オンライン英会話は、時間や場所の制約がなく英語のレッスンを受けられる、人気の学習法です。基本的には、ウェブカメラを使い、画面越しに講師と生徒が顔を合わせながら行われます。

しかし、講師に顔を見られることであがってしまう、自宅でリラックスしている格好を見られたくない、背景に家の中が映り込むのは避けたい、などといった理由で、ウェブカメラを使わず、音声だけで受講したい方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、オンライン英会話のレッスンはウェブカメラを使わなくても受講可能なのか、音声のみでレッスンを受ける場合のメリットやデメリットを説明します。オンライン英会話に挑戦してみたいけれど、未知の相手と顔を合わせてレッスンを受けることに抵抗がある方は、ぜひ参考にしてください。

オンライン英会話は音声のみで受講可能

結論として、オンライン英会話は音声のみで受講可能です。

しかし、通常はウェブカメラを使って顔を見ながらレッスンするケースが多いため、音声のみで受講したい場合は講師にそう伝える必要があります。

音声のみでレッスンを受講する方法

ウェブカメラを使わない方法は、オンライン英会話サービスを提供するスクールによって多少方法が異なります。基本的にレッスンページに入ってカメラボタンを操作するとカメラモードをオフにできます。再度ボタンをクリックすると、カメラモードをオンにできるでしょう。

ウェブカメラ内蔵の機種の場合、パソコン本体の設定でカメラ機能をオフにしておく方法もあります。どうしてもカメラに映りたくない場合は、パソコンについているウェブカメラのレンズ部分を、ふせんやマスキングテープなどを使ってふさいでおく方法もあります。

ウェブカメラがついていない機種の場合は、外付けのウェブカメラを使わなければ、カメラに映る心配もありません。

音声のみで受講するときの伝え方

オンライン英会話のレッスンの際、カメラモードをオフにしたまま受講すると、「映像が見えません」「再読み込みしてください」などと講師に言われることがあります。どのように応答するか、事前に決めておきましょう。たとえば、このように講師に伝えることができます。

Aさん
Do you mind if I leave the camera off?
カメラをオフにしたままでもかまいませんか?
Aさん
Could you stop the video chat?
ビデオチャットを止めていただいてもいいですか?
Aさん
I would like to take a lesson without a camera.
わたしはカメラなしでレッスンを受けたいのです。

レッスンでウェブカメラを使うかどうかは受講者の自由なので、長々と理由を説明する必要はありません。

事前に環境チェックをしておく

オンライン英会話サービスを提供するスクールによっては、ウェブカメラの設定がオンになっていないと、レッスンページでエラーが出る場合があります。レッスン時間は限られるので、画像や音声のトラブルは避けたいものです。事前にレッスン環境を確認するチェックサイトがあるときには、できるだけレッスン前に受講環境を確かめておきましょう。

たとえば学研の提供するオンライン英会話サービスのkiminiでは、下記のように「ご利用環境の確認」を案内しています。リンクから、お使いの端末のブラウザや、カメラ・マイクの状態を確かめてからレッスンに臨むことができます。

ご利用環境について

オンライン英会話を音声のみで受講するメリット

オンライン英会話を音声のみで受講するメリット

オンライン英会話は、ウェブカメラを使わず、音声のみでレッスンを受講できることを確認しました。

では、音声のみでのレッスン受講には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、オンライン英会話のレッスンをウェブカメラの映像なしで受けるメリットについて説明します。

はずかしさが減る

音声のみにすると相手の顔が見えないので、はずかしさがなくレッスンを受けられるのがメリットのひとつです。

オンライン英会話には、さまざまな講師が在籍しています。多くは、受講者の不安や緊張を理解して、フレンドリーに接してくれる講師が多いはずですが、なかには不愛想だったり、相性がよくない人のレッスンを受けることもあるでしょう。

しかし、ウェブカメラを使わず、音声だけのやりとりなら、講師の顔を見て緊張したり、はずかしくなったりすることがいくぶん楽になるかもしれません。

とくに英語の初心者がオンライン英会話のレッスンを受ける場合や、自分が英語を話している様子を相手に見られると緊張するという人にとっても、ウェブカメラの映像なしで音声だけを使うレッスンは敷居が低いでしょう。

通信が安定しやすい

いまひとつの利点は、オンライン英会話のレッスンの通信が安定しやすい点です。

多くのオンライン英会話のレッスンは1回あたり25分が基本です。その限られた時間のなかで、あいさつや自己紹介を済ませ、定められた教材やフリートークをしなければなりません。

しかし、講師の側か受講者の側で通信環境がよくないと、せっかくのレッスン時間が、通信の状態を確認したり、機器を再起動したりで無駄になってしまうことがままあります。とくに、ウェブカメラを使うテレビ通話は送受信するデータが重いため、映像が固まってしまい、音声すら聞こえなくなることがあります。

この点、音声のみのレッスンはテレビ通話よりも通信が安定しやすいため、レッスン中に通信障害が発生するリスクを軽減できます。

オンライン英会話のレッスンを受けるのに必要なインターネット接続ですが、回線スピードはどのくらいあれば十分なのでしょうか。次の記事では、安定したレッスンのために必要な通信速度や、音声や映像が途切れたときの対処や、講師にどう伝えるかという例文を紹介しています。

オンライン英会話に必要な通信速度は?必要な通信量、トラブル時の対処も解説

部屋や素顔を見られなくて済む

オンライン英会話は、好きな時間にレッスンを受けられることもあり、休日や早朝や夜中など、自室でゆっくりしている時間に受講したいと考える方も多いでしょう。通勤や通学するわけではないので、リラックスした部屋着の格好だったり、女性の場合は化粧をする前の素顔でいることもあるかもしれません。

しかし、オンライン英会話のレッスンのために身支度をするのは面倒ですし、画面越しとはいえ、家にいる姿を他人に見られることに抵抗がある方も少なくないでしょう。

また、部屋が片づいていなかったり、自分だけの部屋がなく、小さな子どもやペットが不意に顔を出す心配があるときにも、ウェブカメラを使ってレッスンを受けることをためらうことがあるかもしれません。

しかし、音声のみでレッスンを受講できれば、わざわざ化粧をして着替えたり、部屋を片づけたりする必要がなく気軽にレッスンを受けられます。

自分の音声だけで英語が伝わるかが確認できる

音声のみでレッスンを受けると、発音の力を確かめられるというメリットもあります。

仮に英語がそれほど上手に話せなくても、身振り手振りや表情でニュアンスを伝えられることがあります。しかし、ウェブカメラをオフにしていると、顔の表情やジェスチャーは使えないので、声だけがよりどころになります。

いわば、映像と音声のあるテレビと、音声だけのラジオの違いのようなもので、音声のみの英語で会話が成り立つのか、自分自身の発音や文章をつくる力を試すことができます。これは、たとえば英語で電話の受け答えをする場合などに、力量が問われます。

反対に、講師側のウェブカメラ映像もオフになっている場合は、講師の表情や口の形が見えないので、音声だけの、リスニング力を確かめることができるでしょう。

なお、オンライン英会話には、パソコンやタブレットだけでなく、電話やスマートフォンで電話レッスンを受けることもできるサービスもあります。次の記事が参考になります。

【オンライン英会話】の電話レッスンは効果あり?メリット・デメリットを解説

オンライン英会話を音声のみで受講するデメリット

オンライン英会話を音声のみで受講するデメリット

ここまで、音声だけオンライン英会話のレッスンを受講する場合のさまざまなメリットを紹介してきました。しかし、忘れてはならないのはデメリットもあることです。

ここからは、オンライン英会話でウェブカメラを使わず、音声のみで受講する場合のデメリットを説明します。

ジェスチャーが使えない

英語に限らず、会話ではジェスチャーを使ってニュアンスや意味を表現することがありますが、音声のみのレッスンではジェスチャーが使えません。

外国語の場合、スラスラとことばが出てくるわけではないので、まったく身振り手振りなしでコミュニケートするのは簡単ではありません。とくに英会話に慣れていない初心者の場合、スピーキング力だけで会話を成立させるのは難度が高いため、文章が組み立てられずにことばに詰まってしまったり、相手がうまく聞き取れなくて何度か聞き直されたりして気まずくなったり、緊張してしまったりする恐れもあります。

家でリラックスしている部屋着姿やノーメイクの素顔を見せたくない、顔を合わせて会話をするのははずかしい、といった気持ちがあるかもしれませんが、英語力に自信がない場合はことばだけで会話が成立しない恐れがあるので注意しましょう。

また、英語圏でよくある動作、たとえば、親指を立てる、肩をすくめる、ウインクする、といったジェスチャーも、実際のレッスンのなかで見ていると、どういう場合に使われるのかがわかってきます。カメラ映像がないことでジェスチャーが使えないのは、講師がする動作を見る機会が減るという意味でも、デメリットかもしれません。

英語圏に限りませんが、外国では、日本にはない、または日本とは意味が違うジェスチャーがいろいろあります。知っておくと、相手が伝えたいメッセージをすぐ理解することもできますし、ふさわしくない場面で身振りをすることも避けられます。次の記事で、外国のジェスチャーを知ってみましょう。

感情が伝わりにくくなる

いまひとつのデメリットは、ウェブカメラの映像がない音声だけのレッスンだと、感情が伝わりにくくなることです。

というのも、対人コミュニケーションにおいて、ひとは以下の3つの情報から総合的に相手の感情を判断しています。

視覚的情報:55%
聴覚的情報:38%
言語的情報:7%

「視覚的情報」は、相手の表情に相当します。「聴覚的情報」は話す速さや口調などで、純粋な「言語的情報」は、全体のわずか7%にすぎません。わたしたちは会話のなかから、言語以外にもさまざまな情報を得て感情を読み取っているということです。

オンライン英会話のレッスンでウェブカメラをオフにした場合は、上記の55%を占める視覚的情報がなくなるため、映像を伴う会話と比較すると、45%しか感情が伝わらなくなるのです。

日本人同士でも、電話で話すと微妙なニュアンスがうまく伝わらなくなることがあります。まして外国語の英語だと、語彙や表現の力が十分でないため、さらに感情が伝わりにくくなるといえるでしょう。

実践的な練習にならない

だれかと英語で会話をしている場面を想像すると、電話でもない限り、互いの顔を見て話すのが普通です。

そのため、音声のみのレッスンをしていると、いざ対面で会話をするときに緊張して上手に話せない、ジェスチャーが使えないといった状況になるかもしれません。

つまり、ウェブカメラを使わないでしまうと、対面のレッスンだからこそわかる、相手の身振りや手振り、表情などに慣れる機会が減ってしまうことになります。

より実践的な英会話の練習を目指すなら、オンライン英会話のレッスンでも対面形式で会話が成立するよう慣れておくことを勧めます。とくに英会話初心者の場合、表情やジェスチャーでも相手に伝えることが多いため、表現力をいっそう向上させるためにも、ウェブカメラの映像を使える状態でレッスンを受けるとよいでしょう。

発音練習にはカメラ映像が役立つ

英語に限りませんが、外国語には、日本語にはない発音がたくさんあります。正しく発音するには、ネイティブスピーカーをまねるのが早道ですが、ラジオ講座や音声教材に比べると、オンライン英会話は講師に直接尋ねられる利点があります。

たとえば、日本人には苦手な人が多い、以下の音を発音するような場合には、講師の映像が見られるとたいへん便利です。

  • thを発音するときー舌は歯とどういう位置関係にあるのか
  • ラリルレロのlとrの音を出すときーl音とr音では口蓋のなかで舌の位置はどう違うのか
  • mとnを発音するときー同じように「ン」と聞こえても、唇の形はどうすればいいのか

こうした説明を受ける場合には、音声だけを耳で聞いたり、チャットで文章を読んだりするよりも、講師に口の形を見せてもらう方がはるかに早く理解できますし、記憶に残るはずです。

はずかしい、緊張してしまう、という理由で、オンライン英会話ならではのフェイス・トゥ・フェイスで向き合う利点を手放すのは、少々もったいないといえるでしょう。

子供の場合はカメラ画像のほうがよいことがある

最後に、まだ十分に英語を話せない子供の場合、視覚的な要素を十分に活用できるため、ウェブカメラを使ってレッスンを受ける利点がかなりあります。文字を見て発音するとか、何かの動作を見て表現する、という場面もありうるからです。

慣れない外国語を話すことそのものに抵抗がある場合でも、オンライン英会話の講師がにこやかに話しかけてくれたり、少し大げさなくらいにほめてくれたりすれば、英語を話すことに自信をもったり、勉強することが楽しくなったりすることもあるかもしれません。

すぐに英語が上達するわけではないとしても、オンライン英会話で実際に会話することで、英語ができれば外国のひとともやりとりできるという経験をすることで、英語やその他の外国語を学ぶ動機づけができるのは、大きなプラスになるでしょう。

ウェブカメラを内蔵していないパソコンを使っている場合、下記の記事ではオンライン英会話に適したWebカメラの選び方を紹介していますので、ご覧ください。

英語学習初心者!【オンライン英会話】で失敗しない”Webカメラ”の選び方

オンライン英会話は音声のみで受講可能!続けやすい方法を選ぼう

本記事では、オンライン英会話のレッスンを、ウェブカメラを使うことなく、音声のみで受講できるかどうかについて説明しました。結論として、オンライン英会話は音声のみで受講可能です。

自宅で余暇を過ごしているふだん着や、化粧する前の顔を見られずに済むとか、知らないひとの顔を見て話すのは緊張するといった場合、ウェブカメラなしの音声のみのレッスンでもよいでしょう。しかし、表情やジェスチャーが使えないので、きちんとした文章や正しい発音でないと英語が伝わりにくかったり、実践的な会話練習になりにくかったり、といった不利な点もあります。

ただ、オンライン英会話のレッスンは継続することでいっそう効果が上がります。もしも音声だけのレッスンの方が続けやすいなら、カメラを使わないのも選択肢のひとつです。

それぞれの受講環境や、テレビ電話への慣れに応じて、続けやすい方法でレッスンを受けるとよいでしょう。