「試合のハイライト」「ハイライトカラー」など、「ハイライト」という言葉は、日常のいろいろな場面で頻繁に耳にするカタカナ語です。
「ハイライト」は、英語の”highlight”に由来しており、最も明るく見える部分や最も盛り上がる見せ場を意味して用いられます。
日本語では名詞として使われることの多い「ハイライト」ですが、英語ではどのように使うのが正しいのでしょうか。
今回は、よく見聞きする身近なカタカナ言葉「ハイライト」について、英語”highlight”の意味と使い方、類義語を紹介していきます。
「ハイライト」の意味
「ハイライト」は、英語”highlight”に由来するカタカナ言葉です。
ショーや出し物における、見所やクライマックスシーンなど、特に重要な部分や注目すべき場面を明示するために使われます。
文章や画像、写真、動画などの中で、強調すべきところを視覚的に目立たせることも意味しています。
もっと簡単にいうと、「最も光が当たって明るく見える部分」「他より明るくて際立って目立っている部分」ですね。
「ハイライト」の定義
- 絵画・写真などで、最も明るく見える部分
- 最も興味を引く部分や場面、映画・演劇の見せ場、行事・催し物などの呼び物
「ハイライト」の類義語
さわり、見せ場、正念場、見せ所、見所、決め所、圧巻など参考:goo辞書
「ハイライト」は、使用される文脈によっては、異なる意味を持つ場合もあります。
ウェブ用語や芸術用語、美容用語など、それぞれの意味の違いを簡単に紹介します。
ウェブ用語としての「ハイライト」
「ハイライト」は、ウェブサイトやSNSといったデジタルメディアで頻繁に使用されています。
コンピューターやワープロソフトなどウェブ関連分野では、文書や図表の一部を反転表示したり、テキストを太字にしたり、または背景色をつけて際立たせたりするような表示のことを「ハイライト表示」と呼びます。
【使用例】
・プログラムのソースコードをハイライト表示する。
・ハイライト表示は、ソフトウェア側で行うのが一般的だ。
芸術用語としての「ハイライト」
芸術分野では、写真や画像の最も光が当たって明るく写っている部分を「ハイライト」と呼びます。
また、舞台やスポーツの試合などで、盛り上がりのシーンや一番の見所を抜き出して紹介するダイジェストのことを「ハイライト」という場合もあります。
【使用例】
・スケッチなどの平面では、光が強く当たる点をハイライトという。
・中継を見逃したので今日の試合のハイライトをチェックする。
美容用語としての「ハイライト」
美容業界では、ヘアカラーにおいて、髪全体のベースカラーよりも明るいカラーを部分的に入れることを「ハイライト」と呼びます。
髪の毛に明暗を付けることによって、全体的に立体感のあるヘアスタイルにする手法です。
【使用例】
・ハイライトを入れて、立体感のあるスタイルが完成した。
・ブリーチをしなくても、ハイライトなら自然な明るい髪色が叶えられる。
”highlight”の意味
”highlight”は、「最も光が当たって明るく見える部分」を表す英語です。
動詞と名詞2つの用法があり、動詞では「強調する」「目立たせる」、名詞では「見せ場」や「見所」といった意味を表します。
辞書では以下のように定義されています。
- verb
to attract attention to or emphasize something important
何か重要なことに注意を向けたり強調したりする
- noun
the best or most exciting, entertaining, or interesting part of something
何かの最も優れた、または最もエキサイティングで、面白く、興味深い部分a bright or lighter-colored area on the surface of something, esp. on a painting
何かの表面、特に絵画上の明るいまたは淡い色の領域
”highlight”の発音記号は、 /ˈhaɪ.laɪt/ で、カタカナの「ハイライト」とほぼ同じ読み方ができます。
英語とカタカナ言葉は、発音を混同しやすいですが、”highlight”に関しては大きな違いはないので比較的覚えやすい単語といえます。
ただし、使い方は異なるので、意味をしっかり習得して正しく使い分けられるようにしておきましょう。
”highlight”の語源は、1650年代にさかのぼります。
形容詞の”high”と、名詞の”light”が組み合わさってできた単語で、はじめは絵画における「主題の最も明るい部分」として使われ始めました。
やがて、絵を描く際に使う明るい色やペンキそのものを指すようになり、写真や版画にも用いられるようになりました。
名詞から派生して、1855年頃には「際立った特徴や特性」という意味に、1940年を過ぎると、「目立たせる」や「強調する」、「髪を明るく染める」などの意味が加わりました。
多様な意味を持つ英単語の解釈に迷ったときは、語源をさかのぼってみましょう。
単語の成り立ちや元になっているコアの意味がわかると、理解が深まり、単語のスペルや訳が覚えやすくなりますよ。
”highlight”を使った例文
”highlight”は、動詞と名詞の2つの用法を持つ英語です。
例文で”highlight”の正しい使い方を確認していきましょう。
動詞「強調させる」「目立たせる」
訳)この報告書では、地方の問題と安全性向上の必要性が浮き彫りになりました。
訳)訂正箇所を目立たせるため、この書類の間違いにマーカーで印を付けました。
訳)あなたのスキルと実績を強調する必要があります。
訳)彼はスピーチの中で一致団結の重要性を強調していました。
名詞「見所」「重要部分」「ハイライト」
訳)若い頃は、クリスマスが1年で一番盛り上がる出来事でした。
訳)ニューヨーク旅行の見所は、エンパイア・ステート・ビルの最上階に行くことでした。
訳)ヴェネチアで過ごした週末は、間違いなくわたしたちの旅のハイライトでした。
訳)試合前、大きなビデオスクリーンで今シーズンのハイライトを見せてもらいました。
”highlight”の類義語
”highlight”が表すおもな意味は「見所」や「強調」です。
動詞と名詞2つの使い方がある”highlight”の類義語を3つずつ紹介します。
言い換えを覚えておくと、表現力の幅が広がるので、ぜひ例文と一緒に声に出して練習してみましょう。
emphasize
”emphasize”は、「強調する」「重視する」という意味を表す英語です。
特定の言葉やフレーズに意味や重要性を置くことを指しており、仕事や学習の場面など、さまざまなシーンで話す内容の重要性を表現するときに使われます。
訳)まだ何も最終決定していないということを強調しておきます。
stress
動詞の”stress”は、「強調する」「アクセントをつける」「緊張させる」という意味を持つ英語です。
日本で使われるカタカナの「ストレス」とは違い、物事の重要な部分を強調したり、言語やスタイルに見られる特徴を表現するときに使われます。
訳)彼は、新たな措置の必要性を強調しました。
accent
”accent”も、「強調する」「重要であるとして選び出す」という意味を持つ英語です。
日本語でも「英単語のアクセント」と言うように、言語・単語の強勢を示すときにも使われます。
訳)彼女は丸顔で、小さな白い帽子がアクセントになっていました。
high point
”high point”は、「頂点」「最高地点」「一番の盛り上がり」「歌や楽曲のサビ」などを意味する名詞です。
何かの物事の中で、一番盛り上がるところや最高の状態であることを指して使われます。
訳)今回の旅のハイライトは、イン・オン・トマレス・ベイでの滞在でした。
peak
”peak”は、山や丘の「最高点」や「頂上」を意味する英語です。
日本語の「ピークを迎えた」のように、人や組織の最高潮や最盛期を表現して用いられることもあります。
訳)彼女のキャリアは、絶頂期にありました。
climax
”climax”は、物語や出来事の中で「最も盛り上がる部分」を表す英語です。
最も重要な瞬間や決定的な瞬間のことを指し、物語の展開や緊張感を高める状態を指しています。
カタカナで「物語のクライマックス」とも言うように、読者や視聴者の感情を最も引き込むシーンを表すとてもメジャーな単語です。
訳)オリンピック出場は、彼女のキャリアのクライマックスでした。
まとめ
普段の会話でもよく見聞きする身近なカタカナ言葉「ハイライト」について、英語”highlight”の意味と使い方、類義語を紹介しました。
「ハイライト」は、英語”highlight”をカタカナで表記した言葉です。
”highlight”には、動詞と名詞2つの用法があり、「強調する」「目立たせる」「見所」「見せ場」などの意味を表します。
「ハイライト」はおもに名詞として用いられることが多いですが、英語では、動詞の働きも持っているということを覚えておきましょう。
”highlight”は、他にもいろいろな英語に言い換えができるので、今回紹介した類義語も合わせて覚えておくと、表現力アップにつながりますよ。
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