今回のテーマは「痙攣(けいれん)」です。
英語で痙攣を表す際は、症状に応じて複数の言い方が考えられます。この記事では、それらの表す意味の違いについて、詳しく解説していきます。
また、「てんかん」や「熱性痙攣」など、より具体的な症状の言い方についても説明するので、これらを英語で何と言うか気になっていた方は、ぜひ参考にしてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「痙攣(けいれん)」は英語で何て言う?
「痙攣(けいれん)」を英語で表現する際は、”convulsion”、”spasm”、”twitch”、”cramp”、”tic” などが使われます。
一括りに痙攣といっても、これらの表す症状は少しずつニュアンスが異なるので、それぞれ詳細を確認していきましょう。
「痙攣」の英語①:convulsion
痙攣の意味で最も幅広く使われるのが “convulsion(コンヴァルジョン)” です。
convulsion による痙攣は、脳と筋肉の連動が上手くいなない際の不随意運動のことであり、主に身体全体の痙攣を示して使われます。
後述する②~⑤の表現はいずれも、身体の一部分の痙攣を指すことが多いので、その点で使い分けるようにすると良いでしょう。
At dinner time, my mother suddenly had a convulsion and collapsed, so I called an ambulance.
訳)夕食時、母が突然痙攣して倒れたので、救急車を呼びました。
「痙攣」の英語②:spasm
“spasm(スパズム)” は、身体の一部の筋肉が突発的に収縮する痙攣を表します。日常会話で使うことは稀で、主に医学的な文脈で使うケースが多いです。
spasm は具体的な部位と合わせて “○○ spams” の形で使うことが多く、たとえば「筋肉痙攣」なら “muscle spasm”、「腹部痙攣」なら “abdominal spasm” といった形になります。
This patient exhibits abdominal spasms, suggesting several possible diagnoses.
訳)こちらの患者さんは腹部痙攣が見られることから、いくつかの病名が考えられます。
「痙攣」の英語③:twitch
緊張などで身体の一部がピクピク動くような痙攣は “twitch(トゥイッチ)” と表現します。
twitch は通常、傍から見てわかるほど大きな痙攣ではなく、本人以外には気づかれない程度の小さなものであることが多いです。たとえば、「怒りで眉が痙攣する」や「恐怖で唇が痙攣する」などは twitch で表現するのが適切でしょう。
While listening to his defense, I felt a twitch in my temple due to anger.
訳)彼の言い訳を聞いていたら、怒りで自分のこめかみがピクピク痙攣してきました。
「痙攣」の英語④:cramp
“cramp(クランプ)” は、主に腕や脚などの筋肉の痙攣を表す言葉です。
たとえば長距離走って脚が痙攣したり、重い物をずっと持っていて腕が痙攣したりする状態は cramp で表現するのが適切です。
cramp の痙攣は、水分やミネラルの不足や、疲れ(乳酸)が溜まっていることが原因なので、時間を置けば元通りになる傾向にあります。イメージとしては「こむら返り」の感覚に近いでしょう。
When I tried running to overcome my lack of exercise, my legs cramped up on the first day.
訳)運動不足解消にランニングをしたら、初日から脚が痙攣してしまいました。
「痙攣」の英語⑤:tic
主に顔面周辺の筋肉で発生する、小さく継続的な痙攣のことを “tic(チック)” と言います。
たとえば目の周囲や頬、唇付近の筋肉が日常的にピクピクするような痙攣は tic が該当します。
tic は主に子どもに多い症状とされていますが、その根本的な原因は未だに解明されていないようです。
My daughter had tics when he was a child, but they went away by the time he started elementary school.
訳)うちの娘は幼いころチックがありましたが、小学校に上がる頃には治りました。
「てんかん」などの痙攣の関連語を英語で言ってみよう
ここでは、「てんかん」と「熱性痙攣」という、痙攣に関連する病状を英語で何と言うか、それぞれ詳しく確認していきましょう。
「てんかん」は英語で何?
「てんかん」は英語で “epilepsy(エピレプシー)“ と言い、その発作は “seizure(スィージャー)” と言います。「てんかん発作」と言う場合は “epilepsy seizure” が正式ですが、seizure 単体でも十分通じます。
てんかんと痙攣は違いが分かりにくいですが、一過性の症状で収まるのが「痙攣」で、それが繰り返し起こるのが「てんかん」だといわれています。
また、seizure には「てんかん」以外の発作の意味もあり、たとえば heart seizure で「心臓発作」を表します。
I have epilepsy, so considering the possibility of a seizure occurring, I can’t drive a car.
訳)私はてんかん持ちなので、万一発作が起きることを考えると、車の運転はできません。
「熱性痙攣」は英語で何?
子供が高い熱とともに痙攣する「熱性痙攣」は、英語で “febrile convulsion“ や “febrile seizure” と表現されます。febrile(フィーブラル)が「発熱性の」という意味なので、日本語の熱性痙攣と同じ意味構成になっています。
一過性のものなら febrile convulsion、何度も繰り返されるものなら febrile seizure ですが、医者や看護師さんでない限りは、そこまで厳密に使い分ける必要はないでしょう。
Febrile convulsions are a common symptom in children.
訳)熱性痙攣は子供に多い症状です。
痙攣の具体的な症状を英語で伝えてみよう
最後に、痙攣の具体的な症状を英語で何と言うか確認していきます。
海外で病院などに行く際は、これらの言い方を覚えておくと安心です。ぜひ参考にしてください。
「目が疲れて瞼が痙攣している」は英語で何?
目が疲れて瞼が痙攣している様子を示す際は、twitch や cramp を使うのが適切です。
長時間酷使して強張っているイメージなら twitchが、瞼の筋肉が疲れているイメージなら cramp が良いでしょう。なお、「瞼」は英語で eyelid と言います。
I’ve been working on the computer all day, and now my eyes are tired and my eyelids are twitching.
訳)1日中パソコン作業をしていたからか、目が疲れて瞼が痙攣しています。
「子供が痙攣をおこした」は英語で何?
子供が痙攣をおこした場合は、”have a seizure” や “have a convulsion” と表現します。どちらも通じる表現ですが、強いて言うと had a seizure の方がよく使われる言い回しだといえます。
救急車などを呼ぶとき、これらを使って救急隊員に症状を説明すれば、より迅速で的確な処置をしてもらえるでしょう。
Excuse me, my son is having a seizure and is unconscious.
訳)すみません、息子が痙攣して意識がないんです。
I understand. I will arrange for an ambulance immediately, so please keep him comfortable.
訳)分かりました。すぐに救急車を手配するので、そのまま安静にさせてください。
まとめ
今回は「痙攣」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
痙攣には ”convulsion”、”spasm”、”twitch”、”cramp”、”tic” と色々な言い方があり、症状の傾向によって適する表現が変わってきます。
このうち、最も一般的なのは convulsion なので、迷った場合はこちらを使っておけば間違いないでしょう。
痙攣は原因がさまざまで、ものによっては一刻を争う重大な事態になることもあります。今回ご紹介したことを参考にして、万一の際に英語で説明できるようにしておきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!