さまざまなアプリに搭載されている、アーカイブ機能をご存知でしょうか?知っているけれど、うまく使いこなせていないという人も多いと思います。このアーカイブ機能ですが、本来はどのような意味があるのでしょうか?

今回は、”archive”の本来の意味とアーカイブ機能に関して解説していきます。”archive”を理解して「アーカイブ機能」を使いこなせるようになりましょう。

”archive”の意味・語源

まずはアーカイブ機能の元となった”archive”の意味について確認してみます。

語源はラテン語のarchivum

アーカイブ機能は最近生まれたものです。昔は必要な情報はすべて紙で保存されており、その「記録の保管庫」という意味で”archivum”が使われており、この言葉が”archive”の語源とされています。

公文書、古文書

語源は「記録の保管庫」ですが、記録自体の意味もあります。特に公文書や古文書といった、価値のある文書を指すので、通常の文書とはニュアンスが異なる点に注意しましょう。

公文書とは、公務員が職務上作成した文書で正確な歴史的事実やこれまでの実績などが記録されたものです。

公文書保管所、記録保管所

語源と同じく記録を保管する場所としての意味もあります。日本にも国立公文書館が東京都と茨城県つくば市に構えられており、一般人でも入館可能です。各国との外交の歴史や平家物語の史料など、あらゆる歴史的に価値の高い記録が閲覧できるので、興味のある方は訪れてみてはいかがでしょうか?

アーカイブ、ファイル保管所

ITの発達とともに、アーカイブという言葉が生まれました。この言葉は”archive”をそのままカタカナ表記したもので、同時にファイル保管場所という意味も持ちます。「アーカイブ機能」に関してはのちほど詳しく解説します。

(〜を)アーカイブに保管する、歴史的記録を保管庫に保管する

動詞の意味は、上記の「公文書やデータを保管する」という意味です。名詞の意味さえ

理解していれば動詞の意味も理解できそうですね。

archives:文書、史料、史料館

“archive”の複数形にすることで、公文書や古文書に加えて、史料館という意味を持ちます。また、家族の記録にも”archives”を使うことができるので、覚えておくと役に立つかもしれません。

Aさん
These pictures should go in the family archives.
訳)これらの写真は、家族の記録として保管しておくべきです。

archived:アーカイブ化された、保管された

形容詞として、「アーカイブに保管された、記録保管庫に所蔵された」という意味を持ちます。

Aさん
We have to find archived files on the computer.
訳)パソコンでアーカイブに保管されたファイルを見つける必要があります。

日常的に使うarchive機能

日常的に使うarchive機能

今では、当たり前になっているアーカイブ機能ですが、しっかり使いこなせているでしょうか?ここでは、よく使うアプリでのアーカイブ機能をそれぞれ紹介します。

Instagramの「アーカイブ」

Instagramにはアーカイブ機能が備わっています。アーカイブ機能を利用することで、投稿済みの写真を削除せずに非表示にすることが可能です。また、ストーリーズは設定から自動的にアーカイブ化することができるため、通常は24時間で消される投稿も保管して見返すことができます。Instagramのアーカイブ機能の利用目的は主に次の通りです。

  • 投稿したものの見られたくないものが含まれていた場合
  • プロフィールの表示写真を整えたい
  • リアルタイムでは表示させず、プロフィールにだけ表示させたい

あまり使う機会はないように思いますが、Instagramで集客をする場合には、非常に実用性の高い機能と言えるでしょう。また、アーカイブ化されたストーリーズは、再投稿することもできます。

Gmailの「アーカイブ」 

Gmailにもアーカイブ機能が備わっています。Gmailには、アーカイブフォルダはありませんが、アーカイブ機能が利用可能です。Gmailの新着メールは受信トレイに保存されますよね。この受信トレイのメールを間違えて左右にスワイプしてメールが消えてしまった!という経験はありませんか?これはメールが消えたわけでなく、アーカイブされた状態になっただけでメール自体は残っているのです。アーカイブされたメールは、「すべてのメール」から確認できます。以下のような利用目的があります。

  • 受信トレイをできるだけ空にしておきたい
  • 重要なメールのみを検索できるようにしておきたい

Gmialをしっかり整理できていれば、仕事の効率化にも繋がりますね。

Googleフォトの「アーカイブ」

Googleフォトにもアーカイブ機能があります。Googleフォトには、アーカイブフォルダがあり、アーカイブされた写真や動画はこちらのフォルダに保管されていきます。使い方は簡単で、写真を選択し「アーカイブに移動」を選択するだけです。Googleフォトはそれとは別に、「アルバム」を作る機能があります。「アーカイブ」と「アルバム」の大きな違いはメインのフォト一覧に写真が残るかどうかです。利用目的は次のようなものがあります。

  • 人には見られたくない写真の保存
  • 常に必要ではないけれど、すぐに特定の写真を表示できるようにしておきたい

スマホの写真は溜まってしまいがちですよね。アーカイブ機能を使って、フォト一覧をスッキリ整理しましょう。アーカイブ機能には、データの管理や整理、仕事の効率化といった様々なメリットがあります。

アーカイブ機能とバックアップ機能の違い

アーカイブ機能とバックアップ機能の違い

アーカイブと似た機能にバックアップ(backup)機能があります。これらの違いは何があるでしょうか?

利用目的

1番の違いは利用目的です。利用目的にあった機能を使いましょう。

アーカイブ機能の目的

アーカイブ機能の目的は、データの整理および、利用頻度は低いものの重要なデータの保存です。すべてのデータとは別の場所に保管されるため、誤ってデータを消してしまう心配がなくなります。

バックアップ機能の目的

バックアップ機能の目的は、日常利用するデータの破損や消失に備えて既存データを保存することです。そのため、機種変更時やアップグレード時に行っておくべきとされています。

保存方法

2つ目の違いは保存方法です。保存方法が異なるので、データの扱い方にも若干の違いがあります。

アーカイブ機能:データ蓄積

アーカイブ機能は、データを蓄積していきます。Googleフォトを例にあげると、1枚1枚の写真がアーカイブフォルダに積み上げられていくだけなので、アーカイブフォルダを消去しない限りすべてのデータが一斉に消えることはありません。

バックアップ機能:上書き

一方、バックアップ機能は、上書き保存されていきます。そのため、バックアップ前に一度データに誤りがないかを確認しておかなければ、バックアップ後はそのデータの誤りがそのまま保存されてしまうことになるので、バックアップ前はしっかり確認しましょう。

まとめ

今回は、”archive”の英語の意味に加えて、現在の”archive”機能について解説してきました。なんとなく”archive”の存在は知っていたけれど、いまいち使い方や目的が分かっていないという人も多いのではないでしょうか?

アーカイブ機能は、データの整理に非常に有用です。これは、”archive”の語源や意味をそのまま受け継いでいると言えるでしょう。日本語には、アーカイブのように、英語がそのまま日本語として使われていることがあります。しかし、これらすべてが英語と同義とは限らないので、英語の意味をしっかり理解した上で和製英語を使いましょう。そうしないと、いざネイティブと話す時に恥ずかしい思いをするかもしれませんからね。