今回のテーマは「ライト」です。

カタカナではまとめて「ライト」と表されますが、実際には light と right の2種類の単語が存在します。これらの違いについて、発音の面と意味の面から、詳しく確認していきます。

これを読めば、今まで light と right の違いが曖昧だった人も、スッキリ理解できるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「ライト」は英語で何て言う?

「ライト」は、英語だと “light” と “right” の2種類の単語が存在します。前者の light は主に「光」や「軽い」を表し、後者の right は「右」や「正しい」を表します。

それぞれの意味については後ほど詳しく説明するとして、ここではまず、両者の発音の違いを確認しておきましょう。

light と right の発音の違いとコツ

light と right は、カタカナで表記するとどちらも同じ「ライト」ですが、実際には発音が異なります。簡単に言うと L と R の違いです。

前者の light の発音記号は「lάɪt」。L の発音は上の前歯の裏辺りに舌先を当てながら言うのがコツです。

後者の right の発音記号は「rάɪt」。Rの発音は舌先が口の中のどこにも当たらない状態で言うのがコツです。クルッと曲げて上顎の下辺りを向けておくのが良いでしょう。

Lの発音は、ほとんど日本語のラリルレロと同じで、Rは巻き舌っぽく聞こえます。そのため、right のつもりでも気をつけないと light だと取られてしまいやすいので気をつけましょう。

Aさん
Please turn light at the next corner.
訳)次の角で明るくなってください。(※「右に曲がってください」と言っているつもり)
Bさん
What? Why? How?
訳)何?なぜ?どうやって?

 

light の意味と使い方

light の意味と使い方

1つ目のライトである “light” には、大きく分けて「光」と「軽い」の2種類の意味がありますこれら2つの意味に一見関連性は無さそうですが、その秘密は語源にあります。

light の語源を辿ると、古英語で「光」を表す “liehtan” に行き着きます。光の量(光束)の単位である “lumen(ルーメン)” も同語源です。

ただ、もう1つ “leoht” という古英語も存在し、これには「軽い」という意味がありました。見ての通り、これらの単語は綴りが似ています。おそらく、当時の発音も似ていたのでしょう。その結果、長い歴史の過程で両者の意味が混ざり合い、現在のように同単語に収束したものと推察されます。

続いて、「光」と「軽い」のそれぞれを表す light の用法について確認していきましょう。

「光」を表す light

light は一括りに「光」と言っても、細かく分けるといろいろな意味で使われます。そのうち代表的なものは、名詞で「光」、形容詞で「明るい」、動詞で「火をつける」の3種類それぞれを使った例文は以下の通りです。

名詞「光」

Aさん
The light of day gives a good effect to our body.
訳)日の光は、私たちの身体に良い影響を与えます。

形容詞「明るい」

Aさん
I like light brown the best of all the colors.
訳)すべての色の中で、明るい茶色が一番好きです。

動詞「火をつける」

Aさん
A lighter is a tool used to light something, such as cigarettes.
訳)ライターは、タバコなどに火をつけるために使われる道具です。

「軽い」を表す light

「軽い」を表す light の場合は、主に形容詞として使われます

物理的な軽さはもちろん、「口当たりが軽い」「罰則が軽い」「足取りが軽い」など、日本語の「軽い」と同じく比喩的にさまざまな意味を表すことができます。

Aさん
This bag is light.
訳)このカバンは軽いです。
Aさん
I can’t drink much, so I always order a light cocktail.
訳)お酒に強くないので、いつも軽いカクテルを頼みます。
Aさん
The penalty is too light for what he did.
訳)彼がしたことに対して、罰が軽すぎます。
Aさん
I saw him walking with light footsteps.
訳)彼が軽い足取りで歩いているのを見ました。

 

light の反対語(対義語)は?

light の反対語(対義語)は、”dark(ダーク)”、または “heavy(ヘヴィー)” です

dark は「暗い」という意味で、「光、明るい」を表す light の反対語となります。「闇」を表す名詞として使われることもあります。

そして heavy は「重い」という意味で、「軽い」を表す light の反対語です。light と同じく、実際の重さ以外にも比喩的に使うことができます。

right の意味と使い方

right の意味と使い方

2つ目のライトである “right” は、大きく分けて「右」と「正しい」という2つの意味があります1つ目の light のときと同様、2つの意味の間に一見関連性は見られませんね。

そんな right の語源は「まっすぐ、正しい」という意味の古英語 “riht“ にあります。同じ語源のものとしては「規則正しい」という意味の “regular” や「規則」を意味する “rule” が挙げられます。

では、もう1つの「右」という意味はなぜ生まれたかというと、最も有力なのは「大半の人が右利きだから」という説。いつの時代も、正しさというのは多数派を表すんですね。

「正しい」を表す right

right は道徳的な正しさから、位置などの正確さまで、幅広く「正しい」ことを表します

また、名詞として「権利」という意味にもなりますが、これも根本は「(正しさを主張するための)権利」なので、同じイメージの発展だと捉えることができます。

Aさん
Your decision was completely right.
訳)あなたの決断は完全に正しかったです。
Aさん
“The right man in the right place”, it’s my favorite phrase.
訳)「適材適所」、私の好きな言葉です。
Aさん
We all have human rights.
訳)私たちはみんな、人権を持っています。

「右」を表す right

「右」を表す right は、ほとんどの場合形容詞として使われます

また、日常会話での使用頻度はあまり多くありませんが、名詞として政治的な「右翼」「保守党」を表すこともあります。右が保守的なことを表すのは、フランス革命での議会の際、議長から見て右側に保守派の人々が座ったのが由来だとされています。

Aさん
Almost all people are right-handed.
訳)ほとんどの人は右利きです。

right の反対語(対義語)は?

right の反対語(対義語)は、”wrong(ロング)” か “left(レフト)” のいずれかです

wrong は「間違っている」という意味で、「正しい」を表す right の反対語となります。R と L の発音に気をつけないと “long” と間違えられてしまうので注意です。

left は「左」という意味で、「右」を表す right の反対語です。物理的な左側とともに、政治的な左翼(革新派)を表すこともあります。

まとめ

今回は「ライト」について詳しく確認してきました。

ライトに相当する英語は light と right の2種類。カタカナで表すと同じになりますが、それぞれに発音も意味も異なるため、しっかり分けて理解しておくことが大切です。

今回ご紹介した内容を参考に、light な気持ちで right な英語表現を究めていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!