“faith”は高校1年生で習うレベルの英単語ですが、なんだか固い言葉のように感じられませんか?実際のところ、宗教に関連する英単語であるため、使い方を知らなければうまく使いこなすことはできないかもしれません。
今回の記事では、実は日常会話でも使える”faith”の意味と使い方を解説していきます。また、似た意味の”belief”との違いも合わせて解説するので、最後まで読んで”faith”を使いこなせるようになりましょう!
“faith”の意味、使い方
“faith”は高校英語で学ぶ単語ですが、改めてその意味を確認しておきましょう。
信頼、自信
“faith”の大まかなイメージは「なにかを信じること」です。人を信じること=信頼、自分を信じること=自信といった意味をもちます。類義語は、”trust”や”confidence”です。後述しますが、宗教関連以外の話題ではこの意味で使われることが多いですが、使い方に注意する必要があります。
信念、信仰
宗教を信じること=信仰、ある考えが正しいと信じること=信念という意味もあります。聖書の中でも”faith”が多く使われるため、”faith”には、宗教的な意味が強いという認識は、間違いではありません。宗教的な意味合いが強い「信念」や「信仰」と意味でない場合には、通常「信念」に”belief”を使います。
宗教
「信仰」から転じて、信仰対象である「宗教」の味があることも覚えておきましょう。the Muslim/Christian/Jewish/Buddhist faithのように使い、〇〇教徒の宗教=〇〇教を意味します。”religion”は宗教全般を指すのに対して、”faith”は信仰心が強いというニュアンスが含まれます。
“faith”を含むイディオムを紹介!
“faith”は単体では宗教関連で使われることが多いですが、慣用句では日常的に使うことができます。ここでは、特に使いやすい慣用句をいくつか紹介するので、確認してみましょう。
have / put faith in ~:〜を信用する
“faith”は宗教的な意味が強い英単語ですが、have/put faith in~で宗教以外のものへの信用を表すことができます。「信用している状態」にある場合はhaveを使い、「これから信用する」場合にはputを使うという使い分けに注意しましょう。
We have our faith in the company.
訳)私達は会社を信用しています。(前から継続して信用している状態)
We shouldn’t put our faith in the product which has not been tested.
訳)私達は試験をクリアしていない製品を信用すべきではありません。(これから信用する)
keep the faith:信仰、信頼を保つ
Aさん
God’s Word keeps your faith alive and strong.
訳)神様の御言葉は、あなたの信仰を保ち、強めます。
break the faith with ~:~の信頼を失う
Aさん
The company broke the faith with its customers.
訳)その会社は顧客の信頼を失った。
lose faith in ~:〜に対する信頼を失う
信頼を失う場合には、 lose faith in ~とも表現します。ここでもやはり宗教的かどうかは関係ありません。
Aさん
We lost our faith in the company by the incident.
訳)その事件によって私達はその会社に対する信用を失いました。
take a leap of faith:思い切って決断する
“leap of faith”は「盲信、やみくもな信仰」という意味です。この考えを受け入れるというところから、”take a leap of faith”は「思い切って決断する」という意味をもちます。
Aさん
I will just take a leap of faith and work in a foreign country.
訳)思い切って海外で働くつもりです。
思い切って〜する、と表現したい場合は、例文のように”take a leap of faith and do”で表現します。
形容詞”faithful”、副詞”faithfully”の意味
“faith”は名詞ですが、形容詞では”faithful”、副詞では”faithfully”となります。それぞれどのような意味を持つのか確認してみましょう。
形容詞”faithful”:忠実な、誠実な、正確な
「忠実な」という言葉から「忠犬ハチ公」を想像した人はいないでしょうか?渋谷駅に銅像もある、飼い主に非常に忠実であった犬のことです。忠犬ハチ公を英語で表現すると”The faithful dog”となります。ここからもやはり、”faith”は必ずしも宗教に関連する言葉ではないということが分かりますね。
Aさん
The dog was very faithful to his owner.
訳)その犬は飼い主にとても忠実でした。
“faithful”の同義語は、”loyal”, ”trustworthy”, “dedicated”などが挙げられます。先ほどの例文で、”faithful”の部分を”loyal”に変えても、同じ意味になります。
“be faithful to ~”で、「~に忠実な」という意味のほか、「~に貞節な(浮気をしない)」や「人を裏切らない、信頼できる」という意味になります。
Aさん
My father has been faithful to his wife since he got married.
訳)私の父は結婚して以来、彼の妻に対して浮気をしていません。
訳)僕の父が浮気をしていないことを望みますが、確かではありません。
副詞”faithfully”:忠実に、誠実に
「忠実に」という言葉からは何が連想できるでしょうか?「忠実に再現する」という言い方をしますよね。この場合の「忠実に」は”faithfully”で表現することができますが、ここでもやはり宗教とは関連性はありません。
Aさん
Please recreate the crime scene faithfully.
訳)事件現場を忠実に再現してください。
“faithful”や”faithfully”でも宗教関連の意味はありますが、”faith”よりもっと日常会話で使いやすい英単語となります。
Aさん
Korean youth faithfully serve in the military.
訳)韓国人の若者は忠実に軍務に服しています。
訳)彼らは、とても愛国心が強いです。
“patriotic”は「愛国心が強い」という意味の形容詞です。
形容詞”faithful”の反意語は何?
形容詞 ”faithful”の意味や使い方について詳しく見てきましたが、”faithful”の反意語は何でしょうか?
“faithful”の反意語は、”faithless”、”unfaithful”、”disloyal”で「不誠実な、信頼できない、不貞の」という意味になります。順番に例文を見てみましょう。
Aさん
His faithless behavior ruined their long-standing relationship.
訳)彼の不誠実な行動が、彼らの長年の関係を台無しにしました。
“faithful” の “-ful” の部分を “-less” にすると、「不誠実な」という意味になります。
Aさん
The unfaithful employee leaked confidential information to a rival company.
訳)その不誠実な従業員がライバル会社に機密情報を漏らしました。
”leak confidential information”は、「機密情報を漏らす」という意味です。
Aさん
He was labeled as unfaithful when a friend of his wife’s witnessed him having an affair with his mistress.
訳)彼は愛人との浮気の現場を妻の友人に目撃され、不貞のレッテルを貼られました。
be labeled as … で「…のレッテルを貼られる」という意味になります。
次に、”disloyal”を使った例文も紹介します。
Aさん
The manager fired the employee for being disloyal to the company.
訳)その経営者は、会社に不誠実であるという理由でその従業員を解雇しました。
“be disloyal to …”で「…に不誠実である」という意味です。
Aさん
He felt betrayed by his disloyal friend who shared his secrets with others.
訳)彼は、自分の秘密を他人と共有する不誠実な友人に裏切られたと感じていました。
“faith”と”belief”の違いは何?
“faith”とよく似た言葉に”belief”があります。日本語にするとどちらも「信念、信用、信仰」となりますが、なにか違いはあるのでしょうか?
“faith”は宗教の話でよく使われる
“faith”は宗教以外の場面でも使いますが、やはり宗教的な話の中では必ずと言ってもいいほど目にします。一方、”belief”は宗教関連以外にもあらゆるものに使うことができるという点が大きな違いです。しかし、”faith”も宗教以外に対して使うことはできるので、必ずしも宗教以外には”belief”を使わなければならない、というわけではありません。反対に宗教的な話の中で”belief”を使ってしまっても間違いではありません。
“faith”の方がより強いニュアンス
聖書内で”faith”は以下のように説明されます。
Aさん
Now faith is confidence in what we hope for and assurance about what we do not see
訳)望んでいることが必ず叶えられると確信すること、またその望んでいることがいつかは起こると信じること
ここで”confidence”つまり「自信」という言葉が使われているように、”faith”はより強い信頼、信用を表します。日本語でいうならば、「確固たる信頼」と言ったところでしょうか?一方、”belief”は「証拠はないけれど信じること」というニュアンスになります。”belief”を使った例文もチェックしておきましょう。
Aさん
He had a groundless belief that his neighbor was spying on him.
訳)彼は隣人が自分をスパイしているという根拠のない信念を持っていました。
“groundless belief”は、「根拠のない信念」という意味です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は”faith”という英単語について解説してきました。大まかに捉えるなら宗教要素が強い英単語という認識でも間違いはありませんが、日常生活でも問題なく使える英単語です。”faith”のように、「英単語は知っているけれどなんとなく使いにくそう…」という英単語は意外と多く存在します。
しかし、よく調べてみると、実は日常生活でも使えるというものがほとんどです。多くの英単語はいくつもの意味を持っており、関連性がまったくないものもあります。単語帳で覚えた意味だけでなく、それ以外にも意味がないか確認する、これだけで英語力は大きく変わるので、英単語を覚える際はぜひ参考にしてみてください。
この記事の中で、”faith”を使ったイディオムや形容詞”faithful”の使い方も紹介したので、ぜひ英会話や英作文で使ってみてください。実際に単語や熟語を文の中で使うことによって、皆さんの英語力はアップします。