皆さんこんにちは。今回は“$”についてご紹介していきます。
“$”は英語において非常に頻繁に使用される記号であり、特にアメリカ合衆国をはじめとする英語圏の国々で通貨や数値を表すために用いられます。しかし、この記号は単なる通貨記号にとどまらず、エクセルや他のソフトウェアでも特定の意味を持ち、多様な用途があります。本記事では、“$”の代表的な用法を紹介し、それぞれの文脈における具体的な使用例を示します。
通貨”$”について
まず最初に通貨の“$”についてみていきましょう。
“$”は英語圏で最も広く認識されている「通貨記号」であり、特にアメリカドルを指すときに用いられます。この記号は、”dollar“という単語の代わりに使用されることが一般的です。”one dollar“は“$1”と表記され、価格表示や金額を記述する際に非常に便利です。
また、“$”は他の国のドル通貨を表すこともあります。たとえば、カナダドルやオーストラリアドルの場合も同様に“$”が用いられますが、その場合は通常、”CA$”や”A$”のように国を示すプレフィックスが付加されます。
アメリカドルは「基軸通貨」
アメリカドルに話を戻します。
アメリカドルはUSDとも表記され、世界の多くの国々で「基軸通貨」として使用されています。“$”は国際取引においても広く認知され、貿易、金融市場、原油取引などで基準として用いられます。アメリカドルは、安定性と信頼性から他の通貨に対しても強い影響力を持ち、各国の中央銀行や企業はしばしばドル建てで資産を保持しています。
為替について
次に為替について簡単にご紹介します。
ドルや円を語る上で欠かせないのが為替です。為替とは異なる国の通貨を交換することを指し、これにより国際的な取引や投資が可能となります。“$”記号は為替レートの表示にも頻繁に用いられます。たとえば、”USD/JPY“はアメリカドルと日本円の為替レートを示します。為替レートの変動は、経済状況や市場の需要と供給によって影響を受け、これが各国の輸出入や投資に影響を与えます。
参考に現在の円とドルの相場を見てみましょう。
2024年8月現在、1ドル150円くらいが相場になっています。ここ数年で円の価値は上がったり下がったりで、160円以上にもなれば、140円前半くらいになることもありました。
1ドル150円を基準としたときに、140円になれば円高、160円になれば円安となります。為替はややこしく、なかなかイメージがしづらいですが、「実際に売買することを意識」すると、概念がつかめます。
例えば、1ドルを買いたいときに、140円で買ったとしましょう。買った後に円安になり、160円になったとします。その際、140円で買えていた1ドルが160円でしか買えなくなってしまいました。買う側からすると困った事態ですよね。これが円安と円高のイメージとなります。
一般に、円安になると海外の人が日本製品を買いやすくなるので、経済が活性化し、円高になると、一般消費者が為替の利益を得やすいので、海外旅行がしやすくなります。
“dollar”と”dollars”の違いとは?
続いては”dollar“と”dollars“の違いについてです。前述とはまた別の話題となりますが、海外で”$”を使う時に”dollar“と”dollars“を英単語として表記します。そのため、”dollar“と”dollars“の違いをしっかりと明確にしておく必要があります。
この”dollar“と”dollars“の違いですが、ズバリ、単数形か複数形の違いになります。
“dollar“は「1ドル」の時にしか使えません。「1ドルより大きい金額」になれば”dollars“になります。そのため、実践ではほとんど”dollars“を使うことになります。
文面では”dollar“や”dollars“ではなく、”$”と表記するので、意外と意識するのが難しいです。ぜひこの機会に覚えていただければと思います。
「ドル」および”$”については以上になります。最後に例文をご覧いただき、使い方のイメージをつけてみましょう。
例文:
The price of the book is $20.
訳)その本の価格は20ドルです。
I need $5 for the bus fare.
訳)バス代に5ドル必要です。
She gave me $50 as a birthday present.
訳)彼女は誕生日プレゼントとして50ドルをくれました。
They charge $100 per hour for consulting services.
訳)コンサルティングサービスには1時間あたり100ドルかかります。
I exchanged ¥1000 for $9 at the bank.
訳)私は銀行で1000円を9ドルに交換しました。
エクセル”$”の意味について
続いてはもう一つのドルの使い方、エクセル”$”の意味についてです。
“$”はエクセルや他のスプレッドシートソフトウェアにおいても重要な役割を果たします。セル参照において”$”を使用することで、”absolute reference“(絶対参照)を指定することができます。これは、数式をコピーした際に、特定のセル参照が変化しないように固定するために用いられます。
※”absolute reference“(絶対参照)と対をなすのが”relative reference“(相対参照)です。
相対参照は、特定のセル参照が、一定の設定に応じて変化していく参照ルールです。
エクセルの”$”は、口頭ではよく「ドルマーク」と呼ばれたりします。
エクセルの”$”の具体的な使い方
エクセルの”$”(ドルマーク)の具体的な使い方を見ていきましょう。
“A1″というセルを参照する数式において、”$A$1″と記述することで、行も列も固定されます。このように”$”を使用することで、セルの位置を固定し、複雑な計算やデータ分析を行う際に便利です。
ドルマークと一緒によく使うのが、”*”や”+”、”-“、 “/”などの演算記号となります。
複数のセルに、一定の値に対して足し算や掛け算、引き算や割り算をする際によく使われます。
また、”$A$1″からドルを片っぽだけ付けることもよくあります。
実際に表記すると”A$1″、”$A1″といった形です。
“$A1″のように先頭のみにドルを付ける場合は、列だけを固定することになります。
“A$1″のように真ん中にドルを入れる場合は、行だけを固定することになります。
少し応用的な使い方ですが、エクセルを駆使する際は必ず使うルールになりますので覚えておきましょう。
こちらは一般的には縦参照や横参照とも呼ばれます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。”$”の解説は以上になります。
“$”は英語において、多様な意味を持つ記号であり、通貨表記からエクセルのセル参照まで、さまざまな場面で使用されます。特にアメリカドルを表す際には不可欠な記号であり、国際取引や価格表示において重要な役割を果たしています。また、エクセルなどのソフトウェアにおいては、計算やデータ操作の精度を高めるために”$”が活用されます。このように、”$”はその場面に応じて異なる意味を持ち、多くの状況で私たちの生活や仕事に密接に関わっています。
【関連記事】