「交換」という日本語は非常に便利で、物と物を取引したり取り替えたり、場所の置き換えや入れ替えなど、さまざまな意味に用いることができます。

しかし、英語の場合はどうでしょう。日本語と同様、すべて同じ表現で済ませられるのか、それぞれに違う表現があるのか、気になりますね。

ということで、今回のテーマは「交換」です。交換を意味する代表的な表現を数多く取り上げ、それぞれの表す意味やニュアンスの違いを詳しく説明していきます。

これを読めば、状況に応じて適切な「交換」を表せるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「交換」は英語で何て言う?

「交換」は英語で何て言う?

交換を表す代表的な表現は、”trade”、”exchange”、”replace”、”barter”、”swap” の5種類です。

それぞれに表す意味やニュアンスが異なるので、1つずつ詳しく確認していきましょう。

交換①:trade

“trade” は、自分のものと相手のものを交換することを意味します。発音記号は「tréɪd」、カタカナだと「トレイド」です。

trade は自分と相手との間で何かを交換するため、「取引」や「貿易」など、商業的な意味でよく使われます。

Aさん
Japan trades many things with America.
訳)日本はアメリカと多くのものを取引(交換)しています。

なお、trade で行われる交換は、お互いが納得していれば基本的に何でもOKです。

たとえば、自分がリンゴを1つ差し出し、代わりに相手からリンゴを2つもらったとしても、立派な trade になります。また、リンゴの代わりにお金を差し出してもOKです。

このように、trade では具体的な物からお金まで、さまざまなものが交換されます。

Aさん
Can I trade the seats?
訳)席を交換してくれませんか?

交換②:exchange

“exchange” は、自分の持っているものを同等の価値のものに交換することを意味します。発音記号は「ekstʃéɪndʒ」、カタカナだと「エクスチェンジ」となります。

exchange は trade と異なり、客観的に価値が等しい場合に多く使われます。

たとえば、お店で買ったシャツが破けていて、新しい良品に交換してもらうなら exchange が適切です。縫製の質に差はあれど、どちらも同じシャツという意味では等価値ですよね。

Aさん
I want to exchange this shirt for a new one.
訳)このシャツを新しいものに交換したいです。

そして、お札を小銭に交換したり、海外旅行などで自国通貨を外国通貨に交換したりする場合も exchange が使われます。その理由は、金額が等価値だから。そのため、exchange には「為替」「両替」という意味もあります。

Aさん
I want to exchange Japanese yen into American dollars.
訳)日本円をアメリカドルに交換したいです。

交換③:replace

“replace” は、同じ役割をするものの交換、特に古いものから新しいものへの交換を意味します。発音記号は「rɪpléɪs」、カタカナで表すと「リプレイス」です。

replace という単語を分解すると「re-(再び)-place(場所を取る)」となり、同じ場所にあるものが別のものに置き換わる(入れ替わる)ことを意味します。

たとえば、機械が故障したときの部品交換は replace が適切。古くなった部品の代わりに、同じ場所に新しい部品を置き換えるイメージです。

Aさん
This TV is out of order. The screen needs to be replaced.
訳)このテレビは故障していて、画面を交換する必要があります。

交換④:barter

“barter” は、物と物を直接交換すること、いわゆる「物々交換」を表します。発音記号は「bάɚṭɚ」、カタカナだと「バーター」です。

物品を取引する点では trade に似ていますが、barter はもっと原始的に、その場で完了する取引を表します。イメージとしては「わらしべ長者」が近いです。

Aさん
A poor man bartered a bunch of straws for an orange, and then bartered the orange for another thing, and finally he got a rice field.
訳)ある貧しい男が一束の藁(わら)を1個のみかんと物々交換し、次にみかんを別のものと物々交換し、最終的には田んぼを手に入れました。
Bさん
That’s a dream story.
訳)夢のある話だね。

 

交換⑤:swap

“swap” は、お互いの持っているものをその場で交換することを表します。発音記号は「swάp」、カタカナだと「スワップ」です。

前述の barter と非常によく似た意味ですが、swap の方がカジュアルなニュアンスがあります。そのため、日常会話で barter より swap の方がよく使われます。日本語で言うところの「取り換えっこしよう!」に近いイメージです。

Aさん
I wanna swap my toy for your toy.
訳)おもちゃ交換しよ!
Bさん
Sure!
訳)いいよ!

 

changeは「交換」じゃない?

“change” は、何かを違うものものに変えることを意味します。そのため、ここまでに挙げてきた単語と異なり、あるものを別のものと交換する意味では使われません。

Aさん
I want to change my bad habits.
訳)自分の持つ悪い習慣を変えたいです。

中には、以下のように日本語に訳すと「交換」の意味に取れる場合もありますが、それもあくまで同じものが「変化」しているだけです。物と物の交換の意味で使われることは基本的に無いので、注意しましょう。

Aさん
Did you change the bed?
訳)そのベッドのシーツを交換しましたか?

「返品」や「交換留学」など、交換の関連表現を英語で言ってみよう

「返品」や「交換留学」など、交換の関連表現を英語で言ってみよう

最後に、交換の関連表現として、お店に商品を返す「返品」や、海外の学校に行く「交換留学」などの表現についても確認しておきましょう。

「返品」in English

お店などで買ったものを返品したい場合、英語では “return” を使います。発音記号は「rɪtˈɚːn」、カタカナだと「リターン」です。

return は分解すると「re-(再び)-turn(戻る)」となり、元の場所に戻すことを意味します。商品を返品し、元々あった陳列場所に戻るイメージですね。

Aさん
I’d like to return this bag.
訳)このカバンを返品させていただきたいです。

なお、商品を返品しただけではこちらが損してしまうので、その後に「返金」か「交換」を行うのが通例です。

「返金」は、英語だと “refund” と言います。fund は「資金」の意味なので、返金されて自分の資金額が元に戻るイメージです。

「交換」の場合は、前述の exchange が適切でしょう。状態が良いものやサイズ違いのものに交換するイメージです。

Aさん
I’d like a refund for this video game. It doesn’t work.
訳)ゲーム機が起動しないので、返金をお願いします。
Bさん
I’m sorry but all sales are final.
訳)申し訳ございませんが、返金は致しかねます。

 

Aさん
I see. Then, could you exchange a new one?
訳)なるほど。では、新しいものへの交換はできますか?
Bさん
Certainly. Please hold on.
訳)もちろんです。少々お待ちください。

 

「交換留学」in English

「交換留学」は、英語では “exchange program” と言います。

交換留学というのは、自分の通う学校と海外の学校が、お互いに学生を留学させ合う制度のこと。そのため、学生という等価値の存在を交換する意味で exchange が使われます。

Aさん
I went on an exchange program when I was a high school student.
訳)高校生のときに交換留学に行きました。

なお、そのような制度が学校に無く、単に「留学する」という意味なら “study abroad” と言えば事足ります。直訳すると「海外で(abroad)勉強する(study)」という意味です。

Aさん
I want to study abroad someday!
訳)いつか留学したいなあ!

まとめ

今回は、「交換」を表す英語表現について詳しく確認してきました。

ひとくちに「交換」といっても、何を交換するのか、どのように交換するのかによって、さまざまな表現があります。

今回ご紹介したことを参考に、場面に合わせて適切な表現を使うようにしましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!