「エッグタルト」は、濃厚なカスタードとサクサクのパイ生地が何とも幸せな気持ちにさせてくれるマカオのお菓子です。
中国の二大都市、マカオと香港では、一番人気のスイーツといっても過言ではないほど、多くの人々から愛されています。
日本でも一時期大流行したので、知っている、もしくは食べたことがある人も多いのではないでしょうか。
今回は、こってりとした甘さが魅力の「エッグタルト」の歴史を紐解き、英語での表現や現地おすすめのお店、マカオ政府観光局の公式レシピをご紹介します。
マカオの「エッグタルト」とは
マカオの「エッグタルト」は、卵をたっぷり使った甘いカスタードをサクサクのパイ生地に入れて、表面をこんがり焼いたお菓子です。
マカオをはじめとする中華圏では非常に有名なお菓子である「エッグタルト」は、じつは、ポルトガルのお菓子「pastel de nata(パステル・デ・ナタ)」が発祥といわれています。
1980年代、イギリス人のアンドリュー・ストウ氏が、「パステル・デ・ナタ」のレシピに、イギリス風タルトの要素を加えてアレンジしたのが始まりです。
オリジナルレシピで完成したタルトをマカオのお店で売り出したことで、評判になり、多くのファンが集まりました。
日本では1999年頃に一大ブームが巻き起こり、マカオスイーツの定番=「エッグタルト」として、今でも広く知られています。
発祥の地ポルトガルはもちろんのこと、珠江河口を挟むマカオと香港では、それぞれにバリエーションやこだわりがあり、世界中の人々が「エッグタルト」の美味しさに魅了され続けています。
「エッグタルト」の歴史
「エッグタルト」のルーツになった「pastel de nata(パステル・デ・ナタ)」は、18世紀より前、首都リスボンのベレンにあるジェロニモス修道院の修道女たちが作ったのが始まりといわれています。
マカオで「エッグタルト」を創業したのは、イギリス人のアンドリュー・ストウ氏。
本場ポルトガルのレシピをイギリス風タルトにアレンジしたことがきっかけで、今やマカオを代表する大人気スイーツへと進化しました。
マカオで誕生した「エッグタルト」は、その後香港や広州などへも広く定着していきます。
広州では、お店の名物となる点心やデザートの新商品に力を入れていて、「エッグタルト」もその一つとしてアレンジを加えたレシピが生み出されました。
「エッグタルト」のカスタードは、中華料理のクレームブリュレ(燉蛋)と似ており、パイ生地は高価なバターの代わりとして、ラードを使っていたのではないかといわれています。
マカオや香港では、やがて点心店やベーカリー、アフタヌーン・ティー(下午茶)の定番メニューとなっていきました。
現在も、マカオの多くのレストランやカフェでは、定番のデザートとして「エッグタルト」が販売されています。
その場ですぐに焼き立てを味わえるテイクアウト、またお土産物用の真空パックタイプも観光客から人気です。
「エッグタルト」の英語表現
マカオの「エッグタルト」は、英語で”Cotai Egg Tart”や”Portuguese Tarts”などと表現されることが多いです。
- Cotai Egg Tart(コタイエッグタルト)
- Portuguese Tarts(ポルトガル風エッグタルト)
- egg tart(エッグタルト)
- custard tart(カスタードタルト)
辞書では以下のように定義されており、卵を使ったカスタードを詰めたお菓子として広く知られています。
a small pastry case filled with egg custard
カスタードを詰めた小さなお菓子の器
「エッグタルト」の英語例文
マカオではエッグタルトが有名で、毎日行列ができています。
エッグタルトが大好きで、毎日でも食べたいくらいです。
彼女は、パーティーのためにエッグタルトをたくさん焼きました。
マカオでおすすめの二大「エッグタルト」
マカオのシンボル聖ポール天主堂跡や338mのマカオタワー、夜景のきれいなセナド広場なども良いですが、マカオへ来たら「エッグタルト」を食べずには帰れません。
マカオで誕生した本場の「エッグタルト」は、ぜひ現地であつあつの出来立てを味わいたいものです。
