る」という意味の動詞として使われるケースもあります。
It will rain today.
訳)今日は雨だろう。
It looks like rain.
訳)雨のようです。
It’s raining today.
訳)今日は雨が降っている。
It was raining yesterday.
訳)昨日は雨が降っていた。
rainingとrainyの違い
雨は英語で”rain”と言いますが、”raining”や”rainy”などの表現のよく使われます。
どちらも同じようなニュアンスに思われがちですが、少し意味が異なるので注意が必要です。
たとえば、簡単な文章で紹介すると、”raining”と”rainy”は同じ文章にどちらも当てはまりますよね。
It is rainy today.
どちらも「今日は雨が降っている」というニュアンスが伝わりますが、rainingの場合は「雨が降り続いている(進行形)」、rainyは「雨模様」「雨降りの」という状態を表すニュアンスがあります。
つまり、”rainy”を使う場合は、必ずしも雨が降っているのではなく、「雨が降ったりやんだりしている場合」や「雨が降りそうな空」に対しても使える表現なのです。
大雨に関する英語表現
降水量が多い場合や、雨がなかなかやまない様子を日本語で「大雨」と表現することがありますよね。
英語で「大雨」を表現する場合、rainという単語を使って “hard rain”, “heavy rain”などと表現する他、”downpour”と言われるケースもあります。
”downpour”は「土砂降り」という意味があります。
Aさん
It never rains but it pours.
訳)降れば土砂降り。
なお、「猛烈な」「激しい」という意味の”torrential”と組み合わせて “torrential downpour”という表現もありますよ。
”torrential downpour”が使われる場合は、深刻なニュアンスを含み、大雨災害やゲリラ豪雨、記録的な大雨などを表現する際に使われるので、覚えておきましょう。
It’s going to rain hard tonight.
訳)今日の夜は雨が激しく降るようです。
It’s heavy rain today.
訳)今日は大雨です。
My house was washed away in the torrential downpour.
訳)私の家は大雨によって流れた。
小雨に関する英語表現
小雨を表現する一般的な表現には “light rain”があります。
Light rain is falling now.
訳)今、小雨が降っています。
また、”light rain”を使った表現の他にも「小雨」や「にわか雨」の英語表現がありますよ。
にわか雨:”shower”
日本語で「シャワー」と言うと、「お風呂場のシャワー設備」をイメージしますよね。
もちろん、英語のshowerでも同様の意味がありますが、「にわか雨」「急に振り出した雨」という意味でも使われます。
また、”evening shower”で「夕方のにわか雨」=「夕立」という意味になるので覚えておきましょう。
I was caught in an evening shower.
訳)私は夕立にあいました。
小雨:drizzle、spit
小雨の表現には、”drizzle”や”spit”が使われることもあります。
”drizzle”は不可算名詞、”spit”は動詞であることが大きな違いでしょう。
”drizzle”は小雨の中でも霧雨のような雨を指す言葉で、”drizzle”だけ、もしくはdrizzle rainと表現することもあります。
The weather reports said it will drizzle tomorrow night.
訳)天気予報では明日の夜、小雨が降ると言っていました。
また、「ツバを吐く」という意味のspitは、Itを主語にすると「雨や雪がパラパラ降る」という意味の動詞になります。
It started spitting.
訳)雨がパラパラと降りだした。
「雨がやむ」の英語表現
「雨がやみそうだ」「雨がやんだ」などの「雨がやむ」というのは、”stop”を使って簡単に表現できますよ。
It will stop raining soon.
訳)もうすぐ雨がやむ。
Let’s wait until the rain stops.
訳)雨がやむまで待ちましょう。
We waited in the school until it stopped raining.
訳)私たちは雨がやむまで学校で待っていた。
「雨」に関する英語表現
ここでは、雨に関する英語表現を紹介していきます。
日本語 | 英語 |
天気雨 | sun shower |
通り雨 | passing shower |
春の雨 | spring rain |
雨天中止 | canceled due to rain |
雨天決行 | rain or shine |
雨模様 | It looks like rain |
突然の豪雨 | cloudburst |
スコール | squall |
暴風雨 | rainstorm |
雷雨 | thunder storm |
嵐 | storm |
傘 | umbrella |
カッパ | rain coat |
梅雨 | rainy season |
降水確率 | probability of rain |
降水量 | precipitation |
雨に関する警報・注意報
初夏から秋にかけて、台風が来たりして、「大雨特別警報」や「注意報」が出ることがよくありますね。
日本の気象庁の公式ウェブサイトによれば、「大雨特別警報」は英語で “Heavy Rain Emergency Warning”と言います。「特別」を “Special”ではなく、”Emergency”と訳しているのがポイントですね。「警報」は “Warning”となります。「大雨洪水警報」は”Heavy Rain and Flooding Warning”となります。
「高潮警報」は “Storm Surge Warning”となります。
「土砂災害警戒情報」は “Landslide Alert Information”です。「警戒」は “Alert”と訳されています。
「注意報」は “Advisory”で、「高潮注意報」は “Storm Surge Advisory”と言います。
「警報」「注意報」も表にまとめましたので、チェックしてみてください。
日本語 | 英語 |
大雨特別警報 | Heavy Rain Emergency Warning |
大雨洪水警報 | Heavy Rain and Flooding Warning |
特別警報(大雨以外) | Emergency Warning (Except Heavy Rain) |
高潮警報 | Storm Surge Warning |
警報(高潮以外) | Warning (Except Storm Surge) |
土砂災害警戒情報 | Landslide Alert Information |
高潮注意報 | Storm Surge Advisory |
注意報(高潮以外) | Advisory (Except Storm Surge) |
線状降水帯
近年、天気予報で「線状降水帯」という表現を耳にする機会が増えてきましたが、「線状降水帯」とはどういったものなのでしょうか。まずは、線状降水帯の定義から見ていきましょう。
「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域」
(出典:気象庁 降水 』雨に関する用語)
通常、積乱雲は雨を降らせると、1時間程度で消滅してしまいます。
線状降水帯の場合でも同様で、1つ1つの積乱雲は雨を降らせるとたちまち消滅してしまいますが、次々と発生した積乱雲が、積乱雲群となって、同じ場所を通過することで長時間の強雨をもたらし水害を発生させるのです。
「線状降水帯」は、英語で”linear precipitation zone” と言います。「線状」が”linear”、「降水」が”precipitation”、「帯」が”zone”ですね。
2017年の新語・流行語大賞に、「線状降水帯」がノミネートされ、その表現が一般に広く知られるようになりました。線状降水帯の発生の予想はとても難しいとされていますが、気象庁では、半日程度前から、気象情報において「線状降水帯」というキーワードを使って呼びかけるようになりました。
近年、毎年のように線状降水帯による顕著な大雨が発生し、数多くの甚大な災害が生じています。この線状降水帯による大雨が、災害発生の危険度の高まりにつながるものとして社会に浸透しつつあり、「線状降水帯」による大雨が発生している場合は、危機感を高めるためにそれを知らせてほしいという要望があります。
今のところ、西日本で線状降水帯が発生することが多く甚大な被害が生じているため、「線状降水帯」が発生する予報が出たときに、JR東海やJR西日本が、新幹線の運転を見合わせるようになりました。これは適切で正しい判断だと思います。日本国内でも「線状降水帯」があまり発生していない地域もありますが、初夏から秋にかけて、西日本に旅行や移動する予定がある人は、天気予報で「線状降水帯」発生の予報が出ていないかチェックする必要があります。
Aさん
We’ve seen terrible damage in linear precipitation zones.
訳)線状降水帯で甚大な被害を見てきたね。
The mechanism in which a linear precipitation zone is created and developed hasn’t been understood yet.
訳)線状降水帯が作り出されて発達するメカニズムはまだ理解されていないね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「雨」は英語で”rain”と言いますが、”rainy”や”raining”などの表現もあり、ニュアンスの違いがあるのが分かりましたね。rainは不可算名詞なので、複数形で使わないという点も注意しましょう。
雨に関する表現は、日本語に限らず英語でも日常的に使われます。
そのため、雨=rainというのは分かっているものの、会話で使えないということにならないよう練習しておく必要があるでしょう。
しかし、「雨」に関す英語表現にはさまざまな種類があるため、すべて覚えるのは難しいかもしれません。
そこで、まずは日常会話でよく登場するものから覚えていくのがおすすめです。「雨」にもさまざまなな種類のものがあり、その種類によって使う単語が違ってきますね。
警報級の大雨が降って、災害が起きることもありますので、雨に関する警報や「線状降水帯」なども英語で何と言うか紹介しました。
ぜひ今回の記事を参考に、「雨」に関する英語表現を覚えてみてくださいね。