ビジネス英語を習っていると特に、英語で「株式会社」をどう表記するのか迷うことがあります。メールで表記したい時など、どうしたらいいのか困っている方はいませんか?また、立ち上げた自分の会社の英語表記を作ろうと思った時に、どの表記を選んだらいいかわからないということもあると思います。仕事で海外の会社とよくやりとりをするいう時に迷わず理解できるようこちらでまとめたので、ぜひ最後まで見ていってくださいね。
株式会社に相当する英語はない!?
そもそもの話ですが、実は株式会社というのは日本独自の会社形態になるため、これに相当する英単語はないという言い方もできます。似たような単語ならあるものの、それぞれの会社形態が異なるため単語の意味を理解しておいた方が良いでしょう。
もし日本の株式会社を英語で表記するなら、「Kabushiki gaisha」か「Kaibushiki kaisha」となります。ベンチャー企業などが海外進出をする場合などは、略称を使って「K.K」を使いますが、英語圏に株式会社は知られていないため通じません。英語は日本語がわからない人に向けた表記になるのですから、本格的な海外進出を考えているならちょっと及び腰になるかもしれませんね。もし「K.K」を使うとしたらこんな感じです。
英会話上手くなりたい株式会社:EikaiwaUmakuNaritai K.K.
プログラミングアドバイザー株式会社:programmingAdvisor K.K.
一般的には「Co., Ltd」が人気
株式会社であることを海外の人にも知らせる表記にしたいなら、「Co., Ltd」や「Co. Ltd.」がおすすめです。日本の株式会社がよく使うもので、やはり厳密に言うと株式会社という会社形態を表すものではありませんが、近いところはあります。そもそも「Co., Ltd」「Co. Ltd.」は”company limited”の略なので、日本語訳すると「制限された会社」という意味になるのです。
日本では人気の高い表記方法ですが、しかしながら最近は西洋ではこれを使っている企業が減ってきました。アジアではよく見かけるので、世界進出する時にどの地域に進出するのかによって「Co., Ltd」「Co. Ltd.」を使用するか決めるのが良いでしょう。多少意味が変わってしまっても、その地域にどれだけ馴染み深い言葉を使えるかが重要になることもあります。有名な企業だとこのように書かれています。
- 任天堂株式会社:Nintendo Co., Ltd.
- 株式会社明治:Meiji Co., Ltd.
- 日産自動車株式会社:Nissan Motor Co., Ltd.
「Ltd.」「Limited.」はどんな会社に使うの?
「Ltd.」や「Limited.」も株式会社という意味で使うことができます。イギリスで使われる表記のため、イギリスに進出するならこちらにしておくと良いでしょう。先ほどと同じく、”Limited”の略で「有限責任の会社」という意味になります。
アメリカでも使用されることがなくもないのですが、比較的小規模な会社に限られているイメージです。株主が限定されている時などに使われます。日本では、以下のような大企業が「Ltd.」や「Limited.」を使った英語表記にしています。
- アサヒビール株式会社:ASAHI BREWERIES, LTD.
- ダイソン:Dyson Limited
- スターバックス コーヒー ジャパン株式会社:STARBUCKS COFFEE JAPAN, LTD.
「Plc.」はイギリスで使われる表現
他にも、会社名の後に「Plc.」という表記を見たことはありませんか?これは”Public limited company”の略です。日本語訳にすると「株式を公開している会社」ですね。色々な株式会社を表す表現が出てきて混乱しそうですが、特にこの表現が良いとこだわりがないなら「Co., Ltd」や「Ltd.」「Limited.」でも良いでしょう。
バーバリー:Burberry Group plc
イギリスの有名なバーバリーは「Plc.」という表記になっています。
「Inc.」「,Inc.」はアメリカで使われる表現
主にアメリカで使われる表現に「Inc.」「,Inc.」があります。”Incorporated”の略で、日本語にすると「無限責任の会社」となります。一般的には大企業に使われる傾向が高く、私たちも日頃お世話になっている世界的な企業はこの表記を使っていることが多いですね。
- Amazon:Amazon.com, Inc.
- Apple:Apple Inc.
- Google:Google Inc.
「Corp.」はアメリカと日本で使われる表現
「Corp.」は会社を表す表現としては比較的よく見るのではないでしょうか。これは”Corporation”の略で、「法人」という訳になります。使われるのはアメリカと日本が多いため、表記で地域性が出ると言えるでしょう。
- トヨタ自動車株式会社:TOYOTA MOTOR CORPORATION
- 株式会社ブリジストン:Bridgestone Corporation
- ソニー株式会社:Sony Corporation
結局どの英語表記にしたらいいの?
「こんなにたくさんの英語表記があったら、うちの会社をどうやって英語にすればいいかわからないよ!」そんな声もあると思います。厳密に株式会社という意味を持つ単語があれば良いのですが、英語でそれはありません。かといってK.Kというように日本の株式会社をローマ字で表記しても海外では通用しません。ではどうしたらいのか・・・。答えは、「どれでも良い!」です。
「そんな適当でいいの?」と思うかもしれませんが、会社の英語表記には法的なルールがありません。ですからどの表記でも使えるということです。一応それぞれに微妙は違いがありますから、比較的大きな企業が使うものだとか、小さな規模の会社が使うものなど、それぞれのニュアンスを汲み取って決めることをおすすめします。
また、会社が今後大きくなっていけばふさわしくない表記になることも考えると、会社の規模で決めるのではなく一般的な表記にして無難にするのも1つの手です。他の日本の会社がどのような英語表記にしているかを調べ、自分の会社と似たような会社がどうしているかチェックし、真似るのも良いのではないでしょうか。
ただ、海外で会社を作る時にはその国の法律に従わなくてはいけないので、きちんと表記が決められます。株式会社という意味を表記することは義務付けされていますが、どの表記でも良いというわけではありません。株式会社の英語表記にどれを使っても良いのは、日本で株式会社として既に設立されているものだけです。
まとめ
株式会社といっても、英語圏ではかなり色々な表記方法があることがわかりましたね。それぞれにちょっとしたニュアンスの違いはあるものの、日本で設立した会社ならどの表記をつけても構いません。ただ、周知してほしい、社名を広めたいという気持ちがあるなら、現地でよく使われる表記を用いるなどの工夫はした方が良いでしょう。現地の会社とやりとりをするのであれば、相手がわかりやすいと思えるものの方が親切ですし、利用客からもわかりやすいからです。