日本で生まれたスポーツ「柔道」は、今や国際的競技の1つです。オリンピックの正式種目にもなっており、世界中に選手や競技のファンがいます。このような柔道ですが、例えば英語で競技の内容を伝えるときはどのように表現すれば良いのでしょうか。そこで本記事では、柔道に関し、基本的な用語やルール、技名など用いられる頻度の高い言葉のの英語表現を紹介します。

柔道の概要と基本用語の英語表現

柔道は英語にすると「judo」になります。日本語読みがそのまま英語になっており、また綴りもローマ字そのままです。また、柔道で使う用語のほとんどが、「judo」と同じく日本語の読み方・ローマ字で表現されます。つまり、柔道を英語で表現する場合、日本語での柔道用語を理解していれば、そのまま英語でも通用するということです。例えば柔道を行う人を柔道家と呼びますが、英語では「judoka」です。柔道選手は「judo athlete」や「judist」と表現することもできます。柔道家は競技選手として現役で活動する人だけでなく、引退した選手や選手として活動していない人も広義に含む言葉なので、場面によって使い分けると良いでしょう。また、柔道を行う上で欠かせない柔道着は、「judo uniform」と表すほか、そのまま「judogi」と表現されることもあります。

そのほか、段位に関する英語表現も見ていきましょう。柔道はその人の技量を表すものとして段級を用いています。この段位は英語では「dan」です。段位の考え方は世界でも一定広まっているためそのまま使用しても通じますが、「degree」や「level」と置き換えることも可能でしょう。段位は初段から10段までありますが、段位によって表現が少し異なります。例えば初段を英語で言う場合「first degree black belt」と表現するのも1つです。柔道着を着用する際に締める帯は、級や段によって色が異なります。

級・段を所持していない人は白帯、1~3級は茶帯などです(ただし、14歳以下は少年用の帯となり色の割り振りが成年用とやや異なります)。よく一定のレベルを持った人を「黒帯を持っている」などと表現することがありますが、柔道の初段所持者からまさに黒帯を締めることができます。「first degree black belt」はこの黒帯を用いた表現です。なお、単に「first」としたり、また日本語の読み方をそのまま使って「shodan」と言ったりもします。初段より上の段位は数字と「dan」で表すのが一般的です。例えば2段は「2 dan」、5段は「5 dan」となります。

柔道の試合は選手の体重によって階級が分けられます。この階級を英語で表す場合、例えば48kg級は「48kg class」です。なお、1984年のロサンゼルスオリンピックまで種目に存在していた無差別級は「openweight」となります。なお、競技をすることを英語で表す場合、「play tennis」のように、スポーツ名の前に「play」を付けますが、柔道の場合は「do」または「practice」を使用するのが一般的なので覚えておきましょう。

柔道の試合用語・技名の英語表現

それでは、柔道の試合時に使用される用語の英語表現を見ていきましょう。まずは試合の勝敗に関わる用語からです。柔道は技が決まるたびに、審判が判定を行います。勝利確定の判定を先にもらうか、あるいは試合終了までに有利な判定を多くもらっていた方が勝者になります。判定の中で最も効力が強い「一本」は、技をかけて相手を勢いよく仰向けに倒したり、抑え込みをかけて相手を一定時間抑え込んだり、一定の条件下で出される判定です。一本をもらったらその時点で勝利となり、試合は決着します。この一本は英語でも「ippon」と表します。

「技あり」は一本の次に効力の強い判定です。これ1つでは試合は決着しませんが、技ありを2回とると「合わせ技一本」として一本扱いになり、勝負が決着します。技ありは英語にすると「waza-ari」です。なお、過去には「有効」「効果」などの技ありより下の判定もありましたが、国際柔道連盟のルール改正により、現在は廃止されています。

柔道の試合は審判の「始め」の発声で開始されます。英語で直訳すれば「start」ですが、柔道の国際試合でも日本語の発音がそのまま採用され、「hajime」でスタートします。また、試合の途中で何らかのトラブルにより試合を一時ストップする場合、審判が「待て」と声をかけますが、国際試合でも「mate」が使われます。

このように、柔道の試合用語は英語に変換するときも、日本語の読み方がそのまま採用されています。そしてこれは、柔道の技名も同様です。柔道は投技・投身技・固技の3つの技からなり、それぞれの中にいくつもの種類の技があります。例えば、柔道を象徴する技の1つとして非常に知名度が高い背負い投げ。相手の襟を掴み、相手の体を自分の背中に背負って投げる豪快な技です。背負い投げは英語でも「seoinage」です。

また、足技でよく使用される大外刈は「osotogari」、固め技の中でもポピュラーな袈裟固は「kesagatame」となります。ただし、英語と日本語の読み方が同じであっても、初めてその言葉を目に耳にする人にとっては、どのような技なのか具体的なイメージがしにくいでしょう。技をさらに詳しく伝えたい場合は、英語でより細かな説明が必要です。

柔道に関する英語例文

それでは、これまで紹介した単語を使用した英語例文を紹介します。柔道について外国人に説明したいときなどぜひ参考にしてみてください。

Aさん
Judo is a sport originated in Japan,and one of the Olympic events.
訳)柔道は日本発祥のスポーツで、オリンピック種目の1つです。

柔道に関して説明する導入として使える例文です。オリンピックで柔道の試合を見たことがある人は世界でも多いはず。オリンピックの種目の1つだと説明することで、より相手の興味を引くことができるでしょう。

Aさん
He is a judoka.Currently, he has retired as a player and is the director of the ABC University Judo Club.
訳)彼は柔道家です。現在は選手を引退し、ABC大学柔道部の監督を務めています。

柔道家の中には、選手を引退した後も学校の部活やクラブで監督・コーチを務めながら柔道に関わり続ける人が多くいます。また、オリンピックでメダルを獲得した選手が国の代表監督になることも珍しくありません。有名選手の現在の状況を説明したいときなどにもこの例文が使えるでしょう。

Aさん
The judo match will start with both players bowing to each, and be decided by the judgment such as “one” or “waza-ari”.
訳)柔道の試合は選手がお互いに礼をするところから始まり、「一本」「技あり」などの判定によって勝負がつきます。

柔道の試合の決まりや仕組みの説明を想定した例文です。試合の始め方や勝ち負けの判定の仕方などを説明することで、柔道の試合をあまり知らない人でも具体的なイメージが持ちやすくなります。なお、一本や技ありは英語でもそのままの読みになりますが、柔道の専門用語なのでさらに詳しく内容を伝えるとより理解してもらいやすいでしょう。

Aさん
Seoinage is the technique of taking the opponent’s arm and carrying the opponent’s body on his back.
訳)背負い投げとは相手の腕を取り相手の体を背負って投げる技です。

柔道の技の中でも知名度が高くインパクトが強い背負い投げ。持ち技にしている選手も多いので、どのような技なのか詳しく説明することで、説明相手の柔道への関心度がアップするかもしれません。柔道の技は固有名詞がほとんどです。もし相手にうまく伝わらない場合は、より具体的に理解してもらえるよう、ほかの英語表現を使いながら丁寧に説明してみてください。

柔道に関する英語表現を理解すればより具体的に会話ができる

柔道に関する英語表現を覚えておけば、柔道について英語でしっかり会話できます。また、英語表現とあわせて柔道の基本的なルールや技の名前などを理解しておくことで、柔道を知る人とは具体的な内容を話し合えます。柔道をよく知らない人には詳しい説明ができるでしょう。オリンピック種目でもある柔道は世界中で注目を集めるスポーツ。ぜひこの記事を参考に、柔道関連の英語表現や例文を蓄えてみてください。