12体の動物からなる干支には色々なおもしろい説や物語があります。今回は、日本の干支のルーツや意味、英語では何と表現するかをあわせてご紹介します。
干支は英語で?
干支は “Chinese zodiac” 、または “Japanese zodiac” と言います。中国由来のことから “Chinese zodiac” が一般的に知られています。
I am a Tiger in the Chinese zodiac.
訳)私の干支は寅です。
“zodiac” は「黄道帯」を意味する単語で、 “Zodiac signs” は西洋占星術の12星座を表します。
干支+年:the Year of the ~
干支+年は、 “the Year of the ~” と表現します。
This year is the year of the Dragon.
訳)今年は辰(たつ)年です。
十二支の動物たちの意味と英語表現について
十二支の動物たちが司っている意味と英語表現についてみてみましょう。
合わせて、それぞれの動物の性格を表す単語と例文もご紹介しています。
「〇〇年は〜な性格です」と伝える際に使ってみてください。
子(ネズミ):Rat
ネズミ算という言葉があるように強い繁殖力を持つ動物ですので、子孫繁栄を意味しています。
【性格】
- 知的:Intelligent
- 努力家:Hard-working
It is said that people born in the year of the Rat are intelligent and hard-working.
訳)ねずみ年生まれの人は、知的で努力家と言われています。
丑(牛):Ox
誠実さや粘り強さ、慎重さを表します。
【性格】
- 誠実:Honest, sincere
- 粘り強い:Persistent
It is said that people born in the year of the Ox are honest and persistent.
訳)うし年生まれの人は、誠実で粘り強いと言われています。
寅(虎):Tiger
決断力や賢さを表します。
【性格】
- 決断力:Decisive
- 賢い:Wise
It is said that people born in the year of the Tiger are decisive and wise.
訳)寅年生まれの人は、決断力があり賢明だと言われています。
卯(ウサギ):Rabbit
温厚や従順さを表します。
【性格】
- 温厚:Gentle, mild-tempered
- 協調性がある:Cooperative
It is said that people born in the year of the Rabbit are gentle and cooperative.
訳)うさぎ年生まれの人は、温厚で協調性があると言われています。
辰(龍):Dragon
正義感や信頼を表します。
【性格】
- 正義感がある:Having a strong sense of justice
- 責任感が強い:Responsible
It is said that people born in the year of the Dragon have a strong sense of justice and responsibility.
訳)辰年生まれの人は正義感が強く、責任感があると言われています。
巳(蛇):Snake
探求心や情熱を表します。
【性格】
- 洞察力がある:Insightful
- 神秘的:Mysterious
It is said that people born in the year of the Snake are insightful and mysterious.
訳)蛇年生まれの人は洞察力があり、神秘的だと言われています。
午(馬):Horse
陽気さやおしゃれ心を表します。
【性格】
- 活発:Active, lively
- 社交的:Sociable
It is said that people born in the year of the Horse are active and sociable.
訳)午(うま)年生まれの人は、活発で社交的だと言われています。
未(羊):Sheep
人情味や義理堅さ、穏やかさを表します。
【性格】
- 芸術的:Artistic
- 平和主義:Pacifist
It is said that people born in the year of the Sheep (Goat) are artistic and pacifistic.
訳)ひつじ年生まれの人は、芸術的で平和主義だと言われています。
申(猿):Monkey
探求心や聡明さを表します。
【性格】
- 器用:Skillful, dexterous
- 好奇心旺盛:Curious
It is said that people born in the year of the Monkey are skillful and curious.
訳)さる年生まれの人は、器用で好奇心旺盛だと言われています。
酉(鶏):Rooster
親切心や世話好きを表します
【性格】
- 真面目:Serious
- 勤勉:Diligent
It is said that people born in the year of the Rooster are serious and diligent.
訳)酉年生まれの人は、まじめで勤勉だと言われています。
戌(犬):Dog
努力家や勤勉さを表します。
【性格】
- 義理堅い:Loyal
- 正直:Honest
It is said that people born in the year of the Dog are loyal and honest.
