グローバル化が加速する現代において、医療機関を訪れる外国人患者も増加の一途をたどっています。 

そこでこの記事では、外国人患者とのスムーズな問診を実現するための、実用的な英語フレーズ集をご用意しました。「言葉の壁に戸惑うことなく、患者さんと向き合いたい…」 そんな医療従事者の方が今すぐ活用できるフレーズをご覧ください。

痛み確認に使える英語フレーズ

痛み確認に使える英語フレーズ

痛みは様々な疾患の状態を測る重要なポイントです。患者の痛みの性質、強さ、部位を正確に把握することで、診断の精度が高まります。

痛みの有無を確認する

  • Are you experiencing any pain?
    (痛みはありますか?)
  • Does it hurt anywhere?
    (どこか痛いところはありますか?)
  • Are you feeling any discomfort?
    (何か不快感はありますか?)

痛みの程度を確認する

  • On a scale of 1 to 10, with 10 being the worst pain, how would you rate your pain?
    (1から10の段階で、10が最も強い痛みとして、あなたの痛みは何段階ですか?)
  • Has the pain gotten worse since it started?
    (痛みは始まってから悪化していますか?)

痛みの性質を確認する

  • How would you describe the pain? Is it sharp, dull, burning, or throbbing?
    (痛みはどのような感じですか?鋭い痛み、鈍い痛み、焼けるような痛み、ズキズキする痛みのどれですか?)
  • Is the pain constant or does it come and go?
    (痛みは常にありますか、それとも断続的ですか?)

痛みを確認する際は、患者自身の言葉で表現してもらうことが重要です。痛みのスケールや痛みの種類を示した図や絵を用意しておくと、言語の壁を越えて理解を深めることができます。

部位説明で使える英語フレーズ

部位説明で使える英語フレーズ

症状がどの部位に現れているかも、診断の重要な手がかりになります。

部位を特定するための質問

  • Where exactly is the pain/discomfort?
    (痛み/不快感はどこにありますか?)
  • Can you point to where it hurts?
    (痛いところを指さしていただけますか?)
  • Is the pain localized in one area or does it spread?
    (痛みは一箇所に集中していますか、それとも広がっていますか?)

各身体部位の英語表現

  • Head and neck area: head, forehead, temple, ear, eye, nose, mouth, throat, neck
    (頭頸部: 頭、額、こめかみ、耳、目、鼻、口、喉、首)
  • Torso: chest, breast, abdomen, stomach, lower back, waist
    (胴体: 胸、乳房、腹部、胃、腰、ウエスト)
  • Extremities: shoulder, arm, elbow, wrist, hand, finger, hip, thigh, knee, calf, ankle, foot, toe
    (四肢: 肩、腕、肘、手首、手、指、股関節、太もも、膝、ふくらはぎ、足首、足、つま先)

内臓や特定の部位に関する表現

  • Do you feel pain in your joints?
    (関節に痛みを感じますか?)
  • Are you experiencing any chest pressure or tightness?
    (胸の圧迫感やしめつけ感はありますか?)
  • Is your lower right abdomen tender to touch?
    (右下腹部を触ると痛みはありますか?)

部位を説明する際は、イラストの人体図を用意しておくと便利です。

Aさん
患者にイラストを見せて、症状のある部位を指してもらうことで、言語の壁を超えたコミュニケーションがより正確になります。

発症時期を確認する英語フレーズ

診断や治療方針の決定では、症状がいつから始まったのか、どのような経過をたどっているのかを知ることも大切です。

症状の開始時期を確認する

  • When did you first notice these symptoms?
    (これらの症状に最初に気づいたのはいつですか?)
  • How long have you been feeling this way?
    (このような状態はどのくらい続いていますか?)

症状の経過を確認する

  • Have the symptoms changed since they started?
    (症状は始まってから変化しましたか?)
  • Are the symptoms getting better, worse, or staying the same?
    (症状は良くなっていますか、悪くなっていますか、それとも変わりませんか?)

特定のきっかけを確認する

  • Did anything trigger these symptoms?
    (これらの症状のきっかけとなるものはありましたか?)
  • Have you experienced similar symptoms in the past?
    (過去に同様の症状を経験したことがありますか?)

発症時期や経過を確認する際は、具体的な日付や時間を確認するとよいでしょう。

Aさん
「先週の月曜日」や「約3日前」など、より具体的な情報を引き出せると、より正確な診断につながります。

薬歴確認で使える英語フレーズ

薬歴確認で使える英語フレーズ

患者が現在服用している薬やアレルギーの有無を確認し、薬の処方や安全な医療提供に活用しましょう。

現在の服薬状況を確認する

  • Are you currently taking any medications?
    (現在、何か薬を服用していますか?)
  • Do you take any prescription medications regularly?
    (定期的に処方薬を服用していますか?)
  • Are you taking any over-the-counter medications or supplements?
    (市販薬やサプリメントを服用していますか?)

服薬の詳細を確認する

  • What is the name of the medication?
    (薬の名前は何ですか?)
  • How often do you take this medication?
    (この薬はどのくらいの頻度で服用していますか?)
  • What dosage are you taking?
    (どのくらいの量を服用していますか?)

アレルギーや薬の副作用を確認する

  • Do you have any known drug allergies?
    (薬に対するアレルギーはありますか?)
  • Have you ever had an adverse reaction to any medications?
    (これまでに薬の副作用が出たことはありますか?)

薬歴確認の際は、薬の名前や用量をメモします。患者に薬の容器や処方箋のコピーなどを持参してもらうと、より正確な情報を得ることができます。

生活習慣に関する英語フレーズ

生活習慣に関する英語フレーズ

患者の生活習慣が、多くの疾患の原因や悪化につながる場合があるため、患者の生活習慣の情報収集も欠かせません。

食事習慣に関する質問

  • What does your typical daily diet consist of?
    (普段の毎日の食事内容はどのようなものですか?)
  • Do you have any dietary restrictions or food allergies?
    (食事制限や食物アレルギーはありますか?)

運動習慣に関する質問

  • Do you exercise regularly?
    (定期的に運動をしていますか?)
  • What type of physical activity do you engage in?
    (どのような運動をしていますか?)

生活習慣に関するその他の質問

  • Do you smoke? If yes, how many cigarettes per day?
    (タバコを吸いますか?はいの場合、1日に何本ですか?)
  • Do you drink alcohol? If yes, how often and how much?
    (アルコールを飲みますか?はいの場合、どのくらいの頻度でどのくらいの量ですか?)
  • How well do you sleep at night?
    (夜はよく眠れますか?)
Aさん
生活習慣に関する質問は、時に個人的なものと感じられることがあります。なぜ生活習慣について質問するのか、目的をしっかりと説明し、患者のプライバシーを尊重する姿勢で問診を行うことが大切です。

まとめ:スムーズな問診のためのポイント

外国人患者との円滑なコミュニケーションは、信頼関係を構築しながら適切な医療を行うためのベースとなります。この記事で紹介したフレーズを参考に、より効果的な問診を目指しましょう。