ドイツ・テューリンゲン州、アイゼナハの丘の上にそびえる城が、ヴァルトブルク城(Wartburg Castle) です。中世以来、文化・宗教・政治の舞台として、数々の伝説や歴史的事件を見守ってきました。1999年にユネスコ世界遺産にも登録され、その価値は国際的にも認められています。
本記事では、ヴァルトブルク城の歴史や文化的な背景などを英語を交えながら学びましょう。
ヴァルトブルク城とは?

ヴァルトブルク城は、標高約 400 m の地点からの眺望と、森に囲まれた風景が印象的です。漆黒の外観が印象的です。
もともとの建設は11世紀、テューリンゲン伯ルートヴィヒによって始められたと伝えられており、1080年には文献にも城として言及されています。
その後、何度も増改築や修復がなされ、現在目にするヴァルトブルク城は、19世紀のロマン主義的修復工事も含めた姿となっています。城内には中世・ロマネスク期の構造や遺構も残されており、建築史・文化史の観点から非常に興味深い存在です。
歌合戦伝説
ヴァルトブルク城には、「歌合戦(Sängerkrieg)」という中世の伝説があります。詩人がこの城で歌を競ったという物語です。この伝説をもとに、音楽家・リヒャルト・ワーグナーはオペラ『タンホイザー』を創作しました。
聖エリーザベトの生涯
ヴァルトブルク城は、ハンガリー王女で後に聖人となった 聖エリーザベートが暮らした場所でもあります。慈善活動で知られ、キリスト教圏における模範的人物となりました。
マルティン・ルターとドイツ語訳聖書
最も有名なエピソードのひとつは、宗教改革者 マルティン・ルター(Martin Luther) がこの城に滞在し、 新約聖書をドイツ語に翻訳した ということです。
伝説によれば、ある夜ルターが悪魔に妨害されてインク壺を投げつけたという話が残されており、そのインクの染みが壁に今でも残っているという言い伝えがあります。
ドイツ統一の象徴「ヴァルトブルク祭」
1817年10月18日、ドイツ各地から約 500 名の学生がヴァルトブルクに集まり、思想の自由と祖国解放を掲げた学生祭典「ヴァルトブルク祭(Wartburgfest)」が開かれました。これは、後のドイツ統一運動につながる象徴的な出来事と見なされています。
世界遺産としての価値

ヴァルトブルク城(Wartburg Castle)は、1999年にユネスコの世界文化遺産リストに登録されました。
登録された理由
ユネスコの登録理由としては、以下の点が重視されています。
- 中世ヨーロッパの封建時代を代表する傑出した建築遺構であること。
- マルティン・ルターによる聖書の翻訳、リヒャルト・ワーグナーや聖エリザベートなど、文化的・宗教的に影響を与えてきたこと。
覚えておきたい英語

この記事で出てきた語彙・表現から、特に覚えておきたいものをピックアップします。
castle:城
Wartburg Castle stands on a top of hill overlooking town. ヴァルトブルク城は街を見下ろす丘の上にそびえています。
legend / legendary:伝説、伝説的な
The Sängerkrieg is a legendary contest of minstrels at Wartburg castle. 歌合戦はヴァルトブルク城での伝説的な吟遊詩人の競演です。
translate / translation:翻訳、翻訳する
Luther translated the New Testament into German during his stay here.
ルターは滞在中、ここで新約聖書をドイツ語に翻訳しました。
exile:亡命者、亡命する
Luther lived as an exile under the name “Junker Jörg”.
ルターは “Junker Jörg” の名で亡命者として暮らしました。
festival:祭
The Wartburg Festival of 1817 marked a symbolic gathering for German unity.
1817年のヴァルトブルク祭は、ドイツ統一の象徴的な集いとなりました。
旅先で使える英会話フレーズ
ヴァルトブルク城を訪れて、感動や知識を共有したくなったときに使える簡単な会話フレーズを紹介します。
訳)この城、まるでおとぎ話みたいだね。
訳)うん、まるで別の時代に踏み入れたみたいだね。
訳)ここでルターが聖書を翻訳したって知ってた?
訳)ほんと?すごいね。
訳)あそこ歌合戦の間を見に行こう。
訳)あそこのフレスコ画を見てみたい。
訳)来てよかったね。意味が詰まってる場所だ。
訳)そうだね。思っていた以上に学ぶことが多かったね。
おすすめ見どころ

ヴァルトブルク城には多くの見どころがあります。ここでは主要なスポットをいくつか紹介します。
ベルクフリート
城の塔の一つで、城の防衛的な要素と象徴性を備えた構造です。現在見られる塔は、1859年に建築家フーゴ・フォン・リトゲンの設計に基づいて再建されたものです。
頂上には高さ約 3.8 m のラテン十字が立っており、城を見上げる存在感を強めています。
パラス(Palas)
パラスは城内の主要部で、エリザベートの間、騎士の間、歌合戦の間、礼拝堂など、歴史・芸術的価値のある空間が含まれています。
騎士の間
パラスの1階に位置する騎士の間は、展示室も兼ねています。中世の鎧、剣、盾などが展示されています。
歌合戦の間
この大広間は、歌合戦伝説の舞台とされ、城内でも象徴的な空間です。19世紀にワグナーが作曲したオペラ『タンホイザー』の題材となり、劇中でもヴァルトブルク城が登場。
ヴァルトブルク城には、優れた音響効果を持つ部屋があり、現在はコンサートや文化イベントの会場として使用されています。
マルティン・ルターの部屋
マルティン・ルターが滞在した部屋も展示空間として公開されており、彼が翻訳作業を行ったデスクや装飾が見られます。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう!
ヴァルトブルク城は、ドイツ中世の文化・宗教史においてさまざまな重要な役割を果たした場所です。
ここを訪れた際には、ぜひこの記事で出てきた英単語やフレーズを思い出して、感想や感動を周りの人と英語で共有してみてください。歴史を感じながら、英語で旅を語る体験になるはずです。
