「分解」とは、一つのものを分けることをいいます。
例えば、椅子を分解するということは、一つの椅子だったものが解体されるということです。
この「分解」とは他にも色々な形があります。構成された成分や酵素を分解することもありますし、データを分析することも細かく分けるという点で「分解」とも捉えることができます。
また、「分解」は化学変化でも用いられ、化合物が化学変化によって、分かれることも指します。水は酸素と水素に分解できることが一つの例です
本記事では、この「分解」に関連してそれぞれの物が分解されるときに使われる解体、溶解、分析についての英語表現や化学分解に関してもご紹介します。
「分解」って英語でなんて言うの?
「分解」に関連した英語表現として以下の5つの英語表現を使います。
・take apart
・disassemble
・break down
・resolve into
・analysisまたはanalyze
それぞれ「分解」を表しますが、分解される物(対象)によって使い分けができます。どのような使い分けができるのか、詳しく解説していきます。
take apart
take apart は熟語で、分解する、ばらばらにする、ばらすという意味になります。これは、主に機械を解体してばらばらにすることを表します。
さらに他の意味として、徹底的に調べる、分析するということも含まれています。
例文を見ていきましょう。
父はバイクを分解し始めました。
時計は修理のために分解されました。
トムは機械を分解して遊ぶのが好きです。
disassemble
disassembleも、機械を解体してばらばらにすることを表すときに使われます。「分解する、ばらばらにする」以外に、コンピュータ用語で「逆アセンブルする」という場合にも使われますが、「分解する」の意味で使われている例文を見てみましょう。
その説明マニュアルは、その機械の分解の仕方を順を追って説明しています。
彼らは、どのように機能しているかを理解するために、そのロボットを分解しました。
その機械工は、その問題を診断するためにエンジンを分解するでしょう。
break down
break downは、「壊れる、崩壊する」「交渉が決裂する」という意味もありますが、「分解する」という意味もあります。「数学的、化学、あるいは文法的な分析をする」「構成要素または重要な特徴に分解する」という場合に使われます。例文を見てみましょう。
私のためにその実験のステップを分解してもらえませんか?
そのエコノミストは、インフレに寄与している要因を分解するでしょう。
そのアナリストは来年の市場トレンドを分解するでしょう。
resolve into
resolve intoで分解する、変化するを意味します。構成された成分や数学の要素に対して分解し、違うものへと変化していく様子を表したいときに用います。
実際の例文をご紹介します。
大きな結晶は小さな結晶へと分かれました。
その化合物は2つの単体の物質に分解されました。
私たちは多項式を因数分解できません。
「因数分解をする」を英語で表現すると、”resolve … into factors”になります。”factors”が「因数」の意味です。
analysisまたはanalyze
analysisは名詞で、分析、解析(学)のことをいいます。単数で”analysis”ですが、複数形になると”analyses”になることに注意しましょう。
analyzeでは動詞で、(データや詳細なことを知るための)分析する、解析するときに使います。
物事の本質を見極めるためにデータを細かく分解してみていく様子は、分析することと類似していると言えるでしょう。
analysisを活用した例文をみていきましょう。
トムはいくつものデータ分析を仕事としています。
私たちは正確な答えを知るために、問題を分析しました。
その会社は顧客のサービスに関するデータを分析しています。
analyzeを活用した例文をみていきましょう。
彼女は、問題の原因を分析しました。
私たちはマーケティングのデータ分析をしています。
彼らはエンジントラブルの原因を理解するために分析する必要があります。
「化学分解」にまつわる様々な英語表現
まず、「化学分解」を英語で何というか見ていきましょう。「化学分解」は文字通り訳すと、”chemical decomposition”となります。
中学生のとき、理科の授業で「化学分解」って習ったけど、「具体的にどういうことだっけ?」と思っておられる方向けに、軽く説明しておきます。「化学分解」とは、化学変化によって、1種類の物質から複数の物質に分かれることをいいます。
炭酸水素ナトリウムを加熱すると、水と二酸化炭素と炭酸ナトリウムに分解します。水はさらに、水素分子と酸素分子に分解します。「水の分解」の化学式は、2H2O → 2H2 + O2など中学校で勉強しましたね。
炭酸水素ナトリウムを加熱すると、水と二酸化炭素と炭酸ナトリウムに分解します。
「化学分解」は”chemical decomposition”ですが、「分解する」という動詞で使う場合、先ほど紹介した”break down”を使って表現できます。「炭酸水素ナトリウム」は日本語で「分解される」とも言えますが、英語にする場合、”break down”は自動詞として使うので、受動態にはしません。
「化学」の分解という現象にまつわる英語として、以下の2つがあります。
・thermochemical decomposition 熱化学分解
・electrolysis 電気分解
それぞれ日常会話ではあまり使う場面もないかもしれませんが、一つの知識として知っておくことも良いでしょう。それでは詳しく解説します。
thermochemical decomposition 熱化学分解
熱の化学分解とは、加熱することで、構成されている分子が分解されることを指しています。熱を加えることで化学変化が起こるのです。先ほど紹介した「炭酸水素ナトリウムを加熱すると、水と二酸化炭素と炭酸ナトリウムに分解される」というのも、熱化学分解です。
例えば水を熱分解したときに、酸素と水素に分解されることがあります。
例文をみていきましょう。
私は大学で熱化学分解について勉強しています。
尿素は熱分解によってアンモニアへ変換します。
私たちは四ヨウ化チタンの熱分解によって高純度チタンを手に入れることができます。
electrolysis 電気分解
「電気分解」とは電流を流して起こる化学変化のことをいいます。
例えば、水を電気分解すると、水素を発生させることができます。「電気分解」は英語で”electrolysis”ですが、この単語は、”electro” と “lysis”に分けると覚えやすいですね。”electro”が「電気」の部分を表しており、”lysis”は「分解」を表しており、”analysis”から来ていることが類推できます。
水素は化石燃料に代わる新たなエネルギー源の1つとして注目されており、電気分解は私たちの生活には密接に関係があると言えます。
例文を見ていきましょう。
太陽エネルギーを使って水の電気分解をすることで、水素ガスを生成させることができます。
水の電気分解によって水素ガスを得ることができます。
人々は電気分解から水素を生産します。
「水素エネルギー」とは、水素と酸素を反応させることで得られるエネルギーのことで、「再生可能エネルギー」として注目されています。水を電気分解することで水素ガスが得られて、それが水素エネルギーとして利用できるのだなと分かりましたね。
地球温暖化が年々ひどくなって、気温が上がってきているため、今まで以上にたくさんの電力が必要になってきます。そういった電力をどうやって作りだしていくのかという問題があり、「水素エネルギー」は「再生可能エネルギー」として注目されているものの1つです。
再生可能な水素は、再生可能な電力を使って水を水素と酸素に分解する電気分解によって得ることができ、「非生物起源の再生可能な燃料」と呼ばれています。
まとめ
「分解」に関連した英語表現について紹介しました。
「分解」を英語で表すときには、分解するに関してtake apart, disassemble, break down, resolve into, analysisまたはanalyzeを使い分けることを解説しました。
take … apartとdisassembleは機械などをバラバラに解体する「分解」を説明するときに用います。
また、break down や resolve intoは構成する成分や数学などに関連した内容を分解、変化させるときに使われています。
analysisまたはanalyzeはデータなどを「分解」する=分析するというニュアンスとして用いられます。
それぞれさまざまな「分解」について解説しました。ぜひ英会話の参考にしてくださいね。