「インプットだけじゃなくて、アウトプットもしっかりとやると良いよ」
といった感じで、勉強法やお仕事などで「アウトプット」という言葉を目に、耳にすることはありませんか?
アウトプットは「知識をアウトプット」「成果をアウトプット」といった意味で使われますが、カタカナ言葉ですのでどういう意味で使われるのか曖昧なままの人も多いです。
アウトプットは英語の”output”をカタカナで言い表したもので、適切な意味や使い方があります。
加えて知識のアウトプットは、英語を含めて物事を身につけるために大変役に立つものでもあります。
この記事では、そんな「アウトプット」について詳しくお伝えします。
アウトプットの意味は?
アウトプットとは、日本語に訳すならば「出力」や「発信」の意味になる言葉です。
例えば、頭の中にある構想や、データとして持っている数字の傾向などを、言葉に(言語化)して書き出したり話したりすること、または数値やデータをグラフにしてみることを指して「アウトプット」と呼ぶことが多いです。
他にも「生産量」や「成果物」という意味で使われることもありますが、一般的には上述した「言葉にする(言語化する)」ことや「グラフにして傾向を可視化(見える化)すること」などを指して言うことが多いです。
アウトプットとインプットの違い
インプットは、日本語に訳すと「入力」の意味になる言葉です。
アウトプットとは逆で、知識やデータなどを覚えて頭に入れることを指して「インプット」と呼ぶことが多いです。
例えば、英単語帳を見て新しい英単語をどんどん覚えていったり、英文法書を読んで英文法の知識を深めていくこと、また英語の文章を読むことや、英文に限らず本を読んで知らなかった知識を蓄えていくことをすべて「インプット」と呼びます。
新しい知識を、頭に「入力」していくわけですね。
アウトプットは英語の勉強に役立つ!
アウトプットを効果的に行うことができれば、勉強の効率を大幅にアップさせて本質的な力を養いやすいと言えます。
英語の勉強を例に挙げて見てみましょう。
英単語をアウトプット
英単語の勉強と聞くと、英単語帳でひたすら英単語を覚える「インプット」のイメージが大変強いのではないでしょうか?
確かに英単語の勉強はインプットがとても大切ですが、インプットと同じくらいアウトプットを使って知識として定着していく分野だと言えます。
具体的な英単語のアウトプット方法を紹介していきます。
単語テスト
英単語のテストをすることで英単語の知識をアウトプットさせることができます。
英単語帳で学んだ英単語を単語テストでしっかりと「思い出す」ことが、知識の「アウトプット」となって英単語の知識が長期記憶として定着するのを促してくれます。
「単語テスト」とは言っても学校の小テストのように紙に印刷する必要はなく、例えば前日の晩に覚えた英単語を、朝の通勤中に見返して思い出し作業をするのも「アウトプット」として機能して長期記憶への定着を促してくれます。
こうした「単語テスト」を使って「思い出し作業」をすることで、英単語の「アウトプット」となって、記憶の定着に大変役立ちますよ。
英文読解
英文読解をすることでも、英単語の知識を「アウトプット」させることができます。
英文読解自体は、英語の文章を読んで知識を「入れる」のでインプットの作業になりますが、英文を読んで「単語の意味を思い出す」行程が挟まることで英単語の「アウトプット」に繋がります。
さらに実際の英文で登場した英単語は、英文の文脈と一緒に記憶に残るので、英単語帳で覚える以上の効果を発揮してくれます。
ですから英文読解も、英単語を思い出すという点で「アウトプット」になるので、英単語の定着に大変役立ちます。
英作文&英会話
英作文と英会話でも、英単語を「アウトプット」させることができます。
英語を「読んで理解する」ときの脳の回路と、英語を「自分の言葉で表す」ときの脳の回路は違います。
ですから、英作文や英会話で英語を「自分の言葉で表す」ことによって、インプットした英単語と、英単語をアウトプットする時の思考回路が繋がって、本質的な英語力に繋がってくれます。
英文法をアウトプット
英文法の知識も、アウトプットすることで「使える知識」に変換することが大事です。
具体的なアウトプット方法は以下の通りです。
英文法問題演習
英文法の問題演習をすることで、英文法の知識をアウトプットさせることができます。
例えば、正しい動詞の形を書き込む空欄補充形式(カッコ内に書き込む形式)の問題だったり、英単語を並べ替えて正しい文章を作る語句整序問題が、英文法の問題演習にあたります。
インプットした英文法の知識を動員して、矛盾がないように文章を組み立てることで、英文法の知識が「アウトプット」されて長期的な記憶に定着されるのに役立つわけですね。
英作文&英会話
英文法知識においても、英作文と英会話はアウトプットに役立ちます。
上述した英文法の問題演習を、より高度にこなすのが英作文と英会話だと言っていいでしょう。
なぜなら、ヒントが全くないまっさらな状態から、自分で英文法知識を総動員させて英文を作っていくからです。
英文法知識を総動員させて「アウトプット」させるわけですから、実際に自分で使った技術として知識が定着していきます。
英文読解
英文読解でも、英文法の知識がアウトプットされます。
特に長文読解では、英単語の意味を全部知っていたとしても、読んで理解するのに苦労する文章がありますよね。
英単語の意味がわかるのに、読んで理解するのが難しい文章は、英文法の知識を動員して初めて理解できるようになります。
実際の英語の文章を、英文法知識を動員して理解するわけですから、英文法知識のアウトプットに役立ち、知識の定着に役立つというわけです。
長文読解
長文読解は、読むこと自体は知識を得ることなので「インプット」にあたります。
ただし、上述した英単語と英文法のように「得た知識を導入するアウトプットの場」でもあります。
英単語がわからなければ英語を読めませんから、長文を読むために英単語の知識を動員して読もうとします。
また英文法がわからなければ英単語が全部わかっても文章としての意味が理解できなくなるので、英文法知識も動員されます。
ですから、「読解」というインプット作業をするために、単語や文法知識を「アウトプット」しているので、単語や文法知識の定着に役立っているわけです。
英作文&英会話
英作文と英会話は、元々が英語の「アウトプット」にあたるスキルです。
英語に限らず、母国語でも作文と会話が言葉のアウトプットだからですね。
自分の言葉で文章を作成していくわけですから、英文の材料となる英単語の知識と、英文の骨格となる英文法の知識が総動員されます。
ですから英作文と英会話は、英語力が総動員される「アウトプット」として、知識の定着に役立つわけですね。
アウトプットと間違えやすい?アウトカムとは
アウトプットと似た言葉で「アウトカム」という言葉もあります。
英語に直すと”output”と”outcome”ですから、見間違えてしまうことも多いですよね。
アウトカムは「結果」を意味し、努力や行動がどんな影響を及ぼすのかを意味します。
アウトプットも「結果」や「成果」を意味することがありますが、アウトプットが「成果物そのもの」を意味するのに対して、アウトカムは「結果や成果が及ぼす影響」を指して使われます。
似た意味ではありますが、混乱しないようにそれぞれの意味をしっかりと理解しておきたいですね。
まとめ
この記事では「アウトプット」について、その適切な意味と使い方を、そして英語を学ぶための上手なアウトプットの取り入れ方をお伝えしました。
ここまでお読みのあなたは、上手にアウトプットを使いこなして、英語や他のスキルを上手に身につける術が身についているでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語学習をより充実したものにできれば幸いです。