海外の小学校にお子さんを通わせる場合、または将来的にでも興味がある方はprimaryという単語を知っておくことをおすすめします。また、primaryは医療の場で使われる言葉でもあります。では、primaryの意味とはどのようなものなのでしょう?
この記事では、英語primaryについてその意味や使い方を紹介します。primaryの同義語や、イギリスの小学校事情もお届けしましょう。
primaryの意味
primaryには複数の意味があります。さっそく、語源とともに紹介しましょう。
primaryの意味と語源
primaryには形容詞と名詞の意味があります。読み方はカタカナ語でプライマリーまたはプライメリィのような感じにします。以下、形容詞と名詞として主に使われる意味を紹介します。
【形容詞のprimary】
最初の・一番目の(表や並び)
最初の・当初の(時間)
初期の(発達段階)
最上位の(重要度や順位)
初等の・初級の(教育)
【名詞のprimary】
最初のもの・1番目のもの
最重要のもの・第1位のもの
基本的なもの・本質的なもの
どうでしょうか?いずれも最初だったり初期を表すのがprimaryということが分かります。
primaryの語源ですが、第一という意味のラテン語primusです。関連用語でprimarilyがありますが、これは副詞です。
さらにprimaryに対して、2番目のというときにはsecondary(セカンダリィ)になります。
primary schoolの意味と使い方
それでは、冒頭にもあったように海外の小学校を表現する際に使われるprimaryを紹介します。
primary schoolとは?
primaryの意味を紹介した際、形容詞で「初等の・初級の(教育)」というものがありました。このことから、初等教育の学校=primary schoolであり、この意味は「小学校」となります。
筆者の住むイギリスでは、primary schoolは5~7歳と7~11歳の2部にわけた年齢が対象です。ちなみに、その年に5歳になる4歳児ではレセプションという学年があります。イギリスの小学校事情については、また後ほど紹介しましょう。
primary schoolの使い方
primary schoolはprimaryだけでも通じます。ここで、例文で使い方をみてみます。
訳)私は小学生です。
訳)息子はビクター・シーモア小学校に通っていて1年生です。
小学校に通うと言いたいときには、この例文のようにgo to ◯◯ Primary Schoolで表現します。イギリスでは1年生をyear 1、2年生をyear 2のように言います。
訳)小学校まで、歩いて15分かかります。
訳)娘はこの夏に小学校を卒業し、9月からセカンダリーに通い始めるんですよ。
イギリスを含め、海外の多くの国の新学期は9月スタートです。
primary schoolとelementary schoolの違い
小学校というときに、英語の授業でelementary schoolと学んだ人もいますね。では、primary schoolとelementary schoolの違いとはどこにあるのでしょう?
primary schoolとelementary schoolの違い
形容詞elementary(エレメンタリィ)には「基本の・初歩的な・簡単な」という意味があります。そして、elementary schoolでやはり「小学校」の意味で使用されます。
同じ意味を持つprimary schoolとelementary schoolは、前者がイギリス英語、一方後者はアメリカ英語という違いがあるのです。elementary schoolには、6~11歳の児童が通います。
訳)アメリカに移住することになり、シカゴで子どもたちのための小学校を探し始めました。
このような状況のご家族にとっては、英語力をなるべくあげておく必要があります。
イギリスの小学校事情
ここで、息抜きにイギリスの小学校事情を紹介しましょう。
小学生たちがどのように小学校生活を過ごしているかイメージしてみてください。
イギリスの小学校生活
5・6~11歳が通うイギリスの小学校では学年をYear 1~Year 6と呼びます。生徒は制服があることがほとんどですが、教師は自由な服装で夏になれば明るい色のワンピースで教鞭をとることもあります。
朝は8時過ぎに登校し、下校は15時過ぎという時間割です。保護者やチャイルドマインダーが登下校の送り迎えに大きな役割を持ちます。条例により、イヤー5くらいまでは子供達が自分で登下校することはできず、筆者も8年間毎日一緒に学校に行きました。
ランチタイムはキャンティーンと呼ばれる食堂で皆でワイワイ食べます。日本のキャラ弁とは程遠いシンプルな食事です。しかし、イヤー2までは朝の果物や野菜、給食が無料で提供されるところは素晴らしい取り組みです。
クラスは算数や英語など科目によって成績別でグループ分けられ、日本と大きく異なります。また教科書というものがなく、プリントが配られて授業が進みます。
このように、日本とイギリスの小学校生活は多くの違いがあります。逆に、日本の小学生が自分たちで掃除をしたり、給食の係りを担当したりすることを話すと、こちらの人々は感心します。
医療のprimary
ここからは、小学校からガラリと変わって、医療分野でprimaryがどのように使われるのかみていきます。
医療におけるprimaryとは?
primaryには「最初の・当初の・初期の」という意味がありました。このことから、心身に不調が起こった際にまずかかる医療もprimaryで表現します。
primary care
primary care(プライマリーケア)というフレーズがあります。これは普段から相談に乗り早い段階で診てくれるような医療を指し、イギリスのかかりつけ医制度もprimary careのひとつになります。
ここで、イギリスのNHS Englandのウェブサイトからprimary careサービスについて紹介します。
※NHS=National Health Service(国民保健サービス)
訳)プライマリーケアサービスは、医療システムの最初の窓口となり、NHSの「フロントドア」として機能します。プライマリーケアには、一般診療、コミュニティ薬局、歯科、検眼(目の健康)サービスが含まれます。
ここでプライマリーケアが最初の窓口である「フロントドア」とまで述べていることからも、primaryの意味を理解することができます。
引用:NHS England “Primary care services”
Primaryの同義語
最後に、primaryの同義語はいくつかあります。それらを簡単にみていきましょう。
primaryの同義語紹介
first 第一の・最初の
chief 最重要の・根本的な
main 主要な
leading 1番の・首位にいる
principal 第一の・もっとも重要な
firstに関しては、NHSの例でthe first point of contactとして「最初の窓口」という訳もありました。
一方、対義語にはlast/finalなどが挙がります。
まとめ
形容詞のprimaryには、最初の・一番目の、最初の・当初の、初期の、最上位の、初等の、などの意味があります。
イギリスの小学校もprimary、医療システムの最初の窓口としてもprimary careです。生活に関係するprimaryをぜひ覚えましょう。
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