「英語でビジネス経験がある」と言っても、国や業界によって異なるスキルが求められます。また、日本企業の中で日本人だけに囲まれて、取引先や顧客と業務の中だけで英語を使う場合や、さまざまな国籍の人が在籍しており、社内の公用語が英語の場合など、英語使って仕事をしていくにしても、様々なパターンがあります。今回は、そのような中でも様々な国籍の人が集まる環境の中で、お仕事をされたことのあるユリカさんに、
「業界や環境など問わず、英語を使って働く上で重要と感じること」
についてお伺いさせていただきました。
はじめに: どのような環境で英語を使っていましたか?
お仕事内容によっては、英語を話す相手が1つの国籍のみ(例:イギリスにある会社と働いているからイギリス人だけ)、という場合もあると思いますが、私は今まで、”multinational”=「複数の国籍の方がいる環境」で働くことがほとんどでした。
“multinational”な環境で使える英語を身に付ければ、限られた国籍の方だけの環境でも楽しめますので、今回は特に、”multinational”な環境で重要なスキル・求められていると私が思うことを2つ紹介させていただきます。
“Vocabulary”を一生増やし続ける
“vocabulary”を増やし続けることが大事な理由
「えーいきなり学校みたいなこと言わないでよ!もうたくさん単語覚えるの嫌だよ!」と思った方も多いのではないでしょうか。
私も毎日そう思っています。
でも、私はあえて一番最初にお伝えしたいと思いました。
なぜなら、この努力をするか否かが、多国籍な環境で楽しくやっていけるか否かを大きく分けると思うからです。
ではなぜ、”vocabulary”を増やし続けることがそんなに大事だと思うのかというと、”Multinational”な環境では、使う英語も話す内容も様々だからです。
例えば、食べ物の話です。
個人的に、ビジネスの場でも、食べ物の話は、だいたいどんな人とも楽しめて、誰かを傷つけてしまうことも少ない話題だと思って使いまわしています。
まず、国によっていろいろな食べ物がありますし(トンカツ、すし、ラーメンなど)、使う材料も、日本では見たことも聞いたことも無い材料があり、また、同じ食べ物とか材料でも、地域とか国によって呼び方が違うこともあります。
このように、人や機会に会えば会うほど”vocabulary”が必要になることが多いと思っています。
また、”vocabulary”と分かれば楽しいのですが、逆に言葉が分からないと、どんどん会話についていけなくなってしまって、つまらなくなってしまいます。
自分がどんな状況に置かれていても、”vocabulary”を増やし続けることは一生続きますし、必要だと感じています。
どうやって勉強したら良いの?
「”vocabulary”が大事なのはよく分かったよ。じゃあ、どうやって勉強したら良いのか教えてよ!」これが今の皆さまのお気持ちかと思います。
英語に限らず、自分に合う勉強方法は人によって様々です。
絶対的な1つの正解は無いのですが、今回は私がやっている勉強方法を2つシェアさせていただきます。
単語帳
まずは、英検1級くらいまでの単語を単語帳で覚えます。
中高生の皆さまと全く同じです。
これを行う時に、個人的に気を付けていることは、単語を覚えられない自分を責めすぎないことです。
私の場合、無理して覚えた単語はどのみち使えないので、難しいですが、単語の意味が出てこなくても、がっかりしないようにしています。
がっかりするよりも、何度も何度も見るようにしています。
そうして、単語を見て条件反射的に単語の意味とかが出てくるようになったら習得済み!としています。
とにかく実践で覚える
読む、聞く、話す、書くなどの実践を通して、”vocabulary”の数を増やすようにしています。
特に、動詞、形容詞、副詞などは、この方法を使っています。
名詞など文法や文脈によって変化せずに使えるものは、覚えるだけですので単語帳が効果的なのですが、動詞、形容詞、副詞などは、日本語の訳と英語の訳が1対1ではないことが多いため、単語帳だけでは不十分なことが多いかと思います。
その言葉が持っているイメージや範囲みたいなものを理解できないと、使えないことが多いからです。
例えば、”sarcastic”は日本語で「皮肉な」と訳されますが、そもそも”sarcastic”が含む意味は、日本の文化に無い内容も多いのではないでしょうか。
アメリカンジョークなどを例にすると、日本人には意地悪すぎると感じることがあるかもしれませんが、それも文化の違いに由来するものです。(決してアメリカを批判しているわけではありません。)
そのため、とにかく実践で単語を覚えていくのが良い勉強方法かなと思っています。
ここで気を付けることは特になく、とにかく実践する、場数を踏むのみです!
言いたいことを的確かつ簡潔に言う
「言いたいことを的確かつ簡潔に言う」ってどういうこと?
よく学校では、”precisely and concisely”と言われると思います。
これが、私が言いたいことです。
忙しいビジネスの世界で、的確かつ簡潔に言うことはもちろん大事ですが、英語文化では、どこへ行っても(アカデミック、政治などどこでも)、とても重要なスキルだと個人的には感じています。
こんな感じで、どこの世界でもよく言われることなので、「そんなの分かってるよ!」と思われるかもしれません。
“precisely and concisely”の意味を、もう少し深掘りすることで、この重要性や難しさをお伝えできればと思います。
例えば、単語選びです。
皆さまが伝えたい内容に対して、適切な単語を選ぶのです。
知っている単語を何回も使ったり、簡単な単語をたくさん使って長いフレーズを作って説明するのは、この場合は好まれません。
伝えたい内容を一番よく”describe”してくれる単語を選び、説明していくのです。
また単語レベルだけでなく、文章の構成も同じです。
一番短い構成で、相手にクリアに伝わる構成を考えなければいけません。
イメージしにくいと思いますので、一例を上げさせていただきますね。
ChatGPTに練習問題を作ってもらいました。
悪い例:In recent years, renewable energy sources like wind and solar power have become more affordable, leading to a significant increase in their adoption worldwide.
良い例:Nowadays, people have easier access to clean energy as it has become more affordable.
良い例の方が、伝えたいポイントがクリアだと思いませんか?
これが私がお伝えしたかった、「的確かつ簡潔」の意味です。
どうやって勉強したら良いの?
「英語で的確かつ簡潔に言うって難しいね。じゃあどうやって勉強したら良いの?」皆さまの心の叫びはこんな感じかなと思います。
正直なところ、私は”precisely and concisely”に言うことが苦手で、今でも苦労しています。
そもそも今私が書かせていただいているこの記事も、”precisely and concisely”に書けているか分かりません。
私も良い方法は分からないのですが、今私は上司やチームメイト、友だちに、たくさん添削してもらっています。
自分とどこが違うのかメモして、次は添削されたように書いたり話したりしています。
そして、これをひたすら繰り返しています。
今のところ、こうやって少しずつ勉強するのが良いのかな、と思っています。
まとめ
今回は、”multinational”な環境で重要なスキル・求められていると私が思うことを紹介させていただきました。
具体的には、①”vocabulary”を増やすこと、②的確かつ簡潔に言う練習をすること、が重要だと思います。
ビジネスで使う英語はやはり簡単ではないですが、使えるようになるためには練習するしかないので、一緒に頑張りましょう!