ノルウェーのフィヨルドに囲まれた港町、ベルゲン。その旧市街に広がる「ブリッゲン(Bryggen)」地区は、まるで絵本から飛び出したようなカラフルな木造建築が立ち並び、ユネスコ世界遺産に登録されています。
14〜16世紀には、ドイツを中心としたハンザ同盟の交易拠点として栄え、今も中世の面影を色濃く残すこの地区。火災に何度も見舞われながらも、そのたびに伝統的な工法で再建され、今では観光名所として世界中から人々を惹きつけています。
今回は、そんなブリッゲンの魅力を、英語のフレーズを交えながらご紹介します。
ブリッゲンとは?

中世の商業都市の面影を残す、ノルウェーの人気観光地ブリッゲンについてみていきましょう。
カラフルな建物たち:色で商人の個性を表現
ベルゲンのブリッゲン地区で最初に目を引くのが、三角屋根の色とりどりの木造家屋たち。赤、黄色、白などの明るい色合いは、遠くからも見分けがつくよう、昔の商人たちが工夫して塗ったものだと言われています。
訳)明るい色は、商人たちが自分の倉庫を遠くから見分けやすくするための工夫でした。
現在の町並みは、1702年の大火災後に再建されたもので、62棟の木造建築が保存されています。ブリッゲンの家屋は「切妻屋根(gabled roof)」が特徴で、裏手には中庭を共有する構造も残されています。
また、ノルウェーの冬は非常に日照時間が短いため、明るい色の建物は街全体を明るく保つ役割も担っていたのです。
ハンザ同盟とは?
ハンザ同盟(Hanseatic League)は、中世ヨーロッパにおいて北海・バルト海周辺の商業都市が連携して形成した強力な経済ネットワーク。ベルゲンもその重要な拠点のひとつで、主にドイツのリューベックから来た商人たちが、干しダラを中心とした交易を行っていました。
訳)ハンザ同盟は中世ヨーロッパにおける強力な貿易同盟でした。
ベルゲンでは、商人たちの居住区が厳しく分かれており、倉庫・住居・取引所の役割を果たす建物が独自のルールで建てられていました。
「アナと雪の女王」のモデル?
ブリッゲンの風景は、ディズニー映画『アナと雪の女王』に登場する「アレンデール王国(Arendelle)」のモデルの一部とも言われています。実際、色とりどりの木造家屋、フィヨルドに面した港町の景観は、映画に描かれた世界そのもののようです。
訳)ここが『アナと雪の女王』の舞台なの?
アクセス方法
オスロ空港からベルゲン空港までは国内線で約1時間。ベルゲン空港から市内へはライトレール(Bybanen)や空港バス(Flybussen)で30〜40分ほどでアクセス可能です。市内中心部からブリッゲンまでは徒歩圏内です。
ブリッゲンの歴史
11世紀に建設されたベルゲンは、13世紀からハンザ商人たちの拠点となり、14〜16世紀にかけてノルウェー最大の貿易都市として栄えました。
とくに有名なのは、北極圏近くで獲れたタラを干して保存した「干し鱈」。これはヨーロッパ各地へと輸出され、ノルウェーの主要産業となりました。
ブリッゲンはその後もたびたび火災に遭いましたが、伝統的な工法によって再建され続けました。現代では、博物館やショップ、カフェが入る観光地としてにぎわい、当時の建築スタイルを体験できる場所となっています。
世界遺産としての価値
ブリッゲン(Bryggen)は1979年、ユネスコの世界遺産に登録されました。
登録理由は?
ブリッゲンの価値は、ハンザ同盟の交易都市としての歴史と、中世の都市構造や木造建築技術が今も残されている点にあります。
特に、火災で壊滅的な被害を受けながらも、都市構造を変えることなく再建してきた点が高く評価されました。
訳)ブリッゲンは、中世の貿易都市の姿を今に残す貴重な例です。
覚えておきたい英会話フレーズ
ブリッゲンの旅を英語で語ってみましょう。
訳)見て、このカラフルな家々!とっても可愛いね。
訳)ほんとだね。まるでおとぎ話の世界に入り込んだみたい。
訳)ここって中世の貿易センターだったんだって。
訳)そうなの?面白いね!
訳)もっとゆっくり博物館も見たいなあ。
訳)僕も。またいつか来ようよ。
ブリッゲンの主な構成資産を紹介

ブリッゲン地区には、歴史を感じる博物館や色とりどりの木造建築、地元の海産物が並ぶ市場など、見どころが満載です。中世の商人たちの暮らしを感じられるスポットが多く、歩くだけでもタイムスリップしたような気分を味わえます。
ブリッゲン博物館
ブリッゲン地区の発掘調査によって見つかった出土品を中心に、中世ベルゲンの暮らしや文化を紹介する博物館です。木造建築の構造や、当時の生活道具、交易品などが展示されており、歴史に興味のある人にはたまらないスポットです。
ハンザ博物館
14世紀から18世紀にかけてここに住んでいたドイツ系ハンザ商人の暮らしぶりを忠実に再現。寝室や食堂、倉庫まで細部にわたって再現されており、中世の商人たちがどんな生活をしていたのかをリアルに体感できます。建物自体も貴重な木造建築です。
カラフルな木造建築群
ブリッゲンを象徴する三角屋根のカラフルな建物は、通りを歩いているだけでワクワクする風景。現在も多くがショップやカフェ、ギャラリーとして活用されており、観光客にも大人気の写真スポットです。
ベルゲン魚市場
ブリッゲン近くの港にある活気あふれる屋外市場で、新鮮なシーフードや果物、地元グルメが楽しめます。地元の人との交流も楽しみのひとつです。
聖母マリア教会
ベルゲン最古とされる石造教会で、12世紀に建てられたロマネスク様式の建築が見事に残っています。落ち着いた雰囲気の中に、中世から続く歴史の重みを感じられる荘厳な空間です。内部の装飾や彫刻も見ごたえがあります。
港の景色
ブリッゲンの前に広がる港の風景は、時間帯によってまったく違った表情を見せてくれます。朝の静けさ、昼のにぎわい、そして夜のライトアップされた幻想的な風景。海と山に囲まれたベルゲンならではの美しい眺めを、ぜひ写真に収めてください。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう
ブリッゲンは、中世のヨーロッパと現代が調和し、歴史・建築・文化がぎゅっと詰まった、生きた遺産です。
こんな魅力的な場所を英語で紹介できたら、旅も会話ももっと豊かになりそうですね。
