東南アジアの南部に位置する国インドネシア。非日常的な時間やバリ島などの美しい海を求め、多くの外国人が訪れる国でもあります。
海外の人にとっては、ナシゴレンやミーアヤムなどのインドネシアのグルメも魅力です。しかし、インドネシアのお菓子についてはそれほど知らないという人が多いのではないでしょうか?
この記事では、インドネシア発祥の美味しいお菓子「レイヤーケーキ」を紹介します。日本でも人気のあのお菓子に似ています!
インドネシアの概要
まず、インドネシアについて簡単な概要を紹介します。
2024年のデータでは日本からインドネシアを訪れた観光客は29万人以上と言われています。
インドネシアの概要を紹介
約18,000もの島々から成り立つ国家がインドネシアです。首都はジャカルタ、国土は日本の約5倍です。人口は約2.79億人、約500の民族が暮らしています。インドネシア語が公用語としてありますが、その他英語を含む500以上の言語が使われています。このようなバリエーションに富む文化が存在することは大変魅力であり、多くの外国人を惹きつけています。
そして、インドネシアといえば素晴らしい自然をイメージする人が多いでしょう。熱帯雨林、火山、そしてビーチなどがインドネシアの豊かな自然を作っています。
インドネシア人は気が利いたり、家族を大事にするところがあります。大丈夫という意味のティダアパアパ精神をもち、細かいところにあまりこだわらない寛容さも持っています。
オランダによる影響を受けたインドネシア
オランダによるインドネシア植民地支配は1602年~1798年、そして1799年~1949年に分かれます。かつては、オランダ領東インドと呼ばれた領域が1949年12月27日、インドネシアとして正式に生まれ変わりました。
このオランダとの歴史的背景は、後ほどレイヤーケーキの話にもつながっていきます。
インドネシアのお菓子「レイヤーケーキ」
ある程度インドネシアのことが分かったところで、本題のレイヤーケーキについて紹介を始めましょう。
レイヤーケーキとは?
レイヤーケーキはlayer cakeと表現されます。thousand layer cakeと呼ばれることもあります。layerには層や積み重ねなどの意味があり、洋服を重ね着するときも使われる言葉です。このlayerにレイヤーケーキのヒントがあります。レイヤーケーキは何層もの層が特徴のケーキだからです。thousand layer cakeという名前で呼ばれることがありますが、この特徴をよく表しているでしょう。
日本でも人気のあのお菓子と冒頭に書いたのは、ドイツで生まれたバウムクーヘンのことだったんですね。バウムクーヘンが持つ層の見た目とほぼ同じですが、違う点はバウムクーヘンは木の年輪をイメージする円形であるところ、レイヤーケーキは四角形シェイプにも作られるというところです。
レイヤーケーキってどんな味?
バウムクーヘンはしっとりとしていてバターの風味が美味しいお菓子です。一方、レイヤーケーキは少し異なる味わいがあります。それは複数のスパイスによる味です。スパイスにはカルダモン、シナモン、ナツメグ、クローブといったものが使われ、これらがレイヤーケーキの味のアクセントになっています。スパイスに加えて、高品質のバター、卵、コンデンスミルク、砂糖、小麦粉がレイヤーケーキの材料となります。
訳)インドネシアのレイヤーケーキは、ミックススパイスとバニラのあたたかいフレイバーが層状に焼き上げられた、濃厚でしっとりとしたバターケーキです。
ちなみに、インドネシアの伝統的なレイヤーケーキのレシピでは、卵黄がなんと25個も使われるものがあります。
オリジナルのレイヤーケーキに合わせ、プルーンを一緒に焼くタイプも定番です。他にもチョコレートやチーズ味など、そして少し変わったフレイバー付きのレイヤーケーキには、フルーツの王様・悪魔のフルーツと呼ばれるドリアンがあります。
オランダのケーキが起源のlayer cake
レイヤーケーキのことをインドネシア語ではspekkoekあるいはlapis legitと表現します。そして、レイヤーケーキはそもそもオランダの影響を受けたお菓子です。
オランダ起源のスパイスケーキ
オランダによるインドネシア植民地支配という歴史を紹介しましたが、インドネシアやインドとの貿易で栄えたオランダには多くのスパイスが入っていきました。オランダのケーキはずっしり重く、またスパイスが効いていることが特徴ですが、このような歴史的背景に基づいています。オランダ起源のスパイスケーキをインドネシア語でspekkoekあるいはlapis legitと呼んでいます。そして、spekkoek、lapis legitがレイヤーケーキを指し、これはもともとオランダ人行政官の妻たちが作ったものと言われています。
いずれにしても、インドネシアのレイヤーケーキはオランダ人が作っていたケーキのレシピが元となってできました。西洋のケーキ作りの技術と、インドネシア地元のスパイスが融合されたお菓子なのです。
レイヤーケーキのブランドを紹介
最後に、美しく美味しいインドネシア伝統のレイヤーケーキを扱うブランドを紹介しましょう。
レイヤーケーキのブランド2選
レイヤーケーキは自分で作ることも可能ですが、かなりの忍耐が必要となります。そこで購入する際のおすすめを紹介します。
まずはThe Happy Bakeryです。南ジャカルタで1976年に設立され以来、レイヤーケーキ専門の人気ベーカリーとして多くの人が訪れます。
そしてHolland Bakeryも間違いなく美味しいレイヤーケーキに出会うことができます。Hollandはオランダを意味しますね。
レイヤーケーキのケーキミックス
それでも自分でレイヤーケーキを焼いてみたいという方には、Pondanブランドのケーキミックスが便利です。Pondanは1978年設立のインドネシアの食品ブランドで、ケーキ・クッキー・プリン・アイスクリームなどのデザートを気軽に作れるプレミックスを製造販売しています。
Pondanのウェブサイトには商品情報以外に、レシピも掲載されています。
まとめ
本記事では、インドネシアの伝統的なお菓子レイヤーケーキを紹介しました。バウムクーヘン好きな日本人は多く、インドネシアのスパイスの香りのついたレイヤーケーキも口に合うと考えらるでしょう。何層もの美しいパターンとスパイスの香りが美味しいレイヤーケーキ、一度食べてみたいですね!
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