2019年の年末からニュースでもたびたび取り上げられているのが、新型コロナウイルスについての情報です。新しい感染症である新型コロナウイルスは、海外でも大きな社会問題になっています。今回は、外国語でのコミュニケーションが必要なときに、ぜひ知っておきたい新型コロナウイルスに関する英単語や英語表現について解説していきます。
新型コロナウイルスの英語名
新型コロナウイルスは、コロナウイルスと呼ばれるウイルスを介して感染する感染症です。コロナウイルスには複数の種類がありますが、ウイルスの型は種類によってそれぞれ異なります。新型コロナウイルスは、2019年に新たに登場したコロナウイルスのことです。ちなみに、コロナウイルスは、普通の風邪や重症急性呼吸器症候群の名で知られるSARS(Severe acute respiratory syndrome)などを引き起こすウイルスでもあります。
英語名は「coronavirus」
新型コロナウイルスを英語で表したいときは、「coronavirus」と言えば伝わることが多いです。より正確に表現したい場合は、「Coronavirus Disease 2019」や「COVID-19」と言えば、ほぼ理解してもらえるでしょう。
「a novel coronavirus」と表現されることも
日常会話では、「a novel coronavirus」や「a new coronavirus」などの表現も使われることがあります。このような表現をするのは、ほかのコロナウイルスと新型のコロナウイルスを明確に区別するためです。「a novel」や「a new」といった表現を加えることで、2019年に登場した新しいコロナウイルスであることがより明らかになるでしょう。
新型コロナウイルスの名前の由来
新型コロナウイルスの名前は、ウイルスの形が元になっています。コロナウイルスはボールのような丸い形をしていますが、表面には小さな突起がたくさんついています。
ギリシャ語の「corona」から命名
新型コロナウイルスは、ギリシャ語の「corona」が名前の由来と言われています。ギリシャ語の「corona」は、「光の輪」や「王冠」などを意味する言葉です。たくさんの突起がついたコロナウイルスは、拡大すると王冠や太陽のコロナに似た形をしています。独特の形から想起されるイメージをもとに、「coronavirus」という名前がつけられました。
新型コロナウイルスの検査
新型コロナウイルスの形は、同じコロナウイルスであるSARSやMERSのウイルスとも似ています。新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べるときに行われるのが、PCR検査と呼ばれる検査です。この検査では、ウイルスのDNAを増やして診断を行います。新型コロナウイルスの検査を英語で表すときは、「coronavirus testing」や「diagnostic test」などの表現を使うことが多いです。ちなみに、検査の結果が陽性の場合は「positive」、陰性の場合は「negative」と表現します。
新型コロナウイルスの症状
新型コロナウイルスになると、さまざまな症状が現われてきます。代表的な症状と英語での表現を、ここではリストアップしてみました。ちなみに、英語で症状は「symptoms」です。ドクターや看護師が病院で症状を尋ねるときには、
Aさん
「What seems to be the problem?」
Bさん
「What are your symptoms?」
といった英語で質問をすることが多いです。
発熱
熱(fever)は、新型コロナウイルスの症状のひとつに挙げられます。新型コロナウイルスを疑うときの目安になっているのが、発熱してから4日たっても37.5度以上の熱が下がらないときです。病院などで熱があることを伝えたいときは、
Aさん
「I have a fever.」
などの表現をするのが一般的です。
喉の炎症
喉の炎症(sore throat)も、新型コロナウイルスの代表的な症状と言えます。喉が痛いときや違和感があるときは、
Aさん
「I have a sore throat.」
と伝えると、症状を理解してもらうことができるでしょう。
咳
肺炎の症状がでる新型コロナウイルスでは、咳(cough)も多く見られる症状です。咳が出ることを伝える場合は、
Aさん
「I have a cough.」
Bさん
「I cannot stop coughing.」
などの表現を使います。
息切れ
新型コロナウイルスでとくに心配されているのが、呼吸器の症状です。この感染症の場合、肺や心臓などに持病がある人は重症になるリスクが高いと言われています。息切れ(shortness of breath)の症状が見られるときは、英語でも正確に表現する必要がでてくるでしょう。息切れがすると英語で伝えたい場合は、
Aさん
「I get short of breath.」
などの表現を使います。呼吸器の病気は、「respiratory ailment」です。肺などに持病を抱えている場合は、
Aさん
「I have a respiratory ailment.」
と伝えておくと、適切な処置をしてもらえるかもしれません。
新型コロナウイルス対策で必要なこと
新型コロナウイルスの対策では、日常生活で気を付けなければならないことがいろいろあります。感染を防ぐための予防策は、「infection control」などの表現で表されます。家庭や学校、職場などでできることの英語表現と使用例を、少し紹介してみましょう。
手洗い
手を洗うことは、新型コロナウイルスの感染を防ぐ方法のひとつと考えられています。「手を洗う」は、英語で「wash one’s hands」です。新型コロナウイルス対策では、石鹸を使った20秒間の手洗いが推奨されています。職場などで「手を洗って」と伝えるときは
Aさん
「Please wash your hands」
などの表現を使うと、予防対策が実行できるでしょう。外出先から帰った家族には、「wash your hands」の前に「Don’t forget to ~」をつけると、注意が促せます。感染のリスクを避けるには、「for 20 seconds(20秒間)」のフレーズもつけ加えたほうが安心かもしれません。
消毒
一定の濃度以上のアルコールを使った消毒も、推奨されている新型コロナウイルスの予防策です。「消毒する」は、英語では「disinfect」や「sterilize」などの表現を使います。消毒薬は「disinfectant」です。お店などで消毒薬を使いたいときは
Aさん
「Do you have disinfectants?」
Bさん
「Can I use the disinfectant ?」
といった英語で尋ねると、対応してもらえるかもしれません。
目や鼻、唇などを手で触らない
新型コロナウイルスは、ウイルスがついた手で目や鼻、唇などを触ることで感染するケースが少なくありません。このようなケースに陥るのを避けるには、顔をむやみに手で触らないことがひとつの対策として紹介されています。目に触れないように相手に伝えるときは、
Aさん
「Don’t touch your eyes.」
などの表現を使うと、注意が促せる可能性があります。ちなみに、日本で品薄が指摘されているマスクは、英語では「surgical mask」と表現します。「マスクをつける」ときの英語表現は、「wear a surgical mask」や「put a surgical mask on」などです。
新型コロナウイルスに関する時事用語
新型コロナウイルスが流行してからは、ニュースでもたびたび登場する時事用語があります。代表的な用語と英語表現を、ここではまとめてみました。
パンデミック(pandemic)
新型コロナウイルスのような感染症が世界各国に広がっている現象は、パンデミック(pandemic)と表現されます。新型コロナウイルスのパンデミックが発生していることを英語で表す場合は、
Aさん
「a pandemic outbreak of coronavirus.」
などのフレーズを使います。
濃厚接触者(a close contact)
ウイルスの感染者と一定の環境下で接触した人は、濃厚接触者(a close contact)といった表現で表されることが多いです。このような人は、期間を決めて隔離をし、感染していないかどうかをチェックする対策が日本でも進められています。「隔離する」は、英語では「isolate」や「quarantine」などの表現で表されます。たとえば、「私の兄が隔離されている」と言いたいときは、
Aさん
「My brother is in isolation.」
と言えば、伝わる可能性があります。
飛沫感染(droplet infection)
新型コロナウイルスは、感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染が起こることが指摘されています。「飛沫感染」は、英語では「droplet infection」と表現されます。「飛沫感染を防ぐためにマスクをつけた」と英語で伝えたい場合には、
Aさん
「I wear a surgical mask to prevent droplet infection.」
などの言い方ができるでしょう。