35歳以上もしくは40歳以上での年1回の受診が推奨されている人間ドック。

年齢や検査項目によって数日かかる場合もありますが、健康のためには定期的に受けるのが好ましいといわれています。

そんな日本ではわりと身近な「人間ドック」を、英語では何と言うか知っていますか?

「ドックがそもそも英語でしょ?」「直訳でhuman dock?」と疑問に思った人もいるかもしれませんが、じつは違います。

今回は、「人間ドック」を意味する正しい英語と、人間ドックに関連した英語表現を紹介します。

 

「人間ドック」は和製英語

「人間ドック」は、英語の”dock”(ドック、波止場)を使った和製英語です。

”dock”を英英辞典で調べると、以下のように記載があります。

a place in a port where ships are loaded, unloaded, or repaired

船に乗せる荷物の積み下ろしをしたり、修理をしたりする場所

引用:dock | ロングマン現代英英辞典でのdockの意味 | LDOCE (ldoceonline.com)

健康診断が「人間ドック」と呼ばれるようになったのは、航海から帰港した艦船がドライドックに入ることに由来しています。

船を”dock”で点検するように、人間も「ドック」で検査することを例えて使われるようになりました。

参考:緑のひろば – 公立学校共済組合 関東中央病院

 

Aさん
Have you ever thought that the word ”ningen dokku” was interesting?
訳)「人間ドック」って、面白い単語だよね?
Aさん
Have you ever wondered what it means?
訳)なんで「人間ドック」って言うのか、不思議じゃない?
Aさん
The “dokku” in ningen dokku comes from the English word ”dock”.
訳)人間ドックの「ドック」は、英語の”dock”に由来しているんだよ。

 

「人間ドック」の正しい英語

「人間ドック」の正しい英語

和製英語の「人間ドック」を正しい英語にすると、どのような言い方ができるのでしょうか?

通常の「健康診断」であれば、”medical checkup”や”physical examination”と表現して全く問題ありません。

しかし、体のいろいろな部分をくまなく検査する、いわば全身の健康診断としては少々不完全です。

体を徹底的に検査するという意味で、”complete”(完全な)
や”full”(全部の)、”comprehensive”(総合的な)といった形容詞を付けて表現する
といいでしょう。

ほかにも、”health screening”(病気の早期発見を目的とした精密検査)や”annual general checkup”(定期的な検査)という言い方もできます。

「人間ドック」の英語表現

  • complete medical checkup
  • full medical checkup
  • comprehensive medical checkup
  • thorough physical examination
  • health screening
  • annual general checkup

 

Aさん
Last week, I went in for a full medical checkup for the first time in two years.
訳)先週、2年ぶりに人間ドックに行ってきたよ。
Aさん
People aged 40 or above would be better to undertake a thorough physical examination.
訳)40歳以上の人は、人間ドックを受けたほうがいいでしょう。
Aさん
I need to go for a complete medical checkup since I will be 50 years old this year.
訳)50歳になったので、人間ドックに行かなきゃなあ。
Aさん
Just the thought of going to the doctors for a complete medical checkup is a burden.
訳)人間ドックのために病院に行くって考えるだけで気が重いの。

 

海外と認識が違う「人間ドック」

海外と認識が違う「人間ドック」

日本では健康診断としてメジャーな「人間ドック」ですが、海外、特にアメリカにおいてはほとんど認識されていません。

人間ドックを「年に1度の定期健康診断」と説明したところで、相手は「???」と理解しきれず、どうもピンとこないというケースも珍しくないでしょう。

アメリカは、治療によって数十万円〜数百万円という高額な医療費の請求がありえる自由診療の国です。

医療費が高いため、たいていの人は市販薬や自己免疫で治すのが当たり前とされ、よほどの重病や大怪我で救急搬送されない限り病院にお世話になることもありません。

海外旅行の際に高額医療費に備えて保険に加入する人が多いのも頷けますよね。

費用が安く気軽にいつでも利用できる日本の医療制度は、非常に珍しくありがたいことなのです。

参考:
海外の医療費が高額!国民健康保険の申請と海外旅行保険のメリット | 海外旅行お役立ち情報 | 【公式】損保ジャパン

日本と諸外国の医療水準と医療費|世界に誇れる日本の医療保険制度

健康診断に馴染みのない人には、「人間ドック」をよりわかりやすく説明する必要があります。

Aさん
”Ningen dokku” is a complete medical checkup I do every year in order to examine any serious condition I may have.
訳)「人間ドック」は、重い病気にかかっていないか検査するために、毎年行う完全な健康診断のことだよ。
Aさん
”Ningen dokku” is a comprehensive medical examination to check my health condition each and every year.
訳)「人間ドック」は、毎年、自分の健康状態を確認するために、必ず受診する総合的な健康診断だよ。
Aさん
Annual general checkups are important as they allow us to check the state of our health, prevent any future health problems, and treat problems before they get worse.
訳)自分の健康チェックのためにも、必ず人間ドック(定期健康診断)を受けましょう。

 

「人間ドック」に関連する英語表現

「人間ドック」に関連する英語表現

人間ドックは、検査する項目によって日数も時間も異なり、日帰りで済む場合もあれば、検査入院という形で病院に1泊する場合もあります。

人間ドックの検査項目はたくさんあり、日本語でもあまり聞きなれない単語ばかりです。

人間ドックに関連する単語とおもな検査項目の英語を一覧にまとめたので紹介します。

日帰り人間ドック one-day thorough physical examination
検査入院 hospitalization for a medical checkup
身体計測 physical measurement
血圧測定 sphygmomanometry
心電図 electrocardiogram(ECG)
眼科検査 ophthalmic examination
聴力検査 audiometry ※hearing test でも通じる
呼吸機能検査 respiratory function test(RFT)
胸部X線 chest X-ray(CXR)
上部消化管X線 upper gastrointestinal X-ray examination
上部消化管内視鏡 upper gastrointestinal endoscope(UGE)
腹部超音波 abdominal ultrasonography
血液検査 blood test [examination / study / investigation / screening]
尿検査 urine [urinary] test [analysis / examination / check]
便検査 stool examination
内科診察 doctor’s consultation [examination]

英語学習者でもあまり馴染みがなく、読みも難しい専門用語が並んでいますが、日帰りを意味する”one-day”や身体計測
の”physical measurement”、血液検査の
”blood test”
などは、覚えておくと普段の会話でも役立つでしょう。

 

まとめ

「人間ドック」を意味する正しい英語と、それに関連した英語表現を紹介しました。

じつは和製英語だった「人間ドック」は、”complete medical checkup”や”thorough physical examination”と言うのが正解です。

医療費の負担が少なく気軽に病院を受診できる日本は、世界でも有数の健康な国として知られています。

国や地域で認識の違いはありますが、「健康に勝るものなし」、病気をせず体が丈夫であることに敵うものはありません。

定期的な人間ドックの受診で、健康で豊かな暮らしを目指していけるといいですね。