海外旅行や出張の準備を進める際、スマートフォンの設定画面で「データローミング」という項目を目にして、不安を感じたことはないでしょうか。「よくわからないままONにすると高額な請求が来る」という噂を聞き、怖くて触れないという方も少なくありません。
しかし、データローミングは仕組みを正しく理解し、適切な設定をおこなえば、海外でも日本と同じようにインターネットを楽しめる非常に便利な機能です。
そこで、今回は、データローミングの基礎知識から、関連する英語表現、そして高額請求を防ぐための具体的な通信設定までをわかりやすく解説します。
データローミングの基礎知識と英語表現

まずは、データローミングという言葉が何を指しているのか、その定義と英語での表現を確認しましょう。
データローミング(Data Roaming)の定義
データローミングとは、自分が契約している通信事業者のサービスエリア外に行った際、現地の通信事業者のネットワークを借りてデータ通信をおこなう仕組みを指します。
たとえば、日本の通信キャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)と契約しているスマートフォンをアメリカに持っていくと、当然ながら日本の電波は届きません。
しかし、日本のキャリアがアメリカの通信事業者(AT&TやT-Mobileなど)と提携していれば、その電波を借りて通信を継続することができます。これが「ローミング」と呼ばれる機能です。
関連する英語表現
海外でスマートフォンの設定を変更したり、現地のスタッフに質問したりする際に役立つ英語表現をまとめました。
- Mobile Data(モバイルデータ)
日本語の「モバイルデータ通信」を指します。3G、4G(LTE)、5Gなど、Wi-Fi以外の回線を使った通信全般のこと - Roaming(ローミング)
本来は「放浪する」「歩き回る」という意味を持つ言葉です。通信の世界では、本来のサービス圏外を歩き回っても繋がる状態 - International Roaming(海外ローミング)
国境を越えてローミングを行うこと
data
出典:英ナビ
roaming
出典:英ナビ
データローミングが機能する仕組み
なぜ、契約もしていない海外の電波を自分のスマートフォンで使うことができるのでしょうか。その裏側には、世界規模の「モバイルネットワーク(Mobile Network)」の連携があります。
日本の通信キャリアは、世界各国の通信事業者と「ローミング協定」という契約を結んでいます。この協定があるおかげで、ユーザーが海外へ渡航した際、スマートフォンのSIMカードが「今は日本の電波が届かないので、現地の提携先の電波を使わせてください」と自動的に交渉を行い、通信を確立してくれるのです。
このように、世界中の通信網が網の目のように繋がっていることで、私たちは場所を選ばずインターネットにアクセスできる環境を享受しています。
データローミングを「ON」にするメリットと注意点
データローミングを利用するかどうかは、利便性とコストのバランスで判断する必要があります。
メリット
データローミングをONにする最大の利点は、手間がかからないことです。
- 準備が不要:Wi-Fiルーターをレンタルしたり、現地のSIMカードを購入して差し替えたりする必要がありません。
- 到着後すぐに使える:飛行機が着陸し、機内モードを解除した瞬間から地図アプリや翻訳アプリが使えます。
- 電話番号が変わらない:日本の電話番号でそのまま着信を受けたり、SMSを送信したりすることが可能です。
注意点
データローミングを不用意にONにしたまま動画視聴や地図アプリを多用すると、帰国後に数十万円の請求が来るという事例が多発しました。これは、定額プランが適用されない「従量課金(使った分だけ課金される)」という非常に高い料金体系で通信が行われていたためです。
最近では、日本のキャリアが「海外1日定額」といった安価なプランを提供していますが、事前の申し込みや専用アプリでの操作が必要な場合が多く、何もしないままONにすることは依然としてリスクが伴うことがあります。
海外で失敗しないための通信設定

トラブルを避けるために、具体的な「通信設定(Connectivity Settings / Cellular Settings)」の方法を学びましょう。
設定画面での確認手順
iPhoneとAndroidで多少名称が異なりますが、基本的な流れは同じです。
- iPhoneの場合
「設定(Settings)」→「モバイル通信(Cellular)」→「通信のオプション(Cellular Data Options)」の中に「データローミング(Data Roaming)」のスイッチがあります。 - Androidの場合
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」の中に「ローミング」の項目があります。
確実に通信費を抑える設定
海外で一切ローミング料金を払いたくない場合は、以下の手順を推奨します。
- データローミングをOFFにする:これで、勝手に現地の電波でデータ通信が行われることはなくなります。
- モバイルデータ通信(Mobile Data)をOFFにする:より確実に遮断したい場合に有効です。
- 機内モード(Airplane Mode)を活用する:これをONにしてからWi-Fiだけを個別にONにすれば、現地の無料Wi-Fiスポットだけで通信を行うことができます。
データローミング以外の海外通信手段との比較
現在では、データローミング以外にも多くの通信手段があります。自分に合った方法を選びましょう。
- 海外ローミング定額プラン(キャリア公式)
日本のキャリアが提供するサービスです。24時間で数百円から千円程度で利用でき、データローミングをONにするだけで使える手軽さが魅力です。 - 現地SIMカード / eSIM
現地の通信会社から直接回線を購入する方法です。最も安価ですが、SIMフリーの端末が必要であり、英語での契約や設定が必要になる場合があります。 - モバイルWi-Fiルーターのレンタル
専用の端末を持ち歩く方法です。複数人でシェアできるのがメリットですが、充電の手間や持ち運びの負担があります。
海外での通信トラブルを乗り切るための「英語」活用術
ここでは、トラブルを回避するための英語活用術を見ていきましょう。
現地のスタッフに状況を説明するフレーズ
海外のホテルでWi-Fiが繋がらない時や、現地のSIMカードを購入する際に使える実戦的なフレーズを紹介します。
Could you tell me the Wi-Fi password?
I cannot connect to the internet.
The data connection is very sluggish.
まとめ
データローミングは、海外でも日本にいる時と変わらない利便性を提供してくれる素晴らしい機能です。しかし、その意味と仕組みを理解せずに利用すると、思わぬ出費を招く可能性もあります。
海外へ出発する前に、まずは自分が契約しているキャリアがどのような海外プランを提供しているのかを確認してください。そして、現地でどのようにスマートフォンを使うのか(常に繋がっていたいのか、ホテルなどのWi-Fiだけで十分なのか)を決めて、適切な「通信設定」を行ってください。
正しい知識を持って設定を管理できれば、海外でのインターネット利用は決して怖いものではありません。最新の情報を活用して、快適で安心な旅を楽しんでください。

