皆さんは「薬膳」という言葉を英語でどう表現するかご存じでしょうか。

かつては「苦そう」「お年寄りの食事」というイメージがありましたが、2025年は「整う(Totonou)」ブームの延長として、若者の間でオシャレな薬膳カフェやスープ専門店が大流行しました。

こちらの記事では、この「薬膳」の英語表現や、なぜ今健康関連のトレンドとして注目されているのか、そして新語・流行語大賞ノミネート語30に選ばれた背景まで、最新の情報を交えてわかりやすく整理していきます。

薬膳を英語でどう言う?

薬膳を英語でどう言う?

まずは、この東洋医学に基づく食事法を英語でどう表現するかを見ていきましょう。

“Chinese medicinal cuisine”と表現するのが一般的

「薬膳」の意味を正確に伝えるなら、“Chinese medicinal cuisine”(中医学に基づく薬膳料理)と表現するのが一般的です。

  • Medicinal:薬効のある、薬の
  • Cuisine:料理

「薬(Medicine)」という言葉が入っているため、体に良いという機能性が伝わりやすい表現です。

英文でさくっと説明してみよう

健康意識の高い友人と話すシーンを想定してみましょう。

Aさん
I’m into Chinese medicinal cuisine lately to improve my health.

訳)最近、健康のために薬膳(料理)にハマっているんだ。

食材を強調するなら”Herbal cuisine”

また、生薬やハーブを使っていることを強調したい場合は、より響きの良い“Herbal cuisine”(ハーブ料理)という表現も使われます。

Bさん
“Medicinal”だと少し「病院食」っぽい堅い印象を与えることもあるので、カフェメニューなどを紹介する時は”Herbal”の方が美味しそうに聞こえます。

どちらかというと日本のトレンドはこちらの方が説明がしやすいかもしれません。

そもそも薬膳とは?

【麻辣湯】は英語で何?新語・流行語大賞ノミネート語30に選出!

英語表現がわかったところで、そもそもなぜ古来からある「薬膳」が2025年に改めてトレンド入りしたのか、その背景を確認しておきましょう。

「医食同源」の現代的アップデート

薬膳とは、中医学の考え方に基づき、季節や体調に合わせて食材や生薬を組み合わせた料理のことです。

2025年は、サウナブームなどで定着した「ととのう」文化が食事にも波及。「なんとなく不調」を整えるために、ガッツリした食事よりも、スパイスや生薬を使ったスープや粥を好む若者が急増しました。

とにかく健康ブームが来た年であり、美味しく痩せていくをモットーに様々なアクティビティや食事などが人気の年でした。

「麻辣湯」ブームとの相乗効果

また、同じく今年大ヒットした「麻辣湯(マーラータン)」も、実はスパイスを多用した薬膳料理の一種です。

「美味しくて、映えて、しかも体に良い」という文脈で、これまで敷居が高かった薬膳が、日常的なランチの選択肢としてカジュアルダウンされたことがブームの要因と言えます。

薬膳とは、食材や食薬を用いながら、飲食、養生、健康維持や健康増進、病気の予防などを目的とした中国発祥の料理や献立のことです。中国古来の思想(薬食同源)から生まれたとされています。

薬膳小町より引用

薬膳を外国人に説明する

訪日外国人や海外の友人にこの話題を説明する場合、これが「東洋の健康法(Eastern health method)」であることを伝えるとスムーズです。

①食事と薬は同じ源だと伝える

まずは、コンセプトを説明します。

Aさん
“Yakuzen” is based on the concept that food and medicine come from the same source.

訳)「薬膳」は、食事と薬は同じ源である(医食同源)という考えに基づいています。

②バランスを整える食事だと補足する

次に、どんな効果があるのかを説明します。

Aさん
We use ingredients like ginger, ginseng, and goji berries to balance the body and mind.

訳)生姜や高麗人参、クコの実などの食材を使って、体と心のバランスを整えるんだ。

海外でも“Superfood”(スーパーフード)や“Holistic health”(全体的な健康)への関心は高いので、それらとリンクさせて説明してあげると興味を持ってもらいやすいでしょう。

場合によっては”Chinese”というキーワードを入れてあげると、欧米で人気のプロテインなどと混同せずに伝えることができます。

薬膳が流行語大賞に?

オンカジが流行語大賞に?

さて、そんなウェルネス・トレンドの象徴「薬膳」ですが、2025年の流行語大賞の候補にも入りました。

なぜこのタイミングで話題になっているのか、詳しく見ていきましょう。

『2025 新語・流行語大賞』のノミネート語30に選定

年末に近づくにつれ多くの方が気になるであろう「流行語大賞」というイベントが今年も実施予定です。詳細は以下の通りとなります。

自由国民社がその年1年間に発生した「ことば」のなかから選考し、その「ことば」に関わった人物、団体を顕彰するとされている賞。2004年(平成16年)からは「『現代用語の基礎知識』選 ユーキャン新語・流行語大賞」に、2025年からは「『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞」に改称している。

ウィキペディアより引用

2025年度からは引用の通り名称が変わり「『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞」という名前になりました。より詳しく知りたい方は、以下公式HPをご覧ください。

「薬膳」も候補入り

今回記事に取り上げている「薬膳」についても、流行語大賞の候補30選に選ばれました。

候補の中では「No.27」の位置づけとなっておりますが、順位が27位というわけではありません。

「麻辣湯」や「リカバリーウェア」と同様に、健康や癒やしを求める現代人のニーズが反映された結果であり、古臭いイメージを払拭して若者文化に定着したことが候補入りのきっかけでしょう。

「緊急銃猟」や「ひょうろく」なども候補に

「薬膳」のほかにも、今年は色々な言葉がノミネートされています。

クマ被害への対策強化で話題となった「緊急銃猟」や、腰の低さでブレイクした芸人「ひょうろく」

また、情報メディアのあり方を問う「オールドメディア」など、社会問題からエンタメまで幅広いジャンルの言葉が並んでいます。

現在候補に挙がっている30個はまさにサラダボウルのような状態であり、何が大賞を取るのか最後まで目が離せません。

まとめ

こちらの記事では「薬膳」の英語表現や、2025年のウェルネスブームの背景、そして流行語大賞ノミネートの話題までご紹介しました。最後に一緒に復習していきましょう。

  • 英語では”Chinese medicinal cuisine”や”Herbal cuisine”
  • 「医食同源」の考えに基づき体を整える食事
  • 麻辣湯ブームやサウナ文化とリンクして再流行
  • 2025年の新語・流行語大賞ノミネート語30にも選ばれた

これから「流行語大賞」やトップ10の発表も行われることになりますので、ぜひ「薬膳」がどこまでランクインするのか、一緒に情報を追いかけていきましょう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。