こんがり焼けたパイ生地と、とろとろのカスタードが絶妙なハーモニーを生む、魅惑の「エッグタルト」が味わえるマカオの人気店を紹介します。
Lord Stow’s Bakery
「エッグタルト」の元祖、Lord Stow’s Bakery(ロード・ストウズ・ベーカリー)は、「アンドリューのエッグタルト」として日本でも大変有名なお店です。
マカオでは7店舗を展開しており、観光客には非常によく知られている人気グルメスポットで、どの店舗でも毎日行列ができています。
創業者アンドリュー氏が「fresh, healthy, natural」を追求して誕生した最高品質の「エッグタルト」を堪能できます。
アンドリュー氏の亡き後は、妹のアイリーン氏と娘のオードリー氏が受け継ぎ、丹精込めて手作りした出来立ての「エッグタルト」を提供しています。
Margaret’s Café e Nata
Margaret’s Café e Nata(マーガレット・カフェ・エ・ナタ)は、アンドリュー・ストウ氏の元奥様が開いたお店です。
地元では「マーガレット」とも呼ばれており、甘さ控えめでプリンのようなフィリングが多くの人々を虜にしています。
テイクアウトもイートインも可能なので、店内でゆっくり味わってから、お土産に持ち帰りする人も多いです。
マカオ半島の繁華街から比較的近く、アクセスも良いので、平日は仕事の合間に立ち寄る女性たちで賑わい、週末には朝から観光客が行列を作る人気スポットになっています。
うっとりするような甘美な香りに誘われ、一度食べたらやみつきになるほど美味しいマカオの「エッグタルト」。
こんがり焼かれたサクサクのパイと、とろける濃厚なカスタードは、食べるたびに悶絶してしまうかもしれません。
マカオを訪れた際には、行列に並び、出来立ての「エッグタルト」を心ゆくまで堪能してくださいね。
「エッグタルト」の再現レシピ
最後に、美食の街マカオの魅力をお届けするマカオ政府観光局がクックパッドで公表しているオリジナルのレシピをご紹介します。
マカオの「エッグタルト」を市販パイシートを使って再現できるので、ぜひ試してみましょう!
材料
【タルト生地】
・市販のパイシート 1パック4枚程度
(プリン型を用意)
【カスタードクリーム】
・牛乳 500ml
・砂糖 200g
・小麦粉 50g
・レモンの皮 1/2個分
・シナモンスティック 1本(お好み)
・全卵 1個
・卵黄 5個分
【トッピング】
・シナモンパウダー 適量
作り方
- パイシートをすき間を開けないように端から筒状に巻いて、一切れが25gくらいになるように包丁で切る。
- プリン型の中央に切ったパイシートを置いて、薄さが均等になるように親指で生地を伸ばしていく。
- 鍋に牛乳、砂糖、小麦粉、レモンの皮、お好みでシナモンスティックを入れて弱火にかける。
- 鍋底を焦がさないようにふつふつと煮る。
- 沸騰したら火を止めて、10分休ませる。
- レモンの皮とシナモンスティックを取り除く。
- ボウルに全卵と卵黄を溶いて、鍋のクリームと混ぜ合わせ、漉し器に通してダマを取り除く
- クリームをパイシートに流し込み、240℃で予熱したオーブンで焼く。
(焼き時間はオーブンの種類によるので、加減をみながら)
もちろん焼き立てが最高ですが、冷めてもまた違った美味しさがあります。
お好みでシナモンパウダーをかけて、淹れたてのコーヒーと一緒にいただくのも格別ですよ。
まとめ
甘い香りとこってりとろけるカスタードが世界中の人々を夢中にさせるマカオの「エッグタルト」について、その誕生と歴史から、英語での表現の仕方、現地おすすめのお店、そしてマカオ政府観光局の公式レシピを紹介しました。
ポルトガルで発祥したマカオの「エッグタルト」は、イギリス人の創業者アンドリュー・ストウ氏のアレンジによって生まれました。
マカオを経由してアジアを代表するスイーツに成長した「エッグタルト」は、世界各国からその美味しさを求めて多くの観光客を呼び込んでいます。
マカオを訪れたら、ぜひ本物の「エッグタルト」を存分に味わってみたいものですね。
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