日本語では一言で「課題」言えてしまいますが、英語ではどのような課題なのか、どのようなシチュエーションなのかで適切な単語の「課題」を使い分ける必要があります。しかし一言に課題と言っても「今日中に終わらせなきゃいけない課題がある」「課題が山積している」「5キロやせることがこの夏の課題」など使用用途は多岐にわたります。

中学生や高校生の時は、課題というよりは宿題と言っていませんでしたか?それが大学生になると宿題よりも課題を使うようになり、そのまま社会人になっても課題を使うことが多くなっていきます。

今回は特に使用頻度の高い学習シーンとビジネスシーンで使える「課題」を掘り下げていきます。それぞれの違いを意識して使い分けられるようにしていきましょう!

それぞれの単語が持つ「課題」の意味

あわせて使える役立つ動詞

仕事でも使うことの多い「課題」ですが、どのような種類の課題なのかによって、使う単語も違ってきます。ビジネスシーンでもよく使われる「task」「assignment」「issue」「problem」「business」「challenge」これら6つのすべて「課題」と訳すことができます。この6つの単語それぞれの違いと用途、学習シーンとの使い分けについて説明していきます。

task (作業、与えられた仕事)

課題と訳す時に使うtaskは「義務であること、誰かから与えられた課題」という意味も持つので、仕事でしなければならない課題として使える単語です。日常的な業務レベルで、与えられた軽めの作業、仕事を指します。

Aさん
After vacation a bunch of tasks are waiting for me it’s very depressing.
訳)休暇明けは山積みの作業が待ってるから憂鬱。
Aさん
These tasks are easy and nothing complicated but need to spend a lot of time.
訳)この課題は簡単だし何も難しいことはないんだけど、結構時間がかかるんだよね。

assignment (割り当てられた仕事)

最小単位ですぐに実行に移せる作業や課題の「task」とは違い、assignmentは「任務」「責任を任された仕事」といったように、「task」より責任が大きめの課題に使います。上司から割り当てられた遂行すべき任務に使われるのが「assignment」です。また「assignment」は学校での課題や宿題といった意味でも使うことができ、「homework」と置き換えが可能です。

Aさん
The president gave me an assignment it’s a challenge but I’m motivated he is counting on me so much.
訳)社長からけっこう難しい課題を任されたんだけど、僕への期待も高いしやる気が出てくるよ。
Aさん
I have the assignment to make better communication between members.
訳)社員間のコミュニケーション向上の課題を任された。

学校例 (assignment)

Aさん
I have an assignment from science that I have to finish this week.
訳)今週中に終わらせなきゃいけない科学の課題がある。

学校例 (homework)

Aさん
I have reading homework for 20 pages in a few days.
訳)この何日かで終わらせなきゃいけないリーディングの宿題が20ページ分ある。

homework(宿題)は日本と同様に英語圏でも、中学生や高校生までが使うイメージで、大学ではassignment(課題)を使います。

problem (解決すべき問題)

problemは「問題」ですよね。これも仕事においての課題として使うことができます。「答えるべき課題」「解決すべき問題」など、なるべく早く手を付けて解決したい課題、あまり先延ばしにしたくない課題を表現したいときに使います。

Aさん
We have a problem the members are unexperienced.
訳)我が社の課題は社員の経験不足だ。
Aさん
This is not an urgent problem for now but It will be big if we don’t find a solution.
訳)今のところ早急に解決すべき課題ではないが、解決策を見出せなけれな後に大きな問題となる。
Aさん
Any ideas for resolving the problem?
訳)誰か、この課題の解決案は?

issue (議論・検討されるべき問題点)

issueも「問題」と表現できます。ではproblemとは何が違うのでしょう。日本語の「問題」と同じように使えるproblemは強いネガティブな印象があります。原因がはっきりしていることが多く、悪い方向に物事が進むことが明らかな場合にproblemがよく使われます。それに対しissueには「論点・議題・争点」などの意味も含まれます。つまりその問題に対して解決策をひたすら模索するproblemとは少し違い、issueは「議論または検討されるべき課題」です。イメージとしてはproblemよりも大きく深刻な問題、賛成反対など様々な意見を参考にしたうえで、解決に結びつく課題といえます。

Aさん
She has a serious problem with her stomach it has a tumor possible to become cancer.
訳)彼女は胃にできた腫瘍ががんになるかもしれないという、深刻な問題を抱えている。
Bさん
Then, why don’t you take it out?
訳)じゃあ取り出せばいいんじゃないの?
Aさん
There is another issue with the immune system so we need to figure it out first.
訳)それが彼女の免疫システムにまた別の課題があって、まずはそっちを解決しなきゃいけないんだ。

issueは日本でもビジネス用語としても浸透しておりissue=問題、課題という訳が日本語としては定着しています。しかしそれ以外に「発行する、交付する」など「物事が外に出る」といった意味でも使われる単語です。例えば会社の経費削減についての討論、国会で挙げられる議題など、会社や組織の中で論点として外(公の場)に出てきた議論されるべき問題点です。
例文の中で、胃に腫瘍がある問題をissueではなくproblemと表現していますが、個人の身体的もしくは内面的な問題には通常problemを使います。免疫システムに関する問題は、後になって浮上してきた問題であり、なおかつどのように解決すべきかを周りの人と検討する必要があることからissueが使われています。

business (真剣に取り組むべき課題)

buisinessでと聞いて思い浮かぶのは「仕事、事業、企業」などの意味ではないでしょうか。英語ではbuisiness hour, buisiness trip, buisiness peosonなど、日本語で使う「ビジネス」よりも幅広く使われます。buisinessを使用する際の課題は、片付けなければいけない仕事、つまり「用事、面倒ごと」

Aさん
I’ve got a business in New York for a couple of weeks and leaving next Tuesday.
訳)数週間ニューヨークでしなきゃいけない用事ができたんだ。来週の火曜には発たないと。
Aさん
Ok, chatting is over let’s get down to business!
訳)おしゃべりはおしまいにして課題に取り掛かろう!
Aさん
This is my business I’ll cope with it.
訳)これは私の責任なのでしっかり対処します。

よく「This is not your business」などと聞いたりしますが、これには「あなたには関係のないこと」「ほっといて」などの強い拒絶を意味します。businessという単語と使うからといって容易にビジネスシーンに使えるフレーズではないので注意が必要です。類似するフレーズで「Mind your own business」でこちらも「(ひとのことはいいから)自分のことを気にかけろ」「お前が気にすることじゃない」などといった意味になります。このようにbusinessの単語は仕事や商売よりも広い、自分の課題、自分の事柄などという使い方もします。

challenge (困難だがやりがいのある課題)

日本語では、新しいことに取り組む、チャレンジする、挑戦するなどの意味で使われ英語圏でも同じです。ここで課題の意味で使うchallengeは解決法や答えを見出す課題とは違い、自分の能力を試される課題、目の前に立ちはだかる難しい問題といったニュアンスで使います。

Aさん
Many challenges facing business leaders.
訳)ビジネスマンが直面している多くの課題。
Aさん
We had to change our product better but less cost it was a challenge.
訳)コストを抑えて商品をよりよくしなければいけない、それは大きな課題だった。
Aさん
Our first challenge was researching demanders.
訳)私たちの最初の難題は需要者についてのリサーチだった。

「課題」の英単語と一緒に使える動詞4選

あわせて使える役立つ動詞

「課題に取り組む」「何かを対処する」といった表現をしたいときに、覚えておくと便利な動詞です。これらの意味がわかると、ニュースなどを聞いたり読んだりしていても一気に理解の幅が広がります。これを機にインプットしておきましょう!

address「対処する」

addressは「住所」だけではありません。動詞でのaddressは「対処する」「取り組む」といった意味で、issueやproblemと一緒に使われます。

Aさん
We will address this issue as soon as possible.
訳)この問題に迅速に対応します。
Aさん
Is your company addressing the global warming issue?
訳)御社は地球温暖化問題に取り組んでいますか?

handle「対処する/対応する」

handleは車の日本語では車やバイクなどのハンドルのことを指しますね。しかし実はハンドルは和製英語だということをご存知でしたか。ハンドルは英語では「steeling wheel」といいます。「handle」は操作する、操縦するなど行く先を自分の手で操る意味から、対処、対応するという意味でも使われます。

Aさん
There are so many things going on I can’t handle it anymore.
訳)対処しなきゃいけないことがありすぎて、もう手に負えない。
Bさん
I have experience with this. let me handle it.
訳)これについては経験があるんだ、僕に対処させてくれ。

「私にさせて」という意味で「let me do this」や「let me try it」と言うのもいいですが、立往生したところにさらっと「let me handle this」が出てきたらかっこいいです!もちろん自信のあることに限ってです(笑)

engage「携わっている」

エンゲージリングなどのように、日本でもengageの単語は「婚約」の意味で浸透しています。単語の持つイメージとしては、2つのものごとががっちりとかみ合う、惹かれ合うようにしっかりと向き合う状態などです。このように何かうひとつのことに集中していたり、熱心に取り組んでいたりする意味でもengageが使われるのも想像に難しくありません。be動詞+過去形の形容詞として使われることが多いです。

Aさん
I’m engaged in a new project.
訳)新しいプロジェクトに(深く)携わっている。
Aさん
I called him 3 times but he was so engaged with his task and didn’t hear me, so I called him loudly then finally.
訳)彼を3回読んだのに、作業に集中して全然気づかないんだもん。大きい声で呼んだらやっと気づいた。

undertake「着手する」

undertakeは引き受ける、着手するといった意味を持ちます。しかし引き受ける仕事の中でも、軽作業と呼ばれるものではなく、責任が大きいものや難しい仕事を引き受けるときに使います。

Aさん
Tom undertook the project as a team leader.
訳)トムはチームリーダーとしてプこのロジェクトを引き受けた。
Aさん
Some Universities undertake a study on children’s sleep behavior.
訳)いくつかの大学は子どもの睡眠動作の研究に着手する。

「取り組む」に関する英語表現はこちらでも詳しく紹介されています。

まとめ

あなたの探していた「課題」は見つかりましたか?最初は単語だけでは想像に難しかったのが、一般的に広く知られている以外の意味や、その単語のもつイメージをを知るだけで、その単語に対する認知が一気に深まります。

例えば本文にも出てきた「address」は膨大な住所の中から、ひとつの場所を割り当てるスポットの意味での「住所」となります。「addressed me」で「私宛」の意味にもなります。日常であまり使うことはありませんが「声をかける」「演説する」といった意味も持ちます。なぜaddressで演説?と思うかもしれませんが、影響力のある大きな存在が一点(聴衆)に向けてスピーチを届けるイメージが湧けば「The emperor addressed the nation.」「天皇が国民に向けてスピーチした」の文章もうなずけませんか?

このように「言葉の持つイメージ」を汲み取るとこも、英語学習においては大変効果的です。辞書で調べて単語の意味を知るだけで腑に落ちないときも、その裏にある言葉の印象について考えてみるのもおすすめです!