辛いものは徹底的に辛く、甘いものはあくまでも甘く食するのがインド流です。そのため、インドスイーツにもとても甘いものが揃っています。皆さんは、ラスグッラというチーズボールをご存知ですか?チーズボールなら甘くないのでは?と思う方もいるでしょう。

この記事は、インドのお菓子を紹介するシリーズ「ラスグッラ」です。ふわふわスイーツであるもののその味は激甘と言われるラスグッラがどのようなものなのか、英語の表現とともにインドの世界に触れてみましょう。

「ラスグッラ」ってどんなお菓子?

「ラスグッラ」ってどんなお菓子?

ラスグッラは正真正銘、インドのオーセンティックなスイーツです。さっそくですが、ラスグッラがどのようなインド菓子なのかについて紹介しましょう。

チーズボール団子ラスグッラ

ラスグッラはRasgullaと書くのですが、rasはジュース、そしてgullaはボールという意味になります。

冒頭でラスグッラはチーズボールということを述べました。これは、ラスグッラがインドのチッカ(chhena)という柔らかいチーズから作られるためです。

チッカ(chhena)は牛乳を加熱して固め、余分な水分を絞り出して作ります。

チッカのチーズボールをシロップに浸すラスグッラ

ラスグッラはチッカを丸めてボール状にし、砂糖のシロップで煮ることで、ラスグッラが完成します。食感はふわっとしていて、シロップの甘さと相まって、まろやかな味わいが楽しめます。

世界一甘いラスグッラ

本ブログの別記事で、インドの「グラブジャムン」を紹介しました。グラブジャムンは丸くした生地を揚げたものを甘いシロップに漬けたお菓子であり、世界一甘いお菓子と言われています。

本記事で紹介しているラスグッラは非常に甘いお菓子ですが、インドの他のスイーツ、特にグラブジャムンに比べると甘さはやや控えめです。それでも、シロップに浸されているため、食べるときには甘さがしっかり感じられますので、試してみるときには、激甘であることを知った上で食べてみることをおすすめします。激甘なお菓子を2つも持つインド、最高ではないでしょうか。それにしても、インドのスイーツパワーはすごい!ですね。

About Rasgulla

ここで、簡単にラスグッラのことを英語で説明した英文を紹介します。あるサイトではsoft and spongyと書かれていますが、ここでは様々な食べ物を紹介するgoodFoodというサイトからラスグッラをどう表現しているかみていきましょう。

A traditional Indian sweet Rasgulla

Aさん
Rasgulla is a traditional Indian sweet. Made from homemade cottage cheese, formed into balls and soaked in sugary syrup. They are sweet, spongy, soft and light, a perfect after-meal dessert.
訳)ラスグッラは、伝統的なインドのお菓子です。自家製のカッテージチーズをボール状に丸めて、甘いシロップに浸したものです。甘くてスポンジ状で、柔らかくて軽いので、食後にぴったりのデザートです。

引用:goodFood “Rasgulla”

ラスグッラの作り方

ラスグッラはお店でも買えますが、インドの家庭で手作りされているお菓子です。ここで、簡単に作り方を紹介しましょう。

ラスグッラのレシピ

ホームメイドのラスグッラは以下の流れで作ります。

1. 牛乳にレモン汁を混ぜて沸騰したら火を止め、静かに置きます。レモン汁を入れた牛乳をガーゼで濾します。ゆっくり絞り、水切りをします。
この状態がインドのカッテージチーズと呼ばれるチッカになります。

2. パニールを優しくこねます。このときに、インドのお菓子ではお馴染みのカルダモンパウダーを入れることがあります。

3. 練りあげられた生地は2〜3cmのボール状にしていきます。

4. 水と同量のグラニュー糖を合わせ、火にかけます。砂糖がしっかり溶ければ完成ですが、ここでさらにレモン汁、ローズウォーターを追加で入れます。

5. このシロップを加熱した状態にボール状にした生地を投入して5分ほど煮ます。その後は弱火にしてさらに10分ほど煮ていきます。ラスグッラはお鍋のなかで膨らんでいきます。さらに数分煮たら出来上がりです。

6. このラスグッラをさらに砂糖液に浸します。これがラスグッラの完成状態です。

試食!ラスグッラ

試食!ラスグッラ

シロップを吸い込んだチーズボール・ラスグッラ、食べた感じもリポートしましょう。

ラスグッラの味や食感紹介

インドに行ったことのない方も、インドの強烈な激甘スイーツがどのようなものか興味がありませんか?

インドのカッテージチーズ・チッカを丸めて砂糖を溶かしたシロップで煮る、煮上がったらそれをさらに砂糖水に浸す、これだけで頭が痛くなりそうな甘さをイメージできます。しかし、ラスグッラはインド人にとって普段から食べる定番スイーツです。ラスグッラは冷やして食べるのが王道です。

一度ラスグッラを口に入れてみれば、その甘みが広がります。シロップはレモン汁やローズウォーターが使われているため、その酸味や香りを楽しむことができます。乳製品に酸味や香りがついているお菓子は、日本では見かけないかもしれません。ミルクまんじゅうは牛乳を使用していますが、やはりラスグッラとはまるで異なるでしょう。

何にしても本場で食べたり飲んだりするのが最高ですが、ラスグッラは日本でも通販や大手インターネットサイトなどで缶入りの状態を手頃に買うことができます。

バトル?「ラスグッラ」の歴史的背景

ラスグッラは体調が悪いときのエネルギー補給に適したスイーツとしても知られ、糖分が多いために食べる量に気をつけながらに食べられたりします。
ところで、ラスグッラは発祥の地に関してバトルが繰り広げられているお菓子でもあります。

オリッサ州 vs ウエストベンガル州

ラスグッラをめぐるバトルは、インド南東部のオリッサ州、インド東部のウエストベンガル州の間で起こっていました。オリッサ州の山岳地帯にはアディヴァシと呼ばれる先住民が住んでいますしスーリヤ寺院は世界遺産、ウエストベンガル州は世界遺産が3つあり観光客数はインドで3番目に多いエリアという特徴があります。

2つの州がそれぞれこそがラスグッラ発祥の地と主張していたのですが、最終的に1868年にコルカタ(ウエストベンガル州の州都)を拠点とする伝説の菓子職人Nobin Chandra Dasによって改良したと主張していたウエストベンガル州がラスグッラの地理的表示タグを授与され、起源の地とみなされました。

まとめ

英語を勉強していると海外の文化に興味を持ったり、知るために多くの記事を英語で読むことができるというメリットがあります。
本記事ではインドのオーセンティックスーツ「ラスグッラ」を紹介しました。繊細な日本のお菓子と比べ、インドのスイーツは甘さ優先とも考えられるかのようなものでまるで違います。インドの食文化の一つとしてお菓子はれっきとした文化を持っています。
インドは日本の国土の約8.7倍、人口は約10倍です。インドでどのようなお菓子が食べられているのか知る良い機会になっていれば幸いです。