ギリシャ北西部、イオニア海に浮かぶ「コルフ島(ギリシャ語でケルキラ、英語でCorfu)」。この島はアドリア海の入り口にあたり、地中海交易の重要な拠点として、古くから多くの文明の影響を受けてきました。
紀元前8世紀にはすでにギリシャの植民都市が築かれ、ローマ帝国、ヴェネツィア共和国、フランス、イギリスと、時代ごとにさまざまな列強が支配してきました。そのため、コルフ島には多様な文化が息づいており、今なお街並みにその面影を残しています。
そんな島の東岸に位置する「コルフ旧市街(Old Town of Corfu)」は、2007年にユネスコの世界遺産に登録されました。石畳の路地、ヴェネツィア風の建物、要塞、広場、教会…歴史的な建物や風景が点在するこの街の歴史や見どころを、英語を交えて紹介します。
コルフ旧市街とは?―城塞に守られた街

コルフ旧市街は、島の中央東部にあり、狭い路地や石畳の通りが迷路のように広がっています。ここはヴェネツィア共和国の支配下にあった15世紀から要塞化が進められ、「カストロポリス(城塞都市)」と呼ばれるようになりました。
旧市街には、当時の建築家ミケーレ・サンミケーリが設計した要塞群が今も残り、オスマン帝国の脅威に備えて建設されました。さらに、19世紀のイギリス統治時代にはネオクラシック様式の住宅が増え、今の街並みに独特の雰囲気を加えています。
訳)コルフ旧市街は、迷路のような狭い路地や石畳の通りが魅力的な街です。
名前の由来
コルフ島の名前は、時代や言語によって変化してきました。
古代ギリシャでは「ケルキュラ(Κέρκυρα)」、ラテン語では「コルキュラ(Corcyra)」と呼ばれていました。また、「山並み」「頂き(crests)」を意味するギリシャ語「コリュファイ(Koryphai)」も語源のひとつです。
ヴェネツィア統治下では「Corfù(コルフ)」と呼ばれ、それが英語にも引き継がれました。現在では、ギリシャ語で「ケルキラ」、英語では「コルフ」が一般的な呼び名です。
アクセス方法
コルフ旧市街へは、ギリシャ本土からのアクセスが便利です。
- アテネから空路で約1時間
- コルフ国際空港から旧市街まではバスやタクシーで約10分
- また、アテネやテッサロニキなど各都市から長距離バスも運行しています。
コルフの歴史
この島は、紀元前からさまざまな支配を受けてきました。
- 紀元前8世紀:ギリシャ人が植民都市を築く
- 紀元前229年:ローマ共和国に服属し、軍事・商業の拠点となる
- 14〜18世紀:ヴェネツィア共和国の支配。オスマン帝国からの防衛のために要塞化
- 19世紀前半:イギリスの支配。都市計画が整備され、ネオクラシック様式の建築が増加
- 1864年:ギリシャ王国に統合。文化的な融合が進む
- 第一次世界大戦期:一時フランス軍が占領し、ユーゴスラビア連合を掲げた「コルフ宣言」が発表される(1917年)
このように、コルフはまさに「文明の交差点」。街並みには東西ヨーロッパのエッセンスが混ざり合っています。
世界遺産としての価値
コルフ旧市街は、2007年ユネスコの世界遺産に登録されました。登録名称は、Old Town of Corfuです。
登録理由は?
世界遺産に登録した理由は以下のとおりです。
- ヴェネツィア共和国の軍事的・都市計画の優れた例を示している
- 要塞、教会、住居などが中世から近代にかけてのヨーロッパ建築を今に伝えている
- ヨーロッパと地中海世界の文化が融合する貴重な都市景観が保たれている
特に、複数の要塞に囲まれた旧市街の構造は、地中海地域における防衛都市としての特徴を色濃く残しています。
覚えておきたい英会話フレーズ
コルフ旧市街を訪れたときに使える、観光や感動の共有にぴったりな英会話フレーズを紹介します。英語で気持ちを伝えてみましょう。
訳)この要塞って、いつ建てられたの?
訳)ヴェネツィア時代、たぶん15世紀ごろだったと思うよ。
訳)この通りってギリシャっぽくないけど、ヨーロッパらしいね。
訳)イギリスやフランスに支配されてたこともあるからね。
訳)この要塞からの景色、最高!
訳)旧市街全体が見渡せるベストスポットだよ。
訳)リストン通りでコーヒーでも飲まない?
訳)いいね!カフェ、すごくおしゃれだよ。
おすすめスポット

歴史ある建物や美しい景観が楽しめるコルフ旧市街。ここでは、ぜひ訪れてほしい見どころをいくつかピックアップしてご紹介します。
聖スピリドン大聖堂(St. Spyridon Church)
島の守護聖人スピリドンに捧げられたギリシャ正教会の教会。内部には聖遺物が安置され、ギリシャ人にとって特別な存在です。毎年、スピリドンの祝日には大規模な行進が行われます。
訳)聖スピリドン大聖堂は、島の守護聖人スピリドンに捧げられたギリシャ正教の大聖堂です。
シタデル(城砦)
東ローマ帝国時代から始まり、ヴェネツィア時代に強化された巨大な城砦。海からの眺めも美しく、現在は一部が老人ホームや監獄として利用されているというユニークな背景も。
旧要塞(パレオ・フルーリオ)
ヴェネツィア人が築いた15世紀の要塞。旧市街を守る要として使われました。展望台からのパノラマは必見。
新要塞(ネオ・フルーリオ)
16世紀に建設された軍事施設。幾重にも重なる防壁が、ヴェネツィアの軍事技術の高さを物語ります。
アンチヴォウニオティッサ教会とビザンチン美術館
ケルキラ最古級のギリシャ正教会。ビザンチン時代のイコンが数多く展示され、クレタ島出身の芸術家たちの作品も見られます。
リストン通り(Liston Street)
ナポレオン時代のフランス文化が反映された遊歩道。並木道沿いにはカフェやビストロが立ち並び、のんびりとした時間を過ごすのにぴったりです。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう
コルフ旧市街は、古代から近代までの歴史を一度に体験できる特別な場所です。異なる文化が融合した美しい街を歩きながら、英語で感動を共有できたら、旅の楽しさはもっと広がるでしょう。
「ここ、なんて素敵なところ!」
そんな気持ちを、世界の人たちと英語で伝えあってみませんか?
