大学入試やTOEICで、特に4択から正解を選ぶ問題で「2択までは絞れるのに、その2択からどうしても絞れない!」と悩むことはありませんか?

その悩みの原因は、英語の「自動詞と他動詞」にあるかもしれません。

例えば2択から正解を選び出す最後の要因が「時制の一致」にあった場合は見逃すことが少ないです。

「あぁ、末尾にYesterday、few days agoがあるから過去形だな。」「定期的に開催されるなら現在形だな。」など、比較的見落としに気がつきやすいです。

しかし、自動詞と他動詞については、しっかりと英文の型を見抜いた上で、選択肢の英語が自動詞なのか他動詞なのかを知っている必要があります。

また、「そもそも自動詞と他動詞ってなに?どちらがどう違うの?」と、そもそも理解が難しい要素でもあります。

この記事では、そんな自動詞と他動詞について、その違いや見分け方、効果的な覚え方についてお伝えしていきます。

この記事を読み終わる頃には、英文を読む上で「自動詞か、他動詞か」を見分けられるようになり、マークシート式の試験などで2択から正解を選び出す力も大きく養われるのでぜひ最後まで読んでください。

自動詞と他動詞の違いとは?

自動詞と他動詞の違いとは?

自動詞と他動詞の違いは、ひと言で表せば「目的語を必要とするか否か違い」だと言うことが出来ます。

「その説明はさんざん聞いたけど、ピンと来ないよ!」とお思いの方にも、イメージがつきやすいように順を追ってお伝えしますね。

自動詞とは?

自動詞は、目的語がなくても「自分だけで動詞として成り立つ」ことができます。

Aさん
I swim.
訳)私は泳ぎます。
Aさん
She stands.
訳)彼女は立ちます。
Aさん
He looked.
訳)彼は見ました。
Aさん
We arrived.
訳)私たちは到着しました。

どれも英文として、主語と動詞だけで成り立っているのがわかりますよね。

他動詞とは?

他動詞は、文章として機能する上で目的語の存在が欠かせない動詞を指します。

Aさん
I sent a document.
訳)私は書類を送りました。
Aさん
I reached Tokyo station.
訳)東京駅に到着しました。
Aさん
We discussed the world situation.
訳)世界の情勢について議論した。
Aさん
He watched the TV program.
訳)彼はそのテレビ番組を観た。

Sent(「送る」を意味するSendの過去形)はa document(書類)、ReachはTokyo stationに結びついて、初めて英文として成り立っています。

もし「I send.」「I discussed.」という英文を書いたなら、ネイティブスピーカーに「何を送ったんだ?」「何を議論したんだ?」と疑問に思われてしまうわけですね。

日本人にはない感覚

ここで少し疑問に思ったのではないでしょうか?

「自動詞のHe looked.も『何を見たんだ?』と思うし、I swimだって『どこを泳いだんだ?』って思われるんじゃないか?」と。

確かに、意味を見てみるとそう言いたくなりますよね。

しかし、自動詞と他動詞は、「意味」で区別されているのではなく、動詞の中にある「イメージ」で区別されています。

例えば、「到着する」の意味で用いられる「Arrive」は、「Arrive」という単語を見た時に「到着したんだ!」とシンプルな事実を表すイメージを持たれます。

対して、他動詞で「到着する」を表す「Reach」に、「〜に到着したんだー!」と、「Reach」という単語を見た時点で目的地とセットで使われる状態を想像されます。

つまり、他動詞で使われる英単語を用いた瞬間に、目的語がある前提で頭の中に浮かぶわけです。

これは日本語を使う時には無い感覚なので、「英語をネイティブらしく使う感覚」として、身に付けたいスキルの一つだと言えます。

自動詞と他動詞の見分け方

自動詞と他動詞の見分け方

それでは、自動詞と他動詞は、どのように見分けたら良いのでしょうか?

なぜ自動詞と他動詞を見分ける必要があるのか

そもそも、なぜ自動詞と他動詞を分けて考える必要があるのでしょうか?

もちろん、「アメリカ人、イギリス人などの英語圏の人が聞いたら違和感を持つから。」という理由はあります。

しかし、「特に日本人はなぜ自動詞と他動詞を見分ける必要があるのか」について焦点を当ててみます。

それは、「4択問題(特にTOEIC)の定番だから」です。

後述しますが、特にTOEICでは4択の文法問題の定番として、自動詞と他動詞を適切に使い分けられるかを問われます。

せっかく他の文法事項や単語の意味がわかったとしても、自動詞と他動詞がわからなければ、みすみす点数を落としてしまうことになるわけです。

特に日本人にとって、日本語を扱う上で自動詞と他動詞の区別をしていないのですから、こうして必要に差し迫られなければ、なかなか習得はできません。

次の項で「自動詞と他動詞がわからないと起こる、困った状態」についてお伝えするので、「必要に差し迫られた状態」として、考えてみましょう。

そうすることで、習得が早くなります。

自動詞と他動詞で困る時とは?

例えば、以下の問題があったとします。

We ___ about the global warming yesterday.

1.talked
2.talks
3.decreased
4.increase

これはすぐにわかる問題ですね。

global warmingは地球温暖化を意味するフレーズで、地球の気温はともかく、地球温暖化は増えたり減ったりしませんよね。

なので、1か2になるわけですが、2.のTalksは形が違うことがわかります。

動詞にsがつく場合は、主語が三人称単数で、かつ現在形である必要があります。(3単現=3人称単数現在 というやつです)

しかし、文末に「Yesterday」とあるので、時制の一致から過去形を用いることがわかり、1を選ぶことができます。

ここまでは簡単ですよね。

しかし、2.の選択肢が「Discussed」だったらどうでしょう?

We ___ about the global warming yesterday.

1.talked
2.discussed
3.decreased
4.increase

時制も一緒ですし、「地球温暖化について話し合った」「地球温暖化について議論した」どちらも意味も通ります。困りましたね。

この2択から、どうやって正解を選び出せばいいのでしょうか?

自動詞と他動詞の見分け方とは?

こんな「困った2択」に直面した時、「前置詞の有無」で見抜くことが出来ます。

自動詞は主語と動詞だけで成り立ちますが、前置詞とセットで使うことで他動詞として機能する場合も多いです。

対して、他動詞は他動詞だけで目的語と結びつくので、前置詞と一緒には用いません。

もう一度問題を見てみましょう。

We ___ about the global warming yesterday.

動詞が来る空欄の直後に、前置詞aboutが来ています。

Talkは「話す」を表す自動詞ですが、aboutと連なり「talk  about」になることで「〜について話す」になることができます。

対してDiscussは他動詞なので、Discuss aboutになるとaboutが余ってしまい不自然な英文となってしまいます。

これが「他動詞は前置詞がつかない」という、自動詞と他動詞を見分ける大きな手段になるわけです。

まとめ

この記事では、自動詞と他動詞について以下の点からお伝えしてきました。

  • 自動詞は主語と動詞だけで文を作れる動詞
  • 他動詞は目的語と一緒じゃないと文を作れない動詞
  • 自動詞は自分だけで文を作れるが、前置詞とセットになると他動詞の役割も果たせる
  • 他動詞は目的語とセットが前提なので、前置詞がつかない

ここまでお読みのあなたは、日本語にはない文法ルールの自動詞と他動詞について、イメージ出来ていて、その見分け方がわかっています。

そして、TOEICなどで出くわす「困った2択」にも冷静に対応することが出来るようになっています。

この記事でお伝えしたことを活かして、ぜひご自身の英語の表現力をより豊かにしていただければ幸いです。