世田谷区は高級住宅街を擁し教育熱心な区として有名ですが、その英語教育はどのようなものなのでしょうか。東京都の他の区とは違う特別な英語教育を行っているのかも知りたいところですね。

この記事では、世田谷区の英語教育について深く掘り下げ、世田谷区独自の英語教育の取り組みについて紹介していきます。

世田谷区の小中学校の英語教育

世田谷区の小中学校の英語教育

世田谷区の小中学校の英語教育はどのようなものなのでしょうか。世田谷区の公立の小中学校の英語教育の内容について解説します。

世田谷区の公立小学校の英語教育

世田谷区の公立小学校では、3年生と4年生で「外国語活動」、5年生と6年生で「外国語」という教科として英語が教えられています。

小学5年生から「外国語」の教科化に伴い、授業時数は3・4年生の35時間から倍の70時間に増えます。5年生になると「聞く」「話す」に加えて「読む」「書く」も学び、教科書を使って学習し通知表に成績がつきます。

世田谷区の公立中学校の英語教育

世田谷区の公立中学校では、デジタル教科書などICTも活用した英語教育が行われていますが、学校によって取り組みに違いがあるため、ある公立中学校の英語教育の取り組みを紹介します。

駒沢中学校

英語に関しては、少人数・習熟度別指少導が行われています。少人数・習熟度別指導では、25名以下の少人数で「発展コース」「向上コース」「定着コース」の3つのコースに分けて指導しています。生徒の実態に応じて、「定着+向上コース」と「発展コース」、「定着コース」と「向上+発展コース」という2コース展開もあり得ます。指定されたコースが自分に合わない場合は、もっと力を伸ばせるコースを話し合って、コース変更も可能です。

すべてのコースにおいて学習指導案・教材は同じものを使用しますが、文法事項の説明や題材へのアプローチの仕方、 教員の英語使用量・音読の回数などに変化をつけています。

駒沢中学校の実践例では、「定着コース」をより少数にして、「発展コース」「向上コース」を上限25名のクラス編成にしています。定着コースをより少人数にすることにより、個別指導・反復学習が充実します。

世田谷区の小学生海外派遣事業

世田谷区の小学生海外派遣事業

世田谷区では、小学生の海外派遣事業を行っています。派遣対象は、区内在住の小学5年生(約16名)で、派遣先はオーストラリアのパース市、バンバリー市です。

小学生の海外派遣の目的は、1)訪問国の生活及び文化や伝統について自分の目で確かめ肌で体
験し、国際的視野を広めること、2)外国で生活する人々や現地校の子どもたちとふれあい、人々の生活や文化に対する理解を深めること、3)海外派遣をきっかけに生活習慣の違いや日本の文化・伝統を見つめ直し、外国との違いに対する視野を広めることです。

オーストラリアに派遣された小学生たちは、オーストラリアの2都市でホームステイを体験します。インターネットの普及で、海外の事情についてさまざまなことが学べるようになりましたが、現地を訪れて自分の目で確かめ肌で体験することによってしか学べないこともありますね。

世田谷区の英語イベント情報

せたがや国際交流センターが、さまざまな国際交流の英語イベントを開催しています。世田谷区にはたくさんの外国人が住んでいて、せたがや国際交流センターが世田谷区在住の外国人と日本人が交流できる機会を作り、外国人の日本での生活をサポートしています。

2023年にせたがや交際交流センターが開催した講座やイベントの一部をのぞいてみましょう。2023年12月に「英語でまち歩きツアー」を開催。世田谷観光ボランティアガイドと参加者20名が、3グループに分かれて英語でまち歩きを楽しみました。世田谷八幡宮~豪徳寺~代官屋敷・郷土資料館など世田谷区ゆかりの場所を訪れ、世田谷区の歴史と文化への理解を深めました。

また、世田谷区では、STEAM教育にも力を入れており、STEAM教育講座の中に英語教育も採り入れています。世田谷区内在住または在学の小学2年生~小学4年生とその保護者を対象に、「英語で楽しむ3Dデザイン! オリジナルキーホルダーを作ろう!」というワークショップも開催されました。

世田谷の英会話サークル

世田谷の英会話サークル

世田谷区は、「国際理解教育事業」の一環として、英語を使ったコミュニケーション能力の向上や国際理解を深めるため、外国人講師と楽しむ無料の英語教室を開催しています。「2歳までの乳幼児とその保護者」、「小学生から成人クラス」の無料英語教室です。令和6年度は年間で11回開催される予定です。

乳幼児の親子クラスでは、英語の世界を感じて、楽しみながら英語をインプットし、英語特有の音やイントネーションに慣れます。手遊びでは、リズムに合わせてアクセントを体で覚えます。テンプル大学の講師を招いて、乳幼児からシニアまで全世代まで、すべての世代が楽しめる無料英語教室を開催しており、人気を博しています。

「小学生から成人クラス」では、オールイングリッシュの英語体験プログラムを開催しています。小学生はアクティビティを通して単語や表現を学び、中学生や高校生は英会話に挑戦します。社会人・シニアの方は、英語体験プログラムを通して、久しぶりに英語に触れる機会を持っています。

「参加者の声」が下記のURLに掲載されていますが、かなり満足度が高いプログラムだということが分かります。

参考サイト:https://www.city.setagaya.lg.jp/02428/online_tetsuzuki/3666.html

また、世田谷区には、子どもから大人までを対象にした有料の英会話サークル・教室も8つぐらいあります。1回のレッスンが1000円前後のリーズナブルな料金で、区民センターなどでレッスンが受けられます。「キッズ英語・フォニックス」のレッスンから、「ジャズ・ポピュラーの歌詞で英語を学ぶ会」まで、対象年齢とレッスン内容も多岐に渡っています。

参考サイト:https://crossing-setagaya.com/wp/wp-content/uploads/2020/07/fd519e6bb2178cb71993e51f5d423794-2.pdf

世田谷区の英語スピーチ大会

英語スピーチコンテスト

世田谷区では区立中学校のスピーチコンテストが毎年行われており、中学生の頃から自分の意見をみんなの前で英語で発表するという機会を作っています。

区立中学校のスピーチコンテストだけでなく、私立の恵泉女学園中学・高等学校でもスピーチコンテストが恒例行事として行われてきました。恵泉女学園のスピーチコンテストは、中3から高2までの全生徒が参加するイベントで、日頃の英語学習の成果を発揮して中3生は「暗唱の部」、高校生は「フリースピーチの部」に挑戦します。

恵泉女学園の高1・高2生は、4~5分程度の英語のスピーチ原稿を夏休み中に作成し、9月にクラス内オーディションを実施し、各クラスから選ばれた数人が高1・高2の合同オーディションに進み、さらにスピーチ原稿審査を通過して本選に臨みます。「フリースピーチの部」では、英語の流暢さもちろん大事ですが、それよりもっと評価されるのはスピーチの中身なのだそうです。学生時代にスピーチコンテストを通して鍛えた英語のプレゼン能力は、社会人になってもきっと活かされることでしょう。

まとめ

世田谷区の英語教育について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。世田谷区の小中学校の英語教育、英語イベント情報、英会話サークル、英語スピーチ大会などの実態を通して、世田谷区の英語教育がどのようなものか伝わりましたでしょうか。

世田谷区が「国際理解教育事業」の一環として、英語を使ったコミュニケーション能力の向上のため、さまざまな取り組みを行っていることが分かりますね。