イスラエル北西部の港町アッコ(Acre)。地中海に面したこの町は、なんと紀元前3000年ごろから人々が住んでいたとされ、フェニキア人、ローマ帝国、十字軍、イスラム王朝、オスマン帝国に至るまで、数多くの文明がこの地に足跡を残してきました。
今日、アッコ旧市街の地上には18〜19世紀に再建されたオスマン帝国時代の町並みが広がっていますが、地下には十字軍時代の建物群が眠っており、まさに“上下二重構造”の歴史都市。2001年にユネスコの世界遺産に登録されました。
本記事では、アッコ旧市街の歴史、見どころ、英語で語り合えるフレーズも交えながら、この魅力的な都市をご案内します。
アッコ旧市街とは?

アッコは地中海に面し、古代にはフェニキア人によって交易の拠点として発展しました。その後、プトレマイオス朝エジプトやローマ帝国に支配され、中世になると十字軍の要塞都市としてその名を馳せました。
歴史の縮図とも言える港町
1104年には第1回十字軍によりボードゥアン1世が占領し、1187年にはサラディンが奪還。さらに1191年、リチャード1世率いる第3回十字軍が再び支配し、以降はエルサレム王国の首都として重要な役割を担います。
しかし1291年、マムルーク朝のアシュラフ・ハリールによって陥落し、その後オスマン帝国の支配下に。その後もナポレオンの遠征や英仏の対立など、激動の歴史の舞台となりました。
地上と地下、二重に残る歴史
アッコの魅力の一つは、「地下の十字軍都市」と「地上のオスマン都市」という2層構造にあります。狭い路地の中に、モスク、バザール、隊商宿(キャラバンサライ)などが点在し、古の暮らしが今も感じられます。地下には、ホスピタル騎士団(聖ヨハネ騎士団)による建物群がそのまま埋もれており、発掘によって姿を現しました。
訳)アッコ旧市街地は、2地上と地価の二重構造になっていました。
世界遺産としての価値

アッコ旧市街は、2001年ユネスコ世界遺産に登録されました。
名称は、Old City of Acreです。
登録理由は?
以下のような理由で世界遺産に登録されました。
- 十字軍時代とオスマン時代の建築が、層をなして保存されている独特の都市構造
- 中世の軍事建築とイスラム建築の融合を示す希少な例
- 多宗教、多文化が共存した歴史的証拠
地下に眠る中世の騎士団都市が、上層のオスマン時代の町を支えるように残っているという構造は、世界でも極めて稀な存在です。
覚えておきたい英会話フレーズ
アッコ旧市街を英語で紹介したり、旅の感想を共有したりする会話をご紹介します。
訳)十字軍の遺構がこんなに残ってるなんて信じられない。
訳)ほんとだよね!800年前のトンネルを実際に歩けるなんてすごいよ。
訳)ジャッザール・モスクのドーム、見た? イスタンブールを思い出したよ。
訳)それもそのはず、オスマン帝国の建築様式がモデルなんだって!
訳)この要塞って、オスマン時代は何に使われてたの?
訳)軍の基地として使われたり、牢獄にもなってたらしいよ。
訳)テンプル騎士団のトンネルって、1994年まで発見されてなかったんだって!
訳)まさか!まるで地下都市の発見だね。
おすすめスポット

狭い路地や地下遺構に残された十字軍やオスマン帝国の歴史。アッコ旧市街で訪れたい見どころを厳選してご紹介します。
ジャッザール・モスク
1781年に建設されたこのモスクは、当時の支配者ジャッザール・パシャが自ら設計したとされ、イスタンブールのブルーモスクを模倣した荘厳な建築です。エルサレムを除けば、イスラエル最大のモスクで、敷地内には神学校、図書館、裁判所まで含まれていました。
特筆すべきは、ここに「預言者ムハンマドの髭」が納められているという伝承。イスラム世界における聖なる空間の一つとして、多くの巡礼者を惹きつけてきました。
十字軍の要塞(Crusader’s Citadel)
聖ヨハネ騎士団の本拠地だったこの要塞では、礼拝堂、食堂、騎士の部屋などが当時のままの姿で残されています。中でも「聖ヨハネの地下聖堂」は、鋭いアーチと静謐な空間が印象的。かつて戦いの拠点であり、今では静かに歴史を語りかけてきます。
ハンマーム(AI Basha Turkish Bath House)
18世紀に造られた浴場は、オスマン建築の粋を集めた空間。1974年まで実際に使われていたこの施設は、現在では市立博物館として整備されており、映像展示によって当時の入浴文化が学べます。中庭を囲む構造が特徴的です。
十字軍のトンネル(Templar’s Tunnel)
1187年のエルサレム陥落後、拠点をアッコに移したテンプル騎士団が築いたとされるこのトンネルは、1994年に偶然発見されました。地中にひっそりと隠されていたこの道は、秘密の逃走路として使われていたともいわれ、歩くたびに歴史の息遣いが感じられます。
民俗博物館(Treasures in the Walls Museum)
かつてオスマン帝国の軍事拠点だった建物を利用したこの博物館では、19〜20世紀のガリラヤ地方の暮らしや職人技が紹介されています。陶器、時計、家具、装飾品、メノラーのコレクションなど、多彩な展示が魅力です。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう
アッコ旧市街には、十字軍やオスマン帝国の歴史が今も息づいています。そんな場所を歩きながら、英語で会話ができたら、旅はもっと楽しく、思い出深いものになるでしょう。
世界遺産をきっかけに、英語を使って人とつながる体験を重ねていけば、自然と英語力もアップします。これからも英語といっしょに、世界のすばらしい場所を旅してみましょう。
学んだ英語が旅先で実際に通じたときの喜びは、教室では得られない大きな自信になります。
