企業のグローバル化が進む中、新入社員の育成において英語スキルの強化は欠かせません。特に、ビジネス英会話や外国人対応スキルを身につけることで、即戦力として活躍できる人材へと成長します。本記事では、新入社員育成の観点から英語教育の効果的な方法を詳しくご紹介します。

新入社員 育成 英会話基礎からのステップアップ

新入社員 育成 英会話基礎からのステップアップ

新入社員の中には、英語に対する苦手意識を持っている人もいます。だからと言って、いつまでも初級英語を教え続けるのは、社員の成長に繋がりません。そのため、英語研修を行う際には、基礎から段階的にスキルを向上させるステップアップ方式が有効です。

英会話初級者から中級者へのステップアップに必要な3つの要素

英会話の初級者を脱して中級者になるためには、次の3つの要素が必要です。

1.語彙力の強化トレーニング

英会話中級者は同じ意味の英単語を何パターンか知っているという特徴があります。日常会話や仕事で使える単語・フレーズを増やし、適切な表現を選べるようにしましょう。また、様々な表現を知ることで、相手の言ったことを理解することにもつながります。
主に仕事に必要な英語習得を狙う場合、業界で使われる英単語を重点的に学ぶ必要があります。単語のみならず、熟語表現やコロケーションを合わせて覚えるとより実用的に運用ができるようになります。
また、同義語の習得もおすすめです。例えば、good の代わりに excellent, fantasticなどと言えますね。「ありがとう」も I appreciate it. / Many thanks! などバリエーションを増やすこともできます。

2. スピーキングの瞬発力向上トレーニング

頭で思い浮かんだ英文を瞬間的に音声として口から発することができるようになると、中級者の仲間入りです。初級者から中級者のレベルに差し掛かると、頭の中で英文が組み立っていることが多いです。そこまできたら、次はその英語をスムーズに話せるようにトレーニングをしていきましょう。

具体的におすすめのトレーニング方法はシャドーイング(英語の音声を真似して発声)です。TED Talksや英語ニュースを聞いて、発音・イントネーションをまねてみましょう。
最初は短いフレーズから始め、徐々に長い文章へ挑戦していきます。スクリプトを見ずにシャドーイングできるようになったら完璧です。

3. リスニングの聞き取り力向上トレーニング

相手の話す英語をスムーズに理解できるようにするためのトレーニングです。リスニング力向上のために必要なトレーニングは2つあります。

・ディクテーション(書き取り)
英語の音声を聞き、聞こえた単語を書き取るトレーニングです。短いフレーズから始め、徐々に長い文章に挑戦していきましょう。リスニング力+スペルや文法の強化にもなるため、英文メールなど文章で英語を使う人にもおすすめです。

いきなり英語字幕の映画などに挑戦してしまうと、難しすぎてしまいます。最初はNetflixやYouTubeで短めで簡単な英語動画を英語字幕で見るようにしてください。慣れてきたら字幕なしで書き出せるか試してみましょう。

・シャドーイング
スピーキング力アップで利用したシャドーイングはリスニング力向上にも役立ちます。正しい発音ができるものは聞き取ることができます。慣れてきたら、TED Talks, BBC Learning English, VOA News などにチャレンジしてみてください。

合わせて読みたい記事
新人教育で英語研修を行う重要性!英語研修のコツや手順も解説

新入社員 育成 語学スキル向上プログラムの設計

新入社員 育成 語学スキル向上プログラムの設計

英語力を着実に向上させるためには、企業ごとにカスタマイズされた語学スキル向上プログラムの設計が重要です。プログラムを設計するには次の3つのフェーズに分けると効率的なものを作成できます。

1. 目標設定:どのレベルの英語力を求めるのか明確にする

英語学習のスタート地点として、どこを目指すのか明確にすることが大切です。目標が不明確だと、学習が続かなくなったり、効果的な学習方法が選べなくなったりします。

ステップ1:現在のレベルを把握する
オンラインテストや英語試験を活用(TOEIC、CEFR、英検、VERSANTなど)し、自分の強み・弱みを分析します。また、実際の会話で困るシーンを振り返ることで弱点が見えてくることもあります。

ステップ2:具体的な目標を設定する(SMARTの法則)
目標設定には SMARTの法則 を活用すると効果的です。

具体的な設定例
S(具体的)    :「1分間で自己紹介ができるようになる」
M(測定可能)  :「TOEICスコアを600→750に上げる」
A(達成可能)   :「毎日10分シャドーイングをする」
R(関連性がある):「海外出張で困らないレベルの英語を習得する」
T(期限を決める):「6か月後までに外国人顧客と英語で接客できるようになる」

ただ「英語を話せるようになる」とするのではなく、「●ヶ月後に●●ができるようになる」と具体的に設定しましょう。

2. 学習スケジュールの作成:無理なく続けられる研修スケジュールを組む

目標を決めたら、次に「どうやって学習を進めるか」を計画します。

ステップ1:学習時間を決める
少なくとも1日30分~1時間の学習時間を確保しましょう。とは言っても、仕事や生活に無理なく組み込める範囲で設定することがポイントです。どうしても忙しい日は スキマ時間(通勤・昼休み・寝る前) を活用し、全く勉強しない日を作らないようにしてください。「朝15分:シャドーイング、夜15分:単語学習」 など、短時間に分けてもOKです。

