皆さんはタバコを吸いますか?
私は昔ヘビースモーカーでしたが、禁煙して5年ほどが経ちます。今では吸いたくなることも無くなりましたが、喫煙者だった当時は、数時間吸えないだけでもイライラそわそわしたものです。
さて、今回は喫煙者の皆さんには要注意の話題、「フィリピンのタバコ事情」です。
タバコが安く手に入ることで知られていたフィリピンですが、近年は国レベルでの厳しい統制、制限が行われており、思うように喫煙ができない状況です。
この記事では、そんなフィリピンで現在タバコが吸えるのか、もう無理なのか、そもそも何でそんなに厳しいのか、その辺りの事情を深掘りしていきます。
留学や旅行などでフィリピンに行く予定のある喫煙者の方は必見です。
それでは、早速始めていきましょう!
フィリピンでは公共の場所での喫煙が全面禁止!
フィリピンでは2017年7月から、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の発令により、公共の場での喫煙が全面的に禁止されました。
もし喫煙したことが発覚すると、最大4ヶ月の懲役刑、あるいは最大5,000ペソの罰金が科せられます。5,000ペソは日本円で約10,000円以上と、決して安くない金額です。
懲役と罰金は、現地の人か旅行客かを問わず、公共の場でタバコを吸った人全員に適用されます。そのため、「初めての滞在で知らなかった」なんて言い訳も通用しないので、くれぐれも注意が必要です。
電子タバコもNG!
また、ドゥテルテ前大統領は2019年に、電子タバコの輸入や販売、使用を大幅に規制する声明を出しました。それにより、フィリピン国内では紙巻タバコだけでなく、電子タバコも吸うことがNGとなりました。
ただ、2022年6月で約6年続いたドゥテルテ政権は終了し、それ以降は新しくボンボン・マルコス氏が大統領の任を務めています。それが故か否か、以前に比べてタバコ規制の圧が少し弱まり、2022年7月には、これまでの規制緩和を主旨とする「電子たばこ規制法」が成立しました。そのため、今後はフィリピン国内での電子タバコの立ち位置が変わってくるかもしれません。
電子タバコは、英語で “e-cigarette” といわれており、electronic cigarette の略です。
訳)フィリピンでは、電子タバコの販売は、場所による販売制限や最低販売年齢などの制限を受けることを条件に認められています。
訳)電子タバコの販売は全面的に禁止されているわけではないのですね。
訳)全面的には禁止されていませんが、部分的に制限されています。
参照:電子たばこ規制法、自然に成立|NNA ASIA(アジア経済ニュース)
入国時にタバコは持ち込める?
これだけ規制が厳しいと、そもそもタバコを日本から持ち込めないのではないかと不安になりますね。しかし、フィリピン入国時にタバコを持ち込むこと自体は問題なく、400本(約20箱)までの紙巻きタバコの持ち込みが可能とされています。
また、出国時は紙巻きタバコ200本までの持ち出しが可能です。フィリピンはタバコが100ペソ(約250円)にも満たない金額で売っているので、喫煙者は大量に持ち出したくなると思います。しかし、箱換算だと10箱程度しか持ち出せないので、くれぐれも買い過ぎには注意しましょう。
ちなみに、入国時のお金に関しては、$10,000以上の現金を持ち込む場合は申告が必要ですが、それ未満なら問題ありません。100万円以上の大金を持ち込む予定が無いのであれば、特に気にする必要はありませんね。
訳)フィリピンでは、タバコはリーズナブルな価格で販売されています。
訳)はい。タバコ1箱が100ペソ(約250円)なので、日本の半額ぐらいです。
訳)それはかなりリーズナブルです。旅行者は、おみやげに買って持ち帰りたくなります。
参照:フィリピン基本情報|JAL(JAPAN AIRLINES)
フィリピンのタバコはパッケージがグロテスク
フィリピンでは、タバコのパッケージに、人体への悪影響を写真入りで掲示することが義務付けられています。
日本のタバコにも警告文の表記はありますが、写真だと衝撃の大きさが段違いです。タバコを吸ってガンになった方の痛ましい写真や、真っ黒になった肺の写真などが使われているため、手に取るだけでもなかなかに勇気が必要です。
「それでも、あなたはタバコを吸いますか?」
そんな強烈なメッセージを感じざるを得ません。
訳)タバコのパッケージに人体への悪影響を写真入りで掲示することがフィリピンでは、義務付けられているとは、驚きました。
訳)それは、日本ではありえないことです。日本でも、それが義務づけられたら、喫煙者の数は減るだろうね。
訳)禁煙してほしい友人や家族に、そのパッケージのついたタバコをおみやげに買って帰ると、彼らに禁煙効果があるかもしれません。
なぜフィリピンのタバコ規制が厳しくなったのか?
フィリピンのタバコ規制が厳しくなった背景には、同国の高い喫煙率が関係しています。
国家レベルでの喫煙規制が始まる直前の2015年、フィリピンでは約1,700万人、成人人口の約3分の1が喫煙していたと報告されていて、世界でもトップクラスの喫煙率でした。
また、成人だけでなく未成年の高い喫煙率も高く、若くして肺疾患などの病気で亡くなる人が多く、問題視されていたようです。
このような状況を踏まえ、国民の喫煙率を短期間に減少させるために行われたのが、2017年のタバコ規制だったという流れです。
訳)2015年に、フィリピンでは、成人男性の3分の1が喫煙していましたが、それはかなり高い比率です。
訳)その問題に対処するために、タバコ規制法が制定されました。
参照:フィリピン、公共の場での喫煙を全面禁止に 禁煙法が来月発効|REUTERS
フィリピンの現在の喫煙率は?
WHOが発表した2022年度版の “World health Statistics(世界健康統計)” によると、2020年時点でのフィリピンの15歳以上の喫煙率は22.9%となっています。同年の日本における喫煙率が20.1%なので、かなり近い水準にありますね。
もともと成人人口の約3分の1が喫煙者だったことを考えると、この3年ほどで数多くの人がタバコを止めたことがわかります。厳しい規制なだけあり、非常に高い効果が出ていると言えそうですね。
参照:World health statistics 2022|World Health Organization
結局、フィリピンではタバコが吸えないのか?
ここまで規制が厳しいと、フィリピン国内ではタバコが吸えないのではないかと心配になりますね。
しかし、数は多くないものの、喫煙場所はホテルやショッピングモールなどの各地に設置されています。そのため、まったく吸えないというわけではありません。
ただし、年々喫煙場所の数は少なくなっているようで、街中には “No Smoking(喫煙禁止)” の看板が増えてきています。また、ホテルの部屋に関してはほぼ全面禁煙です。隠れて吸ったことがバレると、懲役や罰金の刑だけでなく、部屋のクリーニング費用も負担させられてしまいます。臭いが取れない限り追加で請求されるケースもあるので、絶対に部屋では吸わないようにしましょう。
訳)日本では、東京の一部の地域で喫煙の罰金に関する警告が見られますが、喫煙の取り締まりはあまり厳しくないです。
訳)フィリピンでは、禁煙エリアで喫煙したら、本当に罰金の支払いをあなたに課すだろうし、ホテルもクリーニング費用を請求してくるでしょう。
訳)郷に入っては郷に従え、ですね。
セブ島はタバコが吸える場所が多い?
セブ島は、都市部であるマニラなどに比べると、喫煙可能な場所が未だ多く、比較的タバコに対する規制が弱いです。
日本でも最近タバコの規制が強くなり、都心では吸える場所がどんどん減っていますが、田舎に行くと緩くなりますよね。それと同じ感覚です。
とはいえ、そんなセブ島でも施設内は基本的に喫煙NGで、吸えたとしても専用の喫煙ルームか、屋外の喫煙所になります。
規制が緩いといっても、日本に比べると依然厳しい状態なので、自由に吸えるとは思わない方が賢明でしょう。
まとめ
今回はフィリピンにおけるタバコ事情について、詳しく確認してきました。
フィリピンは現在、国家レベルでタバコを厳しく規制していて、公共の場での喫煙は基本的にできません。違反すれば最大4ヶ月の懲役刑か、10,000円以上の罰金刑が科せられてしまう可能性があります。
留学先として人気のあるセブ島は、フィリピンの都市部より比較的規制が緩いものの、それでも日本よりは厳しい印象です。そのため、喫煙者の方々は、タバコが思うように吸えなくなる覚悟をするか、この機会に思い切って止めてしまうか、フィリピンに行く前に態度を定めておくことをお勧めします。
タバコの問題さえクリアすれば、フィリピンはとても良いところです。せっかく行くなら、悩みは1つでも少ない状態にしておきましょう。
皆さんのフィリピン滞在が楽しいものであることを祈って。
Let’s enjoy!!