訳)戌年生まれの人は、義理堅く正直だと言われています。
亥(猪):Boar(豚と猪を同一視する十二支の場合はpig)
勇気と無病息災を表しています。
【性格】
- 勇敢:Brave, courageous
- 寛大:Generous
It is said that people born in the year of the Boar (Pig) are brave and generous.
訳)いのしし年生まれの人は、勇敢で寛大だと言われています。
なお、元々十二支で採用されている漢字は季節ごとの植物を表した漢字で、一般庶民にも広がりやすいように動物の名前に当てはめられたという説があります。ですので、実際に十二支の順序で動物に優劣がついているわけではありません。
干支に関する例文
日本人同士の会話では、干支の話題が自然と出てくることがよくあります。
初対面の人との雑談でも、星座を聞くように干支の話が出ることもしばしば。年末年始の時期は、家族や友だちと来年の干支の話をする機会も多いでしょう。
ここからは、干支に関わる英単語や英語の例文をご紹介します。
自分の干支の伝え方、来年の干支や、年賀状に関する内容もチェックしてみてください。
I was born in the Year of the Tiger.
訳)私は寅年に生まれました。
I was born in 1986, which is the Year of the Tiger.
訳)私は1986年に生まれたので、干支は寅年です。
My Chinese zodiac sign is Tiger.
訳)私の干支は寅です。
Next year is the year of the Snake.
訳)来年はへび年です。
New Year’s cards often have pictures of the zodiac animal for that year.
訳)年賀状には、その年の干支の絵を入れるのが一般的です。
The zodiac animal is believed to bring good luck and fortune in the new year, so it’s a popular motif for New Year’s cards.
訳)その年の干支は、新年に幸運を呼び込むと信じられているため、年賀状のモチーフとして人気です。
干支を英語で説明する
英語圏では、徐々に認知されてきている「干支」。
海外でも、中華街で旧正月を祝う際や、企業のPRのために干支を使うなど、さまざまな場面で干支を知る機会が増えました。
しかし、干支をよく知らない人に説明するのは難しいと感じる方もいるかもしれません。
ここでは、干支の意味合いや種類を伝える英文をご紹介します。
干支とは何か、どんな動物がいてどのように私たちに関係するのかを、簡潔にまとめました。
干支の概要を的確に説明する例文のひとつとして、参考にしてみてください。
The Chinese zodiac is called “Eto” in Japanese.It is a traditional East Asian way of representing years using 12 animals.
訳)日本では、中国の十二支を「干支」と呼びます。干支は12の動物を使って年を表す、東アジアの伝統的な暦の呼び方です。
The animals in order are: Rat, Ox, Tiger, Rabbit, Dragon, Snake, Horse, Sheep, Monkey, Rooster, Dog, and Boar.This cycle repeats every 12 years.
訳)子(ねずみ)、丑(うし)、寅(とら)、卯(うさぎ)、辰(たつ)、巳(へび)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(いのしし)の順で、12年を一回りします。
People think each animal is connected to special traits and luck for that year.For this reason, Japanese people often use the Chinese zodiac like star signs to know about our personalities and luck.
訳)それぞれの動物には、その年の特徴や運勢が関係していると考えられています。
そのため、日本人は自分の性格や運勢を知るために、干支を星座と同じように扱うことも多いのです。
干支とは「十干」と「十二支」からなる
日本でいう干支とは、十二支の事
日本で干支というと、子、丑、寅…から始まる12体の動物を指す事が多いですが、実は間違い。干支とは古代中国殷王朝の時に作られたといわれている、「十干(じっかん)」と「十二支(十二支)」を組み合わせた60周期の数詞が本来の意味です。
干支における十干とは甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種、十二支は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12種から成り立っています。十干の「干」とは、内臓や木の幹を表し、十二支の「支」とは肢体と木の枝を同じ意味があります。
日本での十干は木・火・土・金・水と兄弟に対応しており、甲は火の兄である「きのえ」乙は火の弟である「きのと」丙は火の兄である「ひのえ」…とも呼ばれます。
十二支は、ね、うし、とら…と読み、12体の動物で構成されていますが、日本でいう干支といえば、こちらの十二支を指しています。
星の周期を診て占う星占いと同じように、その年の十干と十二支を組み合わせることにより、縁起を担いだり占いとして使われたりすることも多いです。例えば、近年の2012年1月1日から12月31日は壬の辰(みずのえのたつ)年にあたり、壬と辰両方の漢字に「女」をつけると「妊娠」となるので、妊娠や出産をするのに大変縁起の良い年といわれました。
日本に伝わる十二支の話
十二支の動物たちにはそれぞれの役割や象徴が決められており、それに沿った十二支の成り立ちが昔話として日本には伝わっています。簡単に十二支のお話を見てみましょう。
ある年末神様は一年交代でリーダーを決めることにし、来年の新年の挨拶に1番から12番目までに到着した動物をリーダーとすると宣言しました。
同時に、神様は動物の中でも一番体が小さかったネズミに対して「一番体が小さいお前だからこそ、絶対一番になれ」と言います。神様の気持ちを理解したネズミは「どんなことをしても一番になってやる」と決意しました。
リーダー決めの競争の噂を聞いた猫が、ネズミに「元旦に神様の所にご挨拶に行けばよいのか?」と尋ねると、ネズミは「違う、元旦はゆっくり寝て過ごし、二日に神様の元にご挨拶に行くのだ」と答えて猫をだまします。(いたずらが好きなネズミが、純粋ないたずら心から猫をだました、という話もあります)
大みそかの夜明け前に、牛が「私はのろまだから、きっと普通に歩いていると間に合わない。今晩の内に出発しよう」と神様の元へ向かいます。
その様子を見ていたネズミは牛の背中に乗り、一緒に神様の元へ。牛は一晩歩き続け、新年の日の出とともに神様の元に一番にたどり着きましたが、門をくぐろうとしたところでネズミが背中から飛び降り、ネズミが一番、牛が二番になりました。
一方、新年の競争を噂で聞いた虎は「競争は本当にやっているのか分からない、無駄かもしれないがやってみよう」と出発し三番目になりました。
鶏は元々神様から「夜明けが来たら鳴いて周囲に朝を知らせる」役割を与えられていました。ところが、元旦の朝に鳴いてしまうと他の動物を起こしてしまい、競争相手が増えてしまいます。
迷った挙句、やはり神様から与えられた仕事はきちんと行わなければ、と思い、夜明けとともに声を上げて朝を知らせました。
鶏の鳴き声で飛び起きた動物たちは次々に神様の元へと急ぎ、虎の後はウサギ、龍、へび、馬、羊、猿、犬が続きました。鶏は鳴いた後にすぐに神様の元へ向かったのですが、猿と犬が喧嘩になったのを仲裁している内に順番が後ろになってしまい、猿、鶏、犬、いのししで12番目までが決定。これらの動物がその年のリーダーである十二支として選ばれました。
ネズミに騙された猫は二日に神様の元に向かうと「今更来て何を言うか、顔を洗って出直してこい」と言われてしまいました。そこで猫はネズミに騙されていたことに初めて気が付き、猫はネズミを追いかけるように、また顔を洗うようになったといわれています。
また、競争に負けてしまい十二支になれなかったイタチは「知らせを知らなかったので、もう一度やり直してください」と神様に文句を言います。すると、神様は「では、お前は月の一番始めにしてやろう」と、毎月一日の事を「ついたち」と呼ぶようになったそうです。
まとめ
いかがでしたか?来年2018年の十二支は酉年です。お世話好きや親切心を象徴している鶏のように、世界全体でも優しさを忘れない年になって欲しいと願いながら締めさせていただきます。