ステップ2:学習内容を決める
目標達成に必要なスキルを考慮し、バランスよく学習メニューを組みます。

  • リスニング ネイティブの英語を聞く シャドーイング、ポッドキャスト 15~30分
  • スピーキング 口に出して練習する オンライン英会話、ロールプレイ 30分
  • リーディング 英語の文章を読む ニュース記事、英語ブログ 15分
  • ライティング 英語で文章を書く 日記を書く、メール作成練習 15分

毎日同じことをしない」ことで、毎日飽きずに継続しやすくなります。週末に「進捗確認+復習」の時間を確保すると効果UPです。

3. 定期的な評価とフィードバック

テストやフィードバックを取り入れ、進捗を確認しましょう。学習を進めるだけでなく、「どれだけ成長しているか?」を定期的にチェックすることが重要です。

定期的なテストを実施する
TOEICやVERSANTなどの公式テストを受ける(3~6か月ごと)
英会話レッスンで講師にレベルチェックしてもらう
「自己紹介」「仕事の説明」など、自分の話せることを録音して比較する

新人教育で英語研修を行う重要性!英語研修のコツや手順も解説
VERSANT

フィードバックの提供
ネイティブ講師・英語の上級者からのアドバイスを提供します。
「どこが弱点か?」を具体的に伝え、改善策を提供、または受講者自身に考えてもらいましょう。

このような計画的なアプローチにより、英語研修の効果を最大限に引き出せます。

新入社員 育成 英語を活かす実践練習

新入社員 育成 英語を活かす実践練習

英語を学ぶだけでなく、実践の機会も英語力向上には必要となります。学んだ英語を実際に業務で活かせるようにするため、以下のような実践練習が効果的です。

英語でのメール対応

ビジネスメールの書き方やテンプレートを学び、英文メールの送受信を行います。業界によってフォーマットが異なる場合もありますが、比較的テンプレートや流れが決まっているので、初心者でも取り組みやすいです。

英語での電話対応

ある程度英語ができるようになってきたら、英語での電話対応に挑戦してみましょう。まずは海外支社からの電話対応のロールプレイからスタートすると良いです。

プレゼンテーション練習

スピーキング力を鍛える上で、英語でのプレゼンやスピーチは効果的です。業務に直結する実践練習を取り入れることで、即戦力としてのスキルを磨くことができます。事前に準備ができることも、初心者にとっては安心ですね。

新入社員 育成 オンライン英語研修活用法

新入社員 育成 オンライン英語研修活用法

オンライン英語研修を活用することで、時間や場所に制約されることなく学習を進めることができます。コストを抑えながらも効果的な学習が可能であり、多くの企業で導入が進んでいます。

おすすめの活用法を以下に紹介します。

録画講義の視聴

何度でも見返せるため、理解を深めやすいです。倍速で視聴できると時間も短縮でき、より効率的に学習が行えます。

オンライン英会話レッスン

マンツーマンで実践的な会話スキルを磨くことができます。実際のネイティブ相手に英会話をすることで英会話に対する抵抗感をなくし、リアルなリアクションも学ぶことができます。

Eラーニング教材の活用

クイズやリスニング課題を通じて楽しく学ぶことができます。スキマ時間で実践しやすいので、時間対効果を高めることができます。

新入社員 育成 外国人対応能力の強化

外国人顧客や海外の取引先とのコミュニケーションが増える中、外国人対応能力を高めることが求められています。そのため、以下のトレーニングが有効です。

これにより、新入社員は外国人対応に自信を持ち、スムーズな業務遂行が可能になります。

異文化理解研修

国ごとの文化やマナーを学び、円滑なコミュニケーションが取れるようにしましょう。会話の中でいまいちお互いが理解していないというときは、文化の違いによるも誤解が生じている場合があります。

実際のケーススタディ

過去の事例をもとに対応方法を学びましょう。そのシチュエーションで、英語でどのように言ったら良いかを考えることで対応力高め、英語表現力の幅を広げることができます。

シミュレーション形式のロールプレイ

外国人役の講師と実践的な会話を行います。ミーティングや商談など仕事に直結する内容で行えると、関連する用語も同時に習得できます。

新人 育成計画 国際業務対応力の育成

新人 育成計画 国際業務対応力の育成

新入社員を将来的に国際業務に携われる人材へと育成するためには、長期的な計画が必要です。

このような計画的な育成により、将来の国際業務を担う人材を育てることができます。

ビジネス英語のスキルアップ

専門用語やプレゼン能力を高めます。特に新人社員の場合、業界用語を知ることで一気に英語運用能力が上がることがあります。

海外研修や短期留学の機会を提供

実際に海外での経験を積ませましょう。海外支社への派遣、視察など、現地のスタッフとの触れ合いにより、英語力だけでなく、異文化理解をうながすことが期待できます。

グローバルプロジェクトへの参加

海外拠点の社員との共同プロジェクトを経験させるのも効果的です。英語力向上に一番効果的なのが、やはり英語で仕事を進めることです。

まとめ

新入社員の育成に英語研修を取り入れることで、即戦力となる人材を育成できるだけでなく、企業全体の競争力向上にもつながります。英語スキル向上のための研修やオンライン学習の活用、外国人対応能力の強化を通じて、グローバルに活躍できる人材を育てていきましょう。