オリンピックは、普段なかなか目にすることのない競技を見ることができる貴重な機会です。実は、そのような競技の中には、英語の学習に役立てられるようなものも少なくありません。ここでは、そのような競技の一つである馬術にフォーカスを当てて、観戦する上で知っておきたいことや、観戦を通じて英語力を鍛えるための方法を紹介していきます。

オリンピックの馬術競技とは?

馬に乗って走るというと、競馬をイメージする方もいるかもしれませんが、オリンピックの馬術競技はそのようにスピードだけを競うものではありません。オリンピックの馬術競技は、スピードに加えて、テクニックや美しさを競うものとなっており、具体的には障害馬術、馬場馬術、総合馬術の3つの種目が実施されます。ここでは、より協議を楽しんで見られるように、それらの概要について紹介します。

障害馬術

障害馬術は、コース上に配置されている様々な障害物をあらかじめ決められた順番通りに飛び越えながら、なるべくミスをしないで早くゴールを目指すというものです。ルールを理解するのが簡単なので、初めて見る人でもすぐに楽しめる競技ですが、実際に出場する選手は馬のコンディションなども考えて緻密な作戦を立てて試合に臨んでいるので、そういったことも考えられるとより興味深く観戦できるようになるでしょう。オリンピックでは、団体戦と個人戦の2種目が行われます。いずれも予選と決勝に分けて実施され、団体戦の場合は上位10チーム、個人戦の場合は上位30名に入ると、決勝に進出できるのです。

馬場馬術

馬場馬術は、馬に乗った状態で様々なステップを踏んだり、美しい図形を描いたりする競技で、その動きの美しさや正確さを競い合うことから、馬に乗ったフィギュアスケートと呼ばれることもあります。障害馬術と同じく、団体戦と個人戦が行われるのですが、予選に当たるグランプリは団体戦、個人戦を兼ねる形で実施されます。グランプリの上位8チームと、上位18名が、それぞれ団体の決勝であるグランプリスペシャルや個人の決勝であるグランプリフリースタイルに出場できるのです。

総合馬術

総合馬術は、3日間かけて、馬場馬術、クロスカントリー、障害馬術の順に3つの種目をこなすというハードな競技です。前述した馬場馬術と障害馬術に加えて、クロスカントリーが行われるというのがこの競技の特長で、数キロにわたる長いコースを、そこに配置された障害物を飛び越えながら人馬が駆け抜ける様子は圧巻です。こちらの競技も団体戦と個人戦が行われますが、他の馬術競技と違って予算は実施されません。団体戦は1チーム3名で構成され、各種目の1回目のスコアの合計で競われるのに対し、個人戦は各種目1回目の合計スコアの上位25名が2回目の障害馬術に出場し、そのスコアを含めた合計点で順位が決まるようになっているのです。

知っておきたい馬術関連の英単語

知っておきたい馬術関連の英単語

馬術競技を英語で楽しむうえでは、専門用語を知っておくことが欠かせません。そこで、次に頭に入れておくべき基本的な単語をいくつか説明します。

馬術

まず一つ目に知っておきたいのは、馬術を英語で何というかです。直訳するとhorse ridingとなり、日常会話で使うのであれば、これでも十分に意味は伝わりますが、オリンピックの競技名としてはequestrianismという単語が用いられます。こちらの単語を使えた方が、馬術に精通しているという印象を持ってもらえますので、ぜひこの機会に覚えておくようにしましょう。また、障害馬術はjumping、馬場馬術はdressage、総合馬術はeventingといいます。jumpingは何となく意味が分かりますが、他の2つは知っておかないとなかなかすぐには出てこない単語ですので、併せて頭に入れておくのがよいでしょう。

馬術競技という単語を使った例文は、こちらのようになります。

Aさん
I will watch the Olympic equestrian event on TV with my friend.
訳)私は友人と一緒にテレビでオリンピックの馬術競技を観戦する予定です。

ポイントは名詞であるequestrianismではなく、形容詞であるequestrianを使っているという点です。equestrianismを使うと文書が少し硬い印象になるので、友人などとの会話の中で馬術という競技について言及したい場合には、ここにあるようにequestrian eventを使うのがおすすめです。

監督とコーチ

監督とコーチは、日本語では異なる単語ですが、英語の場合にはいずれもcoachという言葉が用いられます。ただし、監督を他のコーチと区別するために、head coachと呼ぶ場合もありますので、併せて覚えておきましょう。

Aさん
The equestrian coach of that country used to participate in the Olympic as an athlete.
訳)あの国の馬術の監督は、以前は選手としてオリンピックに出場した人だよ。

競技を見て英語力を鍛えるための方法

競技を見て英語力を鍛えるための方法

では、ここからはオリンピックの馬術競技を見ながら英語力をアップさせるためのおすすめの方法をいくつか紹介します。なお、前提として、解説が英語で行われる動画を視聴する必要があります。オリンピックともなると、テレビでも2か国語で解説が行われたりするので、そう言ったものを見るようにすると良いでしょう。もちろん、海外のテレビ番組を視聴するのでも構いません。

ディクテーション

おすすめの方法の一つ目は、耳にした言葉をそのまま文章に書き起こすというディクテーションです。いきなり完璧に書き起こすのは困難ですので、まずは聞き取れたところだけ書くようにし、次に何度も繰り返し同じ場面を見返してその都度聞き取った単語を追加していくようにすると良いでしょう。そのためには、見ている動画を録音しておくことがポイントになります。何度聞いても書き起こせない部分は、まだ自分の頭が付いていけていない部分ですので、後で字幕を見るなどして何といっているかを確認するようにしましょう。あとは、その部分を何度も聞き直すことによって、聞き取れない言葉を減らせるようになるのです。

シャドーイング

二つ目の方法は、聞き取った英語をそっくりそのまま同じように口に出して反復するというシャドーイングです。英語脳を鍛えるためには定番の方法ですが、これを行うことによって英語特有の音をそのまま頭に覚えさせられるようになるので、ぜひ馬術競技を見る際にも実践してみるようにしましょう。ポイントになるのは、文章を最後まで聞き終わってから反復するのではなく、聞き取った音はそのままどんどん口に出していくということです。輪唱をイメージすると分かりやすいかもしれません。また、いちいち日本語に訳さなくても意味が理解できるようになるためには、英語の音を聞きながら語られている内容を映像として頭の中でイメージするというやり方もおすすめです。

なお、ディクテーションとシャドーイングのどちらを中心に行えばよいか気になる方がいるかもしれませんが、結論を言うと、どちらも同じくらい時間をかけて実践する必要があります。というのも、ディクテーションが聞き取れない音を見える化して頭に入れるものであるのに対し、シャドーイングは英語の音のリズムを習得するために行うものだからです。もちろん一方だけでもそれなりに英語力の向上には役立ちますが、より効果的に学習をしたいのであれば、これらを併用するようにした方がよいでしょう。

馬術競技で英語を鍛えよう

以上で見てきたように、オリンピックの馬術競技の観戦には、英語を鍛えるチャンスが満載です。そのため、少しでも英語力をアップさせたいという方は、ぜひここで紹介した方法を実践してみると良いでしょう。ある程度英語力が鍛えられれば、海外の人とコミュニケーションすることもできるようになりますので、馬術を話題にして積極的に会話をすればさらに英語に磨きをかけられるはずです。