”necessarily”と聞いてパッと意味を答えることができますか?
英語を長年勉強している人であれば、即座に解答してほしいところですが、英語初級者には少し難しい単語です。
もしかすると「単語自体は知っているけれど、どのタイミングで使うのか分からない。」という人もいるかもしれません。”necessarily”は少し癖のある使い方をしますが、このような単語をさらっと会話や文章で使えるとかっこいいですよね。
本記事では、”necessarily”の意味や使い方を徹底解説します。最後まで読んでいただくとほんの少しだけ、あなたの英語力がアップするかもしれません。
”necessarily”の意味・使い方
“necessarily”は意味もさることながら、発音も非常に難しい英単語です。発音記号は【nèsəsérəli】あえてカタカナ表記するなら、ネセセリリー。アクセントはaにありますが、ssaなのに発音は「セ」になります。さらに日本人が苦手とするLとRの発音が連続し、日本人にとって発音が非常に難しい単語です。
それでは”necessarily”の意味を確認しましょう。
必ず、必然的に
肯定文で使われる場合は、「必ず、必然的に」の意味です。
The accident necessarily happened.
訳)その事故は起こるべくして起こりました。(その事故は必然的でした。)
その結果になるのに、明らかな原因がある場合に使うことができます。
War necessarily brings tragedies.
訳)戦争には悲劇がつきものです。(戦争は必ず悲劇をもたらします。)
誰が聞いても明らかなことに対しても”necessarily”を使います。
しかし、肯定文の意味よりも次に解説する否定文の意味がより重要です。
必ずしも〜でない(否定文で)
“not necessarily”と否定の形になるとどのような意味になるでしょうか?必然を否定しているので「偶然」でしょうか?答えは、「必ずしも〜でない」です。なぜこのような訳になるかは、後で詳しく解説します。”necessarily”の例文を見てみるとそのほとんどが否定文です。それほど”necessarily”にとっては、否定文が重要な役割なのです。
The accident wasn’t necessarily caused by his negligent driving.
訳)その事故は必ずしも彼の不注意が原因とは限りません。
事故の原因は運転手にあったのかもしれないけれど、誰もその証明ができない場合、一方的に運転手だけを責めることはできませんよね。彼の不注意が原因かもしれないし、他に原因があるかもしれない、という時には”not necessarily”を使うことで少し濁した表現をすることができます。
名詞”necessity”と形容詞”necessary”の意味
“necessarily”は副詞です。副詞は名詞以外のすべての品詞を修飾する(さらに意味を加える)ことができます。肯定文の例文では、それぞれ”happened”と”brings”を修飾し、否定文の例文では”was caused”を修飾しています。ここでは、”necessarily”の名詞と形容詞について簡単にみてみましょう。
”necessity”
最後に”-ity”がつく単語のほとんどが名詞です。”necessity”は”necessarily”の名詞。意味は「必然性、必要性」です。”out of necessity”, ”from necessity”, ”by necessity”のように前置詞を伴って使われることが多く、いずれも意味は「必要に迫られて、やむを得ず」
もしくは「必需品」の意味で“necessity”が日常会話でよく使われます。
Aさん
I have to bring running shoes as one of the necessities for the event, but I don’t have any. Therefore, I will go to buy ones out of necessity/from necessity/by necessity.
訳)このイベントにはランニングシューズが必要ですが、一足も持っていません。そのため、やむを得ずランニングシューズを買いに行きます。
“necessary”
最後に”-ry”がつく単語は名詞または形容詞です。”necessary”は形容詞。意味は「必要な、必然の」類義語には、needed, inevitable, certainなどがあります。”necessary document”(必要書類)など名詞を修飾することもできますが、次のような使い方も可能です。
Aさん
It is necessary for you to join this meeting.
訳)あなたはこの会議に参加する必要があります。
youはme/ him/ herの目的格の他、人名を入れ替えることで、to以降の行動が誰にとって重要なのかを説明できます。
部分否定について
話を”necessarily”に戻して、「必ずしも〜ではない」という表現を詳しくみてみましょう。この訳は「部分否定」と言われ、完全否定を避ける際に使われます。他にも、”not always”や”not ompletely”など、肯定文では100%言い切ってしまう副詞を否定する場合は、部分否定になるので気をつけましょう。
また、”both”や”all”など数量を表す単語も否定文では部分否定になります。
Aさん
I don’t want both shoes.
訳)どちらの靴もほしいというわけではありません。
Aさん
I can’t eat all of them.
訳)全部は食べきません。
なぜ部分否定になるのか
“necessarily”は「必ず」と100%言い切っていますよね。しかし、”necessarily”を否定したからと言って、0%になるわけではありません。”necessarily”は100%言い切っているのに対して、”not necessarily”は0.000…1%〜99.9999…%の範囲でその現象が起こる可能性があるので、100%言い切る副詞の否定文は部分否定となります。
完全否定とは?
それでは、反対に100%完全に否定する場合はどのような表現をするのでしょうか?完全否定したい場合は、他の単語を用います。never, not…at all, none, neither…などは完全否定を表す単語です。
Aさん
The accident was never caused by his negligent driving.
訳)その事故は決して彼の不注意によるものではありません。
Aさん
The accident was not caused by his negligent driving at all.
訳)その事故は決して彼の不注意によるものではありません。
Aさん
I want neither shoes.
訳)どちらの靴も欲しくありません。
Aさん
I don’t want either of these shoes.
訳)どちらの靴も欲しくありません。
Aさん
I can eat none of them.
訳)少しも食べられません。
完全否定の場合は、二重否定にならないように要注意です。
✕ I don’t want neither shoes. (notとneitherの二重否定 )
✕ I can’t eat none of them.(notとnoneの二重否定)
まとめ
“necessarily”は使い方に少し癖がある単語です。特に部分否定は慣れないうちはうまく使うことができず、全否定したかったのに、部分否定をしてしまって意思の疎通がうまくとれなかった、なんてことも。肯定文で100%言い切っている場合、その否定文は100%否定しているとは限らない。これだけ意識していただけると、”necessarily”以外の単語でも、同じく部分否定になるものを即座に判断できるようになります。
英語にはこのように慣れないとうまく使えない表現が多く存在します。実際に会話で使ってみる。英語学習ではアウトプットが最大の近道です。間違いを恐れず果敢に挑戦しましょう!