「国語」は英語で何と言うか知っていますか。おそらくほとんどの日本人が”Japanese”と答えるでしょう。
「国語」=”Japanese”は、間違いではありません。
しかし、世界では異なるさまざまな「国語」がたくさん使われています。「国語」は「その国で話される言語」を表しており、使い方は「公用語」や「共通語」などと同様です。
今回は、そんな「国語」にまつわる英語表現を例文とともにわかりやすく解説していきます。
「国語」は英語で何と言う?
「国語」は、英語で”National Language”です。
「Japaneseじゃないの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、国によって話す言語が違うため、どの国の話をしているかによって指す言葉も異なるのです。
「国語」の他にも、「公用語」や「母国語」、「共通語」など言語を表す英語はいろいろあります。
- national language(国語)
- official language(公用語)
- first language / mother tongue / native language(母国語)
- common language(共通言語)
- global language(世界言語)
English and French are the two official languages in Canada.
訳)英語とフランス語がカナダの公用語だよ。
I speak Spanish but my first language is English.
訳)私はスペイン語を話しているけれど、母国語は英語なんだ。
You know, English is a global language.
訳)ほら、英語は世界的な言語だからさ。
I am French and you are Japanese, but our common language is English.
訳)私はフランス人で、あなたは日本人だけど、私たちの共通言語は英語なのよね。
2カ国語話せるとバイリンガル?
日本語の他に英語や中国語、ドイツ語など、2ヵ国語話せることを”Bilingual”(バイリンガル)と言うのはよく知られています。
3ヵ国語は、”Trilingual”(トリリンガル)
4ヵ国語は、”Quadrilingual”(クァドリンガル)
5ヵ国語は、”Pentalingual”(ペンタリンガル)です。
たいていの場合、3ヵ国語以上は多言語という意味で”Multilingual”(マルチリンガル)を使います。
また、多くの日本人のように1つの言語だけを話す場合は、“monolingual”(モノリンガル)と言うので覚えておきましょう。
Lisa is bilingual. She speaks English and Japanese.
訳)リサはバイリンガルだよ。英語と日本語を話せるの。
Tom is multilingual, he speaks French, Spanish, English and Portuguese!
訳)トムはマルチリンガルで、フランス語とスペイン語、英語それにポルトガル語が話せるよ!
I wish I was multilingual!
訳)私がマルチリンガルだったらなあ!
「国語」=”Japanese”は日本だけ
「国語」を意味する英語といえば、ほとんどの日本人が”Japanese”と答えるでしょう。しかし、「国語」=”Japanese”は日本でしか通用しません。なぜなら、ここが日本で主な言語が日本語だからです。
日本以外の国で「国語」といったら、当然その国の言語のことを意味します。
したがって、英語を母国語とする国の国語は、もちろん”English”。フランスの国語は”French”、ドイツの国語は”German”、オランダの国語は”Dutch”ということになります。
じつは英語には「国語」という科目はありません。自国の言語を習う科目として”English”があり、それぞれ細分化された授業を行っているのが一般的です。
Englishの授業内容は、下記のような科目があります。
- Reading(読み方)
- Creative writing(作文)
- Hand writing(書き方)
- Spelling(綴り方)
- Literature(文学)
- Classics(古典)
- Speech/Debate(スピーチ、ディベート/議論)
「国語」の授業は7つある!
漢字や文章読解、文法など、学校で習う「国語」は、英語で”Japanese Language”です。「国語の授業」は、classをつけて”Japanese Language classes”と言います。
ほとんどの小中学校で「国語」は1科目ですが、高校へ上がると「国語」の授業はさらに6つに分類されます(参照:【国語編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 (mext.go.jp))。
「国語」とその他の授業科目を英語で確認してみましょう。
Japanese Language | 国語総合 |
Contemporary Japanese Language | 現代国語 |
Language Culture | 言語文化 |
Japanese Language Logic | 論理国語 |
Japanese Language Literature | 文学国語 |
Japanese Language Expression | 国語表現 |
Advanced Classics | 古典探究 |
mathematics | 算数/数学 |
science | 理科 |
physics | 物理 |
chemistry | 化学 |
social studies | 社会 |
history | 歴史 |
geography | 地理 |
civics | 公民 |
ethics | 倫理 |
politics and economics | 政治経済 |
English | 英語 |
art | 美術 |
music | 音楽 |
P.E. (physical educationの略) | 体育 |
「国語力」は英語で何と言う?
「国語力」は英語でいうと、”verbal aptitude”です。
”verbal”は、「言葉の、言語の、口頭の」、”aptitude”は、「適性、傾向、性質、才能」を意味します。
「国語力」とは、「思考力」や「想像力」をはじめ「感受性」や「表現力」などで構成される日本語を運用する総合力のことを指します。全ての学習の基礎となっており、あらゆる知的活動においてとても重要な力です。
「国語力」には、「読解力」と「語彙」が欠かせません。
「読解力」は英語で、”reading comprehension skills”です。その名の通り、文章を読んで内容を理解する力のことを意味します。この読解力こそ国語力の根幹であり、日本語だけでなく英語の長文読解にも必須となるスキルです。
I want to improve my reading comprehension in English.
訳)英語の読解力をつけたい。
How can I improve my reading comprehension skills in English?
訳)どうすれば英語の読解力をあげられる?
読解力とともに重要なのが語彙です。文章内に出てくる言葉を知っているのと知らないのでは、理解度にも大きく差が出るでしょう。
「語彙」は英語で、”vovabulary”と言います。「ボキャブラリー」は、日本語としてもなじみのある言葉ではないでしょうか。語彙が豊富な人は、表現力に優れているためコミュニケーション力が高く、相手に合わせた柔軟な会話ができます。
There is a vocabulary test in English class tomorrow.
訳)明日、英語の授業で語彙力のテストがあるの。
I wish I knew more vocabulary.
訳)もっと語彙力があればよかったなあ。
まとめ
「国語」にまつわる英語表現を例文とともに解説しました。
「国語」は英語で、”national language”です。この場合の意味は、「その国で話されている言語」となります。日本の国語は”Japanese”、フランスの国語は”French”といったように、「国語」は国によって異なることを覚えておきましょう。
英語の習得・上達には、国語力が不可欠です。語彙が増えて読解力がつき、国語力が上がれば、自ずと英語力も向上します。使う国は違っても、英語も日本語も同じ「国語」なのです。英語の勉強をするときは、合わせて国語(日本語)の勉強にも意識を向けてみることをおすすめします。