「命が尽きたら天国か地獄に行く」「悪いことをしたら地獄に落ちる」など地獄に関するイメージを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

地獄は苦しい場所であることが想像できるため、できれば天国に行きたいところですよね。

そんな「地獄」ですが、英語では何と表現するのか知らない方も多いでしょう。
また、「地獄」を意味する英語はスラングにもよく使われるので、ネイティブと会話をするときは意外によく耳にします。

そこで今回は、「地獄」に関する英語表現を解説します。
「what’s the hell」「hell no」などのスラングについても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

「地獄」は英語で?

「地獄」は英語で?

怖い場所、苦しい場所といったイメージのある地獄ですが、2つの英単語で表現できます。

hell

「地獄」を表現するときによく使われるのがhellです。

Aさん
You should go to hell.
あなたは地獄に落ちるべきです。

hellは想像上の「地獄」を表現するときに加え、世の中の「苦しい状況や場所」「修羅場」といった“地獄のような”場所や状況を表現するときにも使われます。

Aさん
It was hell on earth.
この世の地獄でした。

ただ、hellは名詞で使う場合は「地獄」という意味になりますが、動詞や間投詞、スラングで使われることもあります。後ほど詳しく解説しますが、どのように使われているかによって、必ずしも「地獄」だけの意味で使われるのではないので注意しましょう。

inferno

あまり聞きなれない単語かもしれませんが、infernoも「地獄」という意味の英単語です。

infernoは想像上の「地獄」を表現したり、この世の「地獄のような場所・光景」を表現したりできます。つまり、hellとinfernoの用法はほとんど同じなのです。

ただ、hellとinfernoにも違いがあり、infernoには「大火」という意味があります。これはhellにはない意味合いで、「地獄のような大きな火」といった表現に使われます。

また、hellは口語表現であり、「地獄」を会話で表現するときはhellを使うのが一般的です。一方、infernoはhellよりも少し堅い印象があり、口語表現ではあまり使われません。

「hell」は名詞・間投詞・スラングで意味が異なる

「hell」は名詞・間投詞・スラングで意味が異なる

想像上の地獄、この世の場所や状況を比喩的に表現するときの地獄の両方を表現できるhellですが、使い方によって意味が変わります。

「hell=地獄」と覚えてしまうと、会話の意味をきちんと理解できなくなってしまう可能性があるので、地獄以外の意味を確認していきましょう。

名詞で使う場合

名詞としてhellを使う場合、基本的に「地獄」という意味になります。

Aさん
Go to hell!
地獄に落ちろ!

英語圏ではキリスト教徒が多いですが、キリスト教における「地獄」は死後に罪を償う場だと考えられており、縁起の良い言葉ではありません。冗談で使ったり、気軽に使ったりすると印象を悪くしてしまうケースがあるので、使い方には注意しましょう。

動詞で使う場合

hellを動詞で使うケースもあります。

ちなみによく使われるのが「hell around」の形で、「騒ぐ」「うだうだする」という意味になります。地獄とは全く別の意味なので、知らないと意味が分からなくなってしまいそうですね。

「hang out」や「chill out」などの言葉と似たような意味合いです。

間投詞で使う場合

間投詞としてhellを使う場合、苛立ちや怒り、驚きを強調する表現に変わります。

日本語で意味を表現するなら、「ちくしょう!」「ちぇ!」などのニュアンスに近いです。

Aさん
Oh, hell!
ちくしょう!

スラングで使う場合「what the hell」「Hell no!」など

ネイティブが会話でhellを使う場合、最も多いのがスラングとして使っているケースです。

スラングでhellを使う場合、ただ言葉を強調しているだけなのでほとんど意味はありません。日本語で表現するなら「まじで!?」「え!?」に近いニュアンスです。

その中でもとくによく耳にするのが、「what the hell」「Hell no!」ですね。

Aさん
What the hell!
なんという!
Aさん
What the hell is going on?
一体何が起こっている?

hellがなければ、「なにが起こっている?」というシンプルな疑問文ですが、hellが加わることで「一体」という言葉で疑問が強調されています。

Aさん
What the hell do you know about it?
あなたは一体それについての何がわかるの?
Aさん
Hell no!Is it true?
なんてこった!本当に?

「Hell no!」は否定を強調するときに使うスラングです。「No way」がニュアンスとして近い表現でしょう。

「what the hell」の意味と使い方

「what the hell」の意味と使い方

言葉を強調するときのスラングとして使われる「what the hell」ですが、必ずしもマイナスなニュアンスで使われるわけではありません。

「what the hell」は実にさまざまな意味で使われるので、使い方を確認しておきましょう。

「what the hell」には複数の意味がある

「what the hell」は4つも感情を表現できます。

・感動しているとき
・怒っているとき
・信じられないとき
・同情するとき

「what the hell」のコアイメージはwhatの強調ですが、さまざまな感情を強調できるのです。

【感動しているとき】

Aさん
What the hell! How beautiful the rising sun is!
わあー!朝日が昇るのは何て美しいのでしょう。

【怒ってしているとき】

Aさん
What the hell is this? I can’t believe Mike did that to her!
なにこれ?マイクが彼女にそんなことをしたなんて信じられない!
Aさん
What the hell is this?!Did you have an affair?
は?!浮気したの?

「what the hell」はかなり怒っている様子を強調するときにも使えます。「は!?」「なんだと!?」などの日本語が似ているニュアンスとなります。

【信じられないとき】

Aさん
What the hell?! Did your teacher really say so?
え!?先生は本当にそう言ったの?
Aさん
What the hell are you talking about?
あなたは一体なにを言っているの?

疑問を通り越して、驚きや信じられない様子を表現するときに使います。

【同情するとき】

Aさん
What the hell…I’m sorry to hear that.
ひどいね…それはお気の毒です。

裏切られたり、ひどいことをされたりした相手に対し、同情を表現するときにも使われます。
「ひどいね」「まじなの?」といった日本語が近いニュアンスでしょう。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「地獄」に関する英語表現について紹介しました。
地獄は、死後の世界を表現することもあれば、世の中の苦しい状況や感情を表現するときにも使われる言葉で、どちらの意味合いでもhellやinfernoを使って表現できます。

ただ、hellは使い方によって「地獄」以外の意味でも使われます。動詞や間投詞、スラングで使われる場合の意味も覚えておきましょう。