「相手の気持ちを考えてリスペクト」
「相手を傷つけない」
「相手に不足無し!」
日本語の「相手」は大変便利ですね。相手というだけで色々な人を含めることができます。ところが、英語には相手に当たる言葉がありません。状況に合わせた言葉を使い分ける必要があります。皆さんは英語の「相手」、いくつ知っていますか?
この記事ではパートナーから喧嘩相手まで「相手」に使われる様々な英語表現を紹介します。
「相手」の英語
相手と一口に言っても、結婚したパートナーから苦情を言ってくる客まで含みます。自分と一緒に物事を行なう人だったり、物事をするときにその行為の対象となる人が相手の定義だからです。「相手のチームが強い」など、相手は1人ということでもありませんね。
ここで、相手という場合の英語の単語を一気に並べてみましょう。その後でそれぞれを詳しく解説していきます。
- the other person
- the other side
- partner
- companion
- opponent
the other person
まず一つ目の相手はthe other person。このフレーズで注目したいのはthe otherです。otherの前にtheをつけると2つのうちのもう一つ(もう一方)の意味になります。personをもってくることで、自分ともう1人の人=相手という捉え方をしましょう。
the other side
一つ目のthe other personと似ている表現で、personの代わりにsideを使っています。sideはもともと「向こう側・側」の意味を持ち、the other sideは向こう側や反対側として使われることが多いのですが、このフレーズでもう一つ(もう一方)の側=相手とすることができます。
partner
partnerはパートナーとして日本語でも使われる馴染みのある単語です。partnerを辞書で調べると「行動をともにする仲間、共同出資者・経営者、提携企業」などが出てきますが、私たちにしっくりくるのは「配偶者、連れ合い、伴侶、相棒、相方、ダンスの相手」ではないでしょうか?どれも、自分にとっての相手であり、組む相手というニュアンスを持っています。
My partner is still wonderful even we have been together more than 30 years.
訳)30年以上一緒にいても、私のパートナー(相手)は素晴らしいの。
companion
イベントコンパニオンと言えば、国際的な催しなどで来賓の案内をしたり、展示物の説明など接待に当たる女性を指すことが多いですが、companion(コンパニオン)にはもともと「仲間、友、連れ」の意味があります。friendが単なる友達を言うのと比べ、対の一方のニュアンスを持つcompanionはよく一緒に時間を過ごす人を指します。
opponent
相手は相手でもopponent(オポウネント)になると、対戦相手、競争相手を表す英単語になります。動詞opposeが争う、敵対する、提案などに反対するという意味からも、opponentは敵である相手のことをいうことが理解できるでしょう。
I must beat the opponent to get a gold medal.
訳)金メダルを取るにはこの敵(相手)を倒さないといけない。
相手と言いたいときに便利なsomeoneやperson
ここで、相手のことを言うときに覚えておくと便利な言葉someoneやpersonについて話しておきましょう。
相手には、会話の相手、電話相手、チャットの相手、契約相手などなど多くの使われ方があり、それらを一つ一つ英語で表現するときにどうするかというポイントがあります。
英語の場合、自分の前に相手がいるときにはどんな人であってもyouが使えます。ビジネスシーンで日本語では御社という特別な言葉を使うときでも、英語はyour companyでいけることなどもその例になります。
そして、相手について他の人と話すといった場合にはsomeoneやpersonを使うと便利です。例を紹介します。
I’m on the phone with a person from school.
訳)学校の人と電話中です。
(→電話をしている相手は学校の人)
He enjoyed chatting with someone he had met online and he said they’d decided to meet next Friday.
訳)彼はネットで知り合った人とのおしゃべりが楽しく、来週金曜に会うことにしたそうだよ。
(→チャットをした相手はネットで知り合った人)
英語には一つで多くの相手が含まれる言葉がないため、ある程度説明が必要であることも理解しなければなりません。しかし、本来の単語自体はsomeoneやpersonといった人を示すシンプルなもので伝えられることを抑えてくださいね。
相手かまわず, 相手から遠ざかる, 相手が悪い, 相手としてふさわしい
相手が使われる表現はいくつもあります。そこで、4つほど普段の会話で使う可能性があるものを選び、英語ではどのように言うのかみていきます。
相手かまわず
- regardless of who they are
- regardless of the opponent
相手かまわず、誰かれ構わずという表現は相手が誰であろうとも気にしない、対象が不特定であることを言います。英語では「構わない、気にしない」という単語regardlessを使って言い表すことができます。of以降にはwho they areやopponentなど相手に当たるものをもってきてください。
Regardless of the opponent, you should just do your best in the competition.
訳)相手がどうであれ(相手にかまわず)、大会ではベストを尽くすのみだ。
相手から遠ざかる
- stay away from the others
- be isolated from the others
相手から遠ざかるというとき、物理的に離れる、メンタル面で距離を置くという二面性があります。
stay away from the othersのほうはCovid-19でsocial distancingと言われたように物理的に距離をとるときに使えます。
一方、be isolated from the othersはisolated(孤立した、人と交わらない、場所が隔てられた)が使われていることから物理的・精神的の双方で使えると言えます。どうしても馬が合わないと感じた友人からは自然と遠ざかることってありませんか?
The reason she has been isolated from the others is that she has negative thoughts for many things.
訳)彼女が周りから孤立させられている(相手が遠ざけている)理由は、色々なことに対してネガティブな考えを持っているからです。
相手が悪い
特に、何かの試合などで強敵に負けたときに「相手が悪かったんだよ」などと言うことがあります。この場合、The opponent was too tough to fight.(相手が手強すぎた=相手が悪かった)で伝えてみてください。
なお、相手が悪い=相手のせいだ、と言いたいときはThat’s his fault!(彼のせいだ!)という言い方になります。喧嘩をするときにネイティブがよく使います。
相手としてふさわしい
ふさわしいとはつり合っていること、適しているということですね。英語ではsuitable, worthy, meet, fitting, commensurateなど多くの英単語があります。「相手としてふさわしい人」は、理想の・適任の意味を持つrightが使えます。理想の人と出会う、自分がそう思えたり周りもそう感じるようであれば素敵な関係ですね。
I wonder if I am the right person for you?
訳)私って、あなたにとってふさわしい相手なのかな?
対戦相手、喧嘩相手、相談相手
さらに、相手が使われたフレーズを紹介していきます。
- 対戦相手 opponent/adversary
- 喧嘩相手 get into a fight with
- 相談相手 adviser/counselor
My partner can be my adviser but also someone to get into a fight with.
訳)私のパートナーは相談相手でもあり、喧嘩相手でもあるんです。
イギリス人の「相手」に対する態度とは?
最後に、筆者が住む英国で相手に接するときの態度がどのようなものか紹介しましょう。
国民性について短く説明することは難しいですが、一つ挙げるとすれば相手を尊重するという考えに長けているという点があります。個性を尊重し、違って当たり前という感じであり、あまり人のすることに干渉しません。干渉しないといっても、バギーを押すお母さんが駅の階段を降りようとしていればラッシュアワーだろうが助けを申し出る人が確実にいたり、障害を持つ人へとても優しいという態度からは多くを学ぶことができます。
まとめ
相手という言葉を表す英語表現を紹介しました。なかなか一言でその都度に適した相手を使い分けるのって難しいと感じた方もいるかもしれません。そんなときは、オンライン講師など英会話の相手を求めて積極的に話していくことが自然な感覚を得る一つの方法と言えるでしょう。