シルクロード」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
砂漠を行き交うキャラバン隊、オアシス都市での交易、異国の文化が交錯する活気ある市場…。そんな壮大な光景が頭に浮かぶのではないでしょうか。

このシルクロードのうち、中国の古都・長安(現在の西安)から中央アジアへ続くルート「長安‐天山回廊の交易路網」が、2014年にユネスコの世界遺産に登録されました。シルクロードの東の起点とされる長安から、カザフスタン、キルギスへと延びる約5000kmに及ぶ交易路と、その沿道に残る33の遺跡群が含まれています。

この記事では、歴史的背景やおすすめスポットを紹介しながら、「ここで役立つ英語」も一緒に学んでいきます。

シルクロード:長安‐天山回廊の交易路網とは?

シルクロード:長安‐天山回廊の交易路網とは?

2014年に「Silk Roads: the Routes Network of Chang’an-Tianshan Corridor」として登録されたこの世界遺産は、中国22件、カザフスタン8件、キルギス3件の合計33件の資産から成り立っています。

登録資産には、都市遺跡、交易拠点、仏教の石窟、古道、郵便駅、峠、万里の長城の一部、要塞、墓や宗教建築などが含まれています。これらはいずれもシルクロードを行き来する人々を支え、文化交流を育んだ貴重な証拠です。

特に中国の陝西省(西安市)、河南省、新疆ウイグル自治区に集中しており、長安を出発したキャラバンが中央アジアへ向かう姿を想像することができます。

シルクロードってどこからどこまで?

シルクロードという名前は、19世紀にドイツの地理学者フェルディナント・フォン・リヒトホーフェンがつけたものです。一本の道を意味するのではなく、古代から利用されてきた複数の交易路の総称です。

この世界遺産の対象区間は、長安から天山回廊を抜けて中央アジアに至る約5000kmの道。しかし、ネットワーク全体としては、実に約8700kmに及んだとされます。

シルクロードの名は文字通り、中国から輸出された「絹」に由来しますが、実際には香辛料、宝石、金属、ガラス器、紙、馬やラクダなど、多彩な品々が行き交いました。つまり「Silk Road」は人類の文化と知恵を運んだ動脈だったのです。

Wikipedia―シルクロード (世界遺産)

シルクロードの歴史

シルクロードの始まりは紀元前2世紀頃、漢の時代にさかのぼります。そして16世紀頃まで、東西をつなぐ交易と文化交流の舞台となり続けました。

長安から中央アジアへ向かうルートは、物資だけでなく思想や宗教、技術も運びました。たとえば仏教はインドからこのルートを通って中国へ伝わり、やがて日本へも広まります。また、イスラム教、キリスト教ネストリウス派もシルクロードを通じて東へ伝わりました。

シルクロードの3つのルート

シルクロードは大きく3つの道に分かれていました。

草原の道(北ルート)

中国北部からモンゴル、中央アジアの草原を抜け、黒海の北を通って東ヨーロッパへ続くルート。遊牧民の生活と深く結びついていました。

オアシスの道(中央ルート)

長安から敦煌を経て、タクラマカン砂漠や天山山脈の周囲を抜けて中央アジア、さらにトルコのアナトリア半島へ至るルート。世界遺産に登録されたのは、このオアシスの道の一部です。リヒトホーフェンが「シルクロード」と名付けたのもこのルートでした。

海の道(海上シルクロード)

中国南部から船で南シナ海、マレー半島を回り、アラビア半島や紅海へ。古代ローマ時代から利用され、7世紀以降はイスラム商人が中心的役割を果たしました。

アクセス

シルクロードの出発点は西安市(旧・長安)。日本からは成田空港から西安咸陽国際空港まで直行便で約5時間半。空港から市内の長安区まではバスで約1時間です。

世界遺産としての価値

このルートが世界遺産に登録された理由は、主に以下のような点です。

  • 紀元前2世紀から16世紀までのユーラシア大陸において、多様な文化的地域、特に遊牧民的ステップと、定住した農耕 / オアシス / 牧畜の各文明との間で起こった相互作用を示している。
  • 紀元前2世紀から16世紀におけるユーラシア大陸を横断する経済的・文化的な交流、社会発展の例証である。
  • ユーラシア大陸の文明・文化交流史上の画期的事件と直接に結びついている。

UNESCO World Heritage Convention:Silk Roads: the Routes Network of Chang’an-Tianshan Corridor

覚えておきたい英語

ここでは、記事に登場したシルクロード関連の英単語を整理し、例文も加えて覚えやすくします。

Silk Road(シルクロード)
The Silk Road connected East and West for centuries.
(シルクロードは何世紀にもわたり東西を結びました。)

trade route(交易路)
This trade route was full of merchants and travelers.
(この交易路は商人や旅人であふれていました。)

caravan(キャラバン)
A caravan of camels carried goods across the desert.
(ラクダのキャラバンが砂漠を越えて商品を運びました。)

oasis(オアシス)
The oasis was a vital stop for traders.
(オアシスは商人にとって重要な休息地でした。)

ancient city(古代都市)
Jiaohe is an impressive ancient city ruin in Turpan.
(交河故城はトルファンにある印象的な古代都市遺跡です。)

旅先で使える英会話フレーズ

ここからは、実際に旅行中に使える会話例を紹介します。

Aさん
This Great Wild Goose Pagoda is breathtaking!
訳)大雁塔、本当に息をのむほど美しいわね!
Bさん
Absolutely. It’s amazing how it has stood for centuries.
訳)本当にそうだね。何世紀も残っているなんて驚きだよ。
Aさん
Can we climb to the top of the pagoda?
訳)あの塔の上に登れるかしら?
Bさん
Of course, and the view will be worth it.
訳)もちろん。上からの景色は最高だよ。
Aさん
What’s that building over there?
訳)あそこに見える建物は何かしら?
Bさん
That’s Yumen Pass, once known as the western gate of China.
訳)あれは玉門関だよ。かつて中国の西の門と呼ばれていたんだ。
Aさん
I’m a little tired. Is there a café nearby?
訳)少し疲れちゃった。近くにカフェはあるかしら?
Bさん
Let’s ask. Excuse me, is there a café around here?
訳)聞いてみよう。すみません、この辺にカフェはありますか?

おすすめスポット紹介

Wild Goose Pagoda

世界遺産に登録されている資産は33もあります。その中でも特におすすめしたいスポットをご紹介します。

中原地区(西安市など)

唐の都・長安を象徴するのが大雁塔(Wild Goose Pagoda)。唐の時代の僧侶がインドから持ち帰った経典や仏像を収めるために建てられました。現在も7階まで登ることができ、市街を一望できます。

再建された大明宮や定鼎門も、古代の宮殿文化を感じられる必見スポットです。

河西回廊地区

ここには、炳霊寺石窟、関所の玉門関など、交易の安全を支えた施設が残っています。玉門関は前漢時代に築かれた関所で、中国の「西の果て」と呼ばれました。現在は遺跡となっています。

天山南北ルート地区

新疆ウイグル自治区の交河故城や高昌故城は、かつてオアシス国家が栄えた場所。特に交河故城は広大な都市遺跡で、仏塔が整然と並ぶ姿から当時の繁栄を想像できます。

ジェティ・ス地区(カザフスタン・キルギス)

キルギスのブラナの塔(Burana Tower)は、かつての都市バラサグンの遺跡。各地から集められた石人が並んでいます。

おわりに:英語で世界遺産を旅しよう!

シルクロードは、物や文化、人の心をつないだ道でした。

シルクロードを訪れたら、英語で「This view is unforgettable!(この景色は忘れられない!)」と言ってみてください。旅がもっと鮮やかになるでしょう。