「カンパニー」は、会社や団体名でとてもよく聞く言葉ですね。
日本語では、カンパニー=会社と定着しており、ほかの使い方を目にすることはほとんどないかもしれません。
「カンパニー」は、英語の”company”に由来している言葉ですが、本来の英語には「会社」以外にもさまざまな意味があると知っていましたか?

今回は、「会社」を表すカタカナ言葉「カンパニー」について、英語”company”の本来の意味と正しい使い方を解説していきます。

「カンパニー」とは?

「カンパニー」とは?

「カンパニー」は、英語の”company”に由来したカタカナ言葉です。
個人営業、合資会社、株式会社など、広い意味で会社全般のことを示しています。
「カンパニー」が会社を意味することから、日本語ではいろいろな場面で「〇〇カンパニー」が使われています。

ペーパーカンパニー

「ペーパーカンパニー」は、法人として登記はされているものの、実際には事業を行っていない会社のことです。
特に、低税率の場所に税金対策として設立される場合が多く、利益を移転するためだけに存在します。
「ペーパーカンパニー」というのは和製英語で、正しくは”shell corporation”や”dummy company”などと表現します。

パブリックカンパニー

「パブリックカンパニー」は、株式を公開している会社のことです。
不特定多数の投資家が株主として会社を所有できるので、会社の知名度や社会的な信頼度が高く、多くの人に認識されています。

プライベートカンパニー

「プライベートカンパニー」は、「パブリックカンパニー」と逆で、株式が非公開の会社のことです。
オーナーやその一族による同族経営、もしくは少数の特定株主によって会社が所有されています。

リーディングカンパニー

「リーディングカンパニー」は、業界で中核的、主導的な地位にある会社のことです。
業界の先駆者として、「先進的企業」や「業界の牽引役」とも呼ばれています。

トランスナショナルカンパニー

「トランスナショナルカンパニー」は、国境を越えて世界規模で事業を展開している会社のことです。
各国に子会社を置き、相互に連携しながら国際的な競争力を高めています。
「グローバル企業」や「多国籍企業」などと呼ばれることもあります。

 

”company”の意味

”company”は、「団体」「会社」「仲間」「同席」などを意味する英語です。
辞書では以下のように定義されています。

  • an organization that produces or sells goods or services in order to make a profit
    利益を上げるために商品やサービスを生産または販売する組織
  • the state of having someone with you, or the person or people who are with you
    誰かと一緒にいる状態、または一緒にいる人または人々
  • a group of actors, singers, or dancers who perform together
    一緒にパフォーマンスする俳優、歌手、またはダンサーのグループ

参考:Cambridge Dictionary

”company”は、規模や事業内容にかかわらず、「会社」を意味する最も一般的な英語で、略して”Co.”と表記されることも多いです。

カタカナの「カンパニー」が表すのは「会社」だけでしたが、英語の”company”には、「会社」以外にも「集まり」や「仲間」などいろいろな意味があるのでしっかり覚えておきましょう。

 

”company”と”corporation”の違い

”company”と似た意味を持つ英語に”corporation”があります。
”company”も”corporation”も、どちらも「会社」という意味なので、使い分けが難しいと思っている方もいるのではないでしょうか。

辞書に載っている”corporation”の定義は以下の通りです。

a large company or group of companies that is controlled together as a single organization
一つの組織として共同で管理されている大企業または企業グループ

参考:Cambridge Dictionary

a large company or group of companies”とあることからもわかるように、”corporation”は、大企業あるいは企業のグループを意味しており、「株式会社」や「法人」など、いくつもの部署を持つ巨大な企業を指して使われます。

company 個人事業主から大企業まで、営利目的で事業を営む会社全般を指す
「会社」や「企業」を意味する最も一般的な英語
corporation 大規模な事業運営を行っている大企業や法人を指す
社会的な信用度と知名度が高く、ブランド力を持つと同時に、法的規制や開示義務は厳しい
通常「株式会社」や「法人」「企業」と訳されることが多い

規模にかかわらず、会社全般を意味するのが”company”であるのに対して、”corporation”は社会的に名の知れた「法人企業」を表します。
99.7%が中小企業で占められている日本において、株式を公開している大企業のイメージが強い”corporation”と表現するときは注意が必要です。

”company”を使った例文

”company”を使った例文

最後に、”company”を使った例文をおもな意味に分けて紹介します。
「カンパニー」にはない「仲間」や「集まり」といった使い方をしっかり確認しておきましょう。

会社・企業

Aさん
He has worked designing computer programs and websites for the same company for 18 years.
訳)彼は、同じ会社で18年間、コンピュータープログラムとウェブサイトの設計に携わってきました。
Aさん
The company focuses on developing new products and their commercial future looks very promising.
訳)同社は新製品の開発に力を入れており、その商業的将来性は非常に有望です。

一緒にいる仲間・付き合い

Aさん
You should take it as a compliment when I fall asleep in your company – it means I’m relaxed.
訳)あなたのそばで眠ってしまった時は、それだけ私がリラックスしているのだと受け取ってください。
Aさん
She didn’t mix with her contemporaries; she just enjoyed and preferred the company of older people.
訳)彼女は同世代の人たちとは交わらず、年上の人たちとの付き合いを楽しみ、好んでいました。

集まり・団体

Aさん
Some jokes are just not appropriate to tell in mixed company.
訳)ジョークの中には、男女混合の集まりでは話すべきでないものもあります。
Aさん
After working for a theatre company in Leeds, she founded her own dance company.
訳)彼女はリーズの劇団で働いた後、自身のダンスカンパニーを設立しました。

 

まとめ

「会社」を表すカタカナ言葉として知られる「カンパニー」について、英語”company”の本来の意味と正しい使い方を解説しました。

「カンパニー」は、英語の”company”に由来したカタカナ言葉で、個人商店から株式会社まで広い意味での会社を指して使われます。
「ペーパーカンパニー」や「リーディングカンパニー」など、いろいろな「〇〇カンパニー」がありますが、英語の”company”は、「会社」以外にもさまざまな意味を持っています。

「会社」と訳しても意味が通じないな、と困ったときは、”company”が持つほかの意味を再確認してみてましょう。

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