「歩く」とひとくちに言っても、人や状況によってその様子はさまざま。

走るに近い「急ぎ足」から、あてもなく歩き回る「そぞろ歩き」、足元がおぼつかない「千鳥足」など、日本語にはさまざまな「歩く」を表す言葉があります。そして、英語も日本語に負けず劣らず、多くの「歩く」を表す言葉を含んでいるんです。

ということで、今回のテーマは「歩く」です。基本となる “walk” をはじめ、さまざまなニュアンスの「歩く」を表す表現をご紹介します。

これを読めば、英語でも状況に応じて適切な歩き方を表せるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「歩く」は英語で何て言う?

「歩く」は英語で何て言う?

「歩く」は英語で “walk” と言います。発音記号は「wˈɔːk」です。カタカナ英語ではよく「ウォーク」と表記されますが、実際は「ウォーク」と「ワーク」の中間のような響きです。

後でご紹介するように、英語には walk 以外にもさまざまな「歩く」を表す単語がありますが、基本はあくまで walk です。「速く歩く」なら “walk fast”、「ゆっくり歩く」なら “walk slowly” と、たいていの歩き方は “walk +副詞” で表すことができます。

そのため、後でご紹介する関連表現を覚える際は、「walk だとどう表せるか」という点を合わせて理解していくことが大切です。

「歩いて行く」in English

「~へ歩いて行く」を英語で表す際は、単に “walk to ~” と表現すればOKです。

go の代わりに walk を使うことで、移動手段が自分の足であることを明示しています。また、同じ理屈で「(家に)歩いて帰る」は “walk home” と言います。

Aさん
I usually walk to the station.
訳)私はたいてい駅まで歩いて行きます。

なお、日本人は「歩いて(walk)行く(go)」と考えて、”go by walking” と表現してしまうことが多いですが、これはNG。歩いて行くというより「歩きながら行く」とでもいうような、非常に不自然な文になってしまいます。

それでも「足で」という点を強調したい場合は、”go on foot” と表現するのが適切。車などの交通手段に頼らずに自分の足で行くことを意味します。

Aさん
Let’s go on foot.
訳)徒歩で行きましょう。

「歩き回る」in English

「歩き回る」は英語で “walk around”、または “walk about” と言います。

両者はほぼ同じ意味で使われますが、強いて違いを挙げるなら、walk around は「グルッと歩き回ること」walk about は「ウロウロと歩き回ること」を表します。また、”walk around (about)~” の形で「~を歩き回る」という使い方も可能です。

Aさん
I was walking around the town to buy a new coat yesterday.
訳)昨日は新しいコートを買うために町中を歩き回りました。

「歩く」の言い換え表現6選

「歩く」の言い換え表現6選

「歩く」の基本表現は walk ですが、英語には歩く様子に合わせてさまざまな表現が存在します。その数を細かく挙げると両手両足の指では足りないほどなので、ここでは特に代表的な以下の6点を取り上げます。

  1. stride
  2. strut
  3. trudge
  4. stroll
  5. wander
  6. stagger

それぞれのニュアンスの違いと、「walk を使って表すならどうなるか」をしっかり理解しておきましょう。

大股で元気の良い “stride”

“stride” は、大股で元気良く歩く様子を表します。発音記号は「strάɪd」、カタカナだと「ストライド」です。

元気良く歩くという点ではポジティブな意味ですが、「偉そうに」というネガティブな意味で使われることもあります。

stride を walk で表すと “walk with long steps(大股で歩く)” が近いでしょう。

Aさん
The boy strode away.
訳)その少年は大股で歩き去りました。

※stride は不規則変化動詞で、過去形は strode、過去分詞系は stridden と変化します。

自信に溢れた “strut”

“strut” は、自信満々にもったいぶって歩く様子を表します。発音記号は「strˈʌt」、カタカナだと「ストラット」です。

前述の stride が歩幅に自信が表れていたのに対して、strut は姿勢に自信が表れています。そのため、モデルのようなピシッとした姿勢の良さだけでなく、ふんぞり返ったような歩き方を表すこともあります。

strut を walk で表すなら “walk full of confidence(自信満々に歩く)” といったイメージです。

Aさん
He was strutting around like peacocks.
訳)彼は孔雀のようにふんぞり返って歩き回っていました。

淡々と歩く “trudge”

“trudge” は、淡々と歩みを進めていく様子を表します。日本語のオノマトペだと「てくてく」「とぼとぼ」などが適切でしょう。発音記号は「trˈʌdʒ」、カタカナだと「トラッジ」です。

trudge はさまざまな文脈に使用されますが、そこに共通するイメージは「他に手段が無いから仕方なく歩く」というもの。ぬかるんで歩きにくい地面も、最終バスが終わってしまった帰り道も、恋人と喧嘩別れした後ろ姿も、すべて trudge で表せます。

trudge を walk で表すなら “walk slowly with effort(頑張ってゆっくり歩く)” というイメージです。

Aさん
There’s no bus, so I trudged toward my house.
訳)バスが無かったので、仕方なく家までとぼとぼ歩きました。

ぶらぶら散歩する “stroll”

“stroll” は、ゆっくりとリラックスした歩調で歩く様子を表します。日本語の「ぶらぶら歩く」に近いニュアンスです。発音記号は「stróʊl」、カタカナだと「ストロール」となります。

ゆっくり歩く点は前述の trudge と同じですが、trudge がネガティブな意味で使われることが多いのに対し、stroll はほぼ100%ポジティブな意味です。

stroll を walk で表すなら “take a walk(散歩する)” が最適でしょう。

Aさん
Why don’t you stroll in the park with me?
訳)私と一緒に公園を散歩しませんか?

あてもなく彷徨う “wander”

“wander” は、あてもなく歩き回る様子を表します。発音記号は「wάndɚ」、カタカナだと「ワンダー」です。

ぶらぶら歩く点では前述の stroll と似ていますが、wander にはポジティブな意味はなく、しばしばそのまま横道にそれたり、迷ってしまったりすることもあります。

wonder を walk で表すなら、“walk around without any purpose(目的なしに歩き回る)” が近いでしょう。

Aさん
We wandered around until the restaurant opens.
訳)レストランが開くまで、私たちはぶらぶらと彷徨っていました。

ふらふらして心配な “stagger”

“stagger” は、不安定な足取りで歩く様子を表します。発音記号は「stˈægɚ」、カタカナだと「スタガー」が近いです。

stagger の足取りの不安定さは、主に身体的ダメージや疲労、泥酔などを原因としています。そのため、日本語だと「ふらふら」「よろよろ」などがニュアンスとしては近いです。

ちなみに、一文字変えた “swagger(スワガー)” という単語もあり、こちらは一転「いばって歩く」という意味になります。不思議なものですね。

stagger を walk で表すなら “walk with unsteady step(不確かな足取りで歩く)” が適切です。

Aさん
The old man staggered across the street.
訳)その老人は、ふらふらと通りを横切っていきました。

まとめ

今回は「歩く」を表す英語表現について詳しく確認してきました。

「歩く」は英語で “walk” ですが、それ以外にも歩調や態度に合わせてさまざまな歩き方を表す単語が存在します。

しかし、どれも基本には walk があるため、どの単語の場合も walk を使って言い換えられるようにしておくと、より活きた英語力に繋がります。

今回ご紹介した内容を参考に、英語でもさまざまな歩き方のニュアンスを表していきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!