英語を勉強していると時々、英語になった日本語に出くわすことがありますね。
たとえば、sushi、tofu、miso、sakeなどの食べ物に関わるものやkaraoke、haiku、origamiなど文化に関する言葉など。最近では、otakuも英語で通じるそうですよ!
もちろん、逆に英語から日本語になった言葉もたくさんあります。
今回は実は英語だったという意外な日本語や、英語以外の言語から日本語になった言葉、英語で話すときには注意が必要な和製英語などについてご紹介します。
外来語とは?
外国語から日本語に取り入れられ、日常語として使われている言葉を外来語といいます。
借用語と呼ぶこともあります。
基本的にカタカナで書かれることが多いですが、古くから伝わった語は外来語としての意識がうすれたため、ひらがなや漢字をあてることもあります。
一般的に外来語は英語由来のものが多いですが、もちろん他の言語から来たものもたくさん。
英語以外から来たことばについてもあとでご紹介しますね。
実は英語由来の意外な「外来語」を5つご紹介!
表記がカタカナだったり、音からなんとなく英語が思い浮かんだりと、「これは外来語だな」というのはなんとなくわかるもの。
でも、なかには「え?これって外来語だったの?」というものもあります。
そんな意外な外来語を5つご紹介します。
簿記
企業におけるお金の出し入れを帳面に書き入れ整理する方法の簿記。
実は英語のbookkeepingの音から来たものだという説があります。
日本に簿記が伝えたのは福沢諭吉。
それまで単式簿記だった日本に西洋式の複式簿記を紹介しました。
「コモン・スクール・ブックキーピング」をいう英語の簿記の教科書を翻訳したことにより、日本全国に複式簿記が普及しました。
背広
今でいう「スーツ」を表す背広。
背広が英語由来のことばだとは信じられないという人もいるかもしれませんね。
イギリス発祥のスーツが日本に伝わったのは幕末の鎖国が終わった頃。
欧米文化を象徴する存在としてスーツが日本に伝来しました。
「背広」というと「背中が広い」とイメージしがちですが、そうではありません。
背広はSavile Row(サヴィル・ロウ)の当て字です。
サヴィル・ロウはロンドンの中心部に位置する通りの名前。
現在ではオーダーメイドの名門高級紳士服店が軒をつらねていることで有名です。
ほかにも「市民服」を意味するcivil clothes(シビリアン・クロウズ)からきた、という説もあります。
画廊
美術品や絵画を展示したり、売買する場所である画廊。
画廊の語源は英語のgalleryから来ているという説もあります。
ギャラリーといえば、ゴルフの観客のこともギャラリーと呼びますね。
galleryには「天井桟敷」という意味もあります。
「天井桟敷」とは劇場の最上階の一番奥のこと。
天井に一番近く舞台から最も遠くにある観客席です。
ゴルフの観客もプレーヤーから遠く離れたところから見守っていることから、ゴルフの観客のことを「ギャラリー」と呼ぶようになりました。
ハツ、タン、ホルモン
焼き肉でおなじみの「ハツ、タン、ホルモン」も英語由来のことばです。
焼き肉でハツといえば「(牛・豚・鶏の)心臓」のこと。
その由来は英語のheartです。heartの複数形であるheartsがなまって「ハツ」となりました。
また、タンは舌を表すtongueから、ホルモンは体内の伝達物質であるホルモンを表すhormoneに由来するという説もあります。
ちなみに、牛肉や豚肉の部位である「ロース」は英語のroastからきた和製英語。
「焼く」とか「あぶる」の意味を持つroast。
「ロース」は焼いたりあぶったりするのに最適な肉の部位ということからこの名前がついたそうです。
オクラ
和食のイメージが強いオクラですが、実はその名は英語由来です。オクラは英語ではokra。
紀元前2000年の古代エジプトではすでにオクラの栽培が始まっており、日本には明治時代の初期にアメリカから伝来しました。
ちなみにオクラは英語だけでなく、ドイツ語やオランダ語、スペイン語でもokra。意外とokraはワールドワイドなのです。
これ、英語じゃないの?注意が必要な和製英語
日本語には英語由来のことばだけでなく、英語っぽいけど、日本でしか通用しない和製英語もあります。「カタカナだからきっと英語でしょ?」と思いがちですが、ネイティブには伝わらないことばもたくさんあります。
そんな和製英語を確認しましょう!
ノートパソコン
ノートパソコンは和製英語。英語ではlaptopです。lapは「膝」。膝の上に載せて使うからlaptopといいます。
サイン
英語のsignの意味は「しるし」や「シンボル」。日本語のような有名人のサインや、署名の意味はありません。
有名人のサインはautograph、署名はsignatureです。
クレーム
日本語では苦情や文句を意味する「クレーム」。英語のclaimとは意味が異なります。
英語のclaimは「要求する」や「主張する」という意味。「苦情」はcomplaint。動詞の場合はcomplainです。
コンセント
一見英語でも通じるように感じますが、コンセントは完全なる和製英語。コンセントはアメリカではoutlet、イギリスではsocketと表現されます。英語で「コンセント」といっても全く通じないのでご注意を!
レンジ
英語のrangeは主に「範囲」や「領域」という意味で使われることが多い単語ですが、ガスレンジという意味もあり、ここから「電子レンジ」の和製英語ができたと考えられます。電子レンジは英語ではmicrowaveです。
ホチキス
文房具のホチキスは実は商品名。日本で最初に販売された製品がE・H・ホッチキス社製のものだったため、この呼び名が広まりました。英語ではstapler。コの字の針はstapleといいます。
実はこれも外来語?英語以外の外来語をご紹介!
外来語にはもちろん英語以外の言語からきたものもたくさんあります。
その一部をご紹介しますね。
たばこ
たばこは戦国時代の末期にポルトガル人によって日本に伝わりました。そのため、たばこの由来はポルトガル語のtabacoです。
お転婆
活発に行動する女の子の様子を表す「お転婆」。
オランダ語の「ならしにくい、御しがたい」という意味のontembaar(オンテンバール)が語源だという説があります。「お転婆」の語源にはいくつかの説があり、正しいものははっきりとはわかっていませんが、オランダ語が語源とは意外ですね!
イクラ
サケやマスの魚卵であるイクラ。ぷちぷちとした食感がたまりませんね。もうすっかり日本語になじんでいるイクラも外来語です。イクラはもともとはロシア語でした。ロシア語のイクラは「魚の卵」のこと。そのため、キャビアもたらこも「イクラ」で表現されるとか。
かぼちゃ
和食にもよく用いられるかぼちゃも外来語です。かぼちゃを日本へ伝えたのはポルトガル人。カンボジアで獲れたかぼちゃを「カンボジア産の瓜」として日本へ伝えました。その「カンボジア(Camboja:カンボンジャ)」だけが名称として残り、さらになまって「かぼちゃ」になったと考えられています。
まとめ
日本は海外のことばや文化を取り入れることによって大きく発展してきました。だから日本語には外来語がたくさん!気になることばの語源を調べてみたら思いもよらなかったことがわかるかも知れません。
また、日本語特有の和製英語には要注意!残念ながらネイティブには全く通じません。
日ごろから「これって英語で何て言うの?」と意識することがおすすめですよ!