皆さんはヴィンテージが好きですか?
私はヴィンテージの洋服や家具なんかが大好きなんですが、高価なものが多いのもあり、なかなか多くは所有できずにいます。
いつか大金持ちにでもなったら、欲しいヴィンテージ品を片っ端から買いあさりたいものです…。
さて、話は戻って、今回のテーマは「ヴィンテージ」。
私たち日本人はヴィンテージという言葉を漠然と使っていますが、その本当の意味をご存知の方は意外と少ないんです。
英語でも同じようにヴィンテージと呼ぶのか、そもそもヴィンテージとはどういう意味なのか、この記事ではそのあたりを深掘りしていきます。
記事後半では「アンティーク」や「レトロ」など、ヴィンテージとの違いがわかりにくい言葉の意味についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「ヴィンテージ(ビンテージ)」は英語で何て言う?
「ヴィンテージ」は、英語でも同じく “vintage” と言います。
発音記号は「vínṭɪdʒ」、そのままカタカナ発音の「ヴィンテージ」でOK。日本では「ビンテージ」と表記することも多いですが、”b” ではなくて “v” なので、発音には要注意です。
vintage は、もともと良質なワインを表す専門用語でしたが、現在ではジーンズや家具、自動車など、さまざまな対象を指して使われるようになりました。
使われる対象が多くてわかりにくいですが、そこに共通するのは「古くて良い」というイメージ。たとえば、”vintage jeans” のように形容詞として使えば「古くて良いジーンズ」となり、”This is a vintage” のように名詞として使えば「古くて良いもの」という意味になります。
日本でも最近は「ヴィンテージ」というカタカナ語で通用するようになっているので、vintage をわざわざ「古くて良い」と和訳する必要はありません。しかし、その根底にあるイメージは理解しておいた方が良いでしょう。
I love buying vintage clothing.
訳)ヴィンテージの洋服を買うのが大好きです。
I like all vintages including cars, furniture, and so on.
訳)僕は車や家具なんかも含めて、ヴィンテージ全般が好きです。
vintage の語源は?
vintage の語源を調べてみると、古いフランス語で「ブドウの収穫」を意味する “vendange” という単語に行き着きます。そこから、本来の vintage はブドウを加工して作った「ワイン(wine)」の製造工程を表す言葉として使われ始めました。
このような背景もあり、vintage に含まれる “vin-“ はブドウに関連が深い語根なんです。
たとえば、ブドウの木に生えている「蔦(ツタ)」は “vine(grapevine)” と言い、ブドウ酒を由来として生まれた「酢」は “vinegar” と言うなど、ブドウにまつわるものには大体 ”vin-” が付いています。
ちなみに、”v” というアルファベットを2つ重ねて生まれたのが “w” です。ここから、「ワイン」をなぜ “wine” と綴るのかも、同じ理由で理解できますよね。
“Vine” meant grapes in old French originally, but in present-day English, it means “ivy of grapes”.
訳)“Vine” という単語はもともと古フランス語でブドウを意味してたんだけど、現代英語では「ブドウの蔦」を意味するんだ。
“Wine” is derived from the word “vine”.
訳)「ワイン」は “vine” が語源なんだね。
「アンティーク」や「レトロ」など、ヴィンテージの類義語は英語で何て言う?
ヴィンテージの意味がわかったところで、それに関連の深い「アンティーク」や「レトロ」などの言葉についても確認しましょう。
英語で何て言うか、そして意味がどう違うのかについて、詳しく解説していきます。
「アンティーク」in English
「アンティーク」は英語で “antique” と言います。発音記号は「æntíːk」で、カタカナ発音でも充分通じますが、強いて言えば「エァンティーク」が近いです。
antique は綴りが英語っぽくないですが、もともとフランス語由来の言葉。語源を遡ると「古い」を意味するラテン語 “antiquus” に行き着きます。
antique は古いものの中でも特に、古くて希少価値の高い「古美術」を対象に使われます。20世紀半ばには、国際的な関税法で antique の定義が定められ、現在では法的に「製造から100年以上が経過したもの」を指す言葉となっています。
日本では漠然と古いものを「アンティーク」と呼びがちですが、製造後100年に満たないものを海外で antique と呼ぶのはトラブルの元なので、気をつけましょう。
This pager is an antique.
訳)このポケベルはアンティークです。
Really? I think it’s a product in Showa period, and so not an antique.
訳)本当に? それは昭和時代の製品だから、アンティークじゃないと思うよ。
ちなみに、vintage と antique の違いは「製造から100年経っているかどうか」です。
製造後100年に満たないものは vintage、100年以上経っているものは antique と呼び分けるようにしましょう。
「レトロ」in English
「レトロ」は英語でも “retro” で通じます。
もともとは「何かを顧みること(回顧)」を表す “retrospective” という言葉が語源ですが、それを短縮した retro は、日本と同様「昔風」という意味で使われます。
似たようなニュアンスで使われる言葉としては、他に “old-fashioned(流行遅れ)” や “nostalgic(懐かしい)” なども挙げられます。
My hobby is collecting retro goods.
訳)私の趣味はレトロな雑貨を集めることです。
retro と vintage の違いは、古さに加えて「希少価値があるかどうか」です。
ただ古いだけで懐かしいものなら retro を、現代では手に入れるのが難しく価値が高いなら vintage を使うと良いでしょう。
また、retro は漠然とした古い雰囲気に対して使える一方、vintage は具体的な物品を表すという点にも違いがあります。
「古着」in English
「古着」は英語で “used clothes” と表現するのが一般的です。古着というのは単に「古い洋服」というより、「誰かに使われた(used)洋服」という意味合いの方が強いということです。
また、似た意味合いの ”secondhand clothes(中古の洋服)” や “thrifted clothes(節約された洋服)” という表現もよく使われます。
My today’s outfit is all composed of used clothes.
訳)今日のコーデは全部古着なんだ。
For real? It doesn’t look like it. I love your taste!
訳)マジ?全然そうは見えないな。センス良いね!
used clothes と vintage clothes の違いは、古さの中に価値を感じられるかどうかです。
誰かが着ることで単に価値が下がった洋服は used clothes で、その中で希少性を帯びたものが vintage clothes になります。つまり、無数の used clothes の中に一握りだけ生まれるのが vintage clothes ということですね。
まとめ
今回は「ヴィンテージ」について詳しく確認してきました。
vintage はもともとブドウやワインを表す言葉でしたが、現在では古くて価値のあるものを指して幅広く使われます。
多くの場合、ヴィンテージは元々の販売価格を超えた価値が付いているもの。もしかしたら、あなたの家にも隠れヴィンテージ品が埋まっているかもしれませんよ